進行乳がんへのHER3-DXd、効果予測因子は?(ICARUS-BREAST01)/ESMO BREAST 2023
HR+/HER2-の進行乳がん患者に対し、HER3を標的としたpatritumab deruxtecan(HER3-DXd)を投与した第II相ICARUS-BREAST01試験において、ベースライン時のHER3+の血中循環腫瘍細胞(CTC)数が多い患者、または1サイクル後にHER3+のCTC数が大きく減少した患者では、治療反応が早期に得られやすい傾向にあったことを、フランス・Gustave RoussyのBarbara Pistilli氏が欧州臨床腫瘍学会乳がん(ESMO Breast Cancer 2023、5月11~13日)で報告した。
これまで、HER3+の再発/転移乳がん患者(HR+/HER2-、HER2+、トリプルネガティブ)に対する第I/II相U31402-A-J101試験において、HER3-DXdの有効性と安全性が示されている。この有用性はすべてのサブタイプで同様であり、HER3-DXdはHER3の発現量にあまり依存しない可能性が示唆されており、HER3-DXdに対する反応性/抵抗性のバイオマーカーは不明である。