整形外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:74

変形性膝関節症には運動介入がやはり有益/BMJ

 下肢変形性関節症を有する患者への運動介入の有益性について、システマティックレビューとネットワークメタ解析の結果、2002年以降のデータで、そのエビデンスが十分に蓄積されていることが示された。英国・キール大学のOlalekan A Uthman氏らによる報告で、「さらなる試験を行っても結果は覆りそうもないようだ」と述べるとともに、「筋力、柔軟性、有酸素能を高める複合的アプローチのエクササイズは、下肢変形性関節症の治療に最も効果があるようだ。なおエビデンスは変形性膝関節症患者の試験によるものが大部分を占めていた」とまとめている。BMJ誌オンライン版2013年9月20日号掲載の報告より。

高血圧患者では慢性腰痛が少ない

 疫学先行研究において、血圧と、片頭痛や頭痛の有病率は逆相関であることが報告されているが、腰痛に関しても同様の関係が示された。ノルウェー・オスロ大学病院のIngrid Heuch氏らによる検討の結果で、「血圧の上昇に伴って疼痛の知覚が低減するという高血圧による痛覚鈍麻の理論は、一貫していることが確認された」と結論し、「こうした反応は、長期にわたって疼痛に苦しむ患者の一種の防御反応かもしれない」と述べている。

椎間板ヘルニアに対して椎弓間硬膜外ステロイド注入は有効か

 腰椎椎間板ヘルニアの治療において硬膜外注射は広く使用されているが、その有効性や必要性、適応症などについては今も議論が続いている。米国・ルイビル大学のLaxmaiah Manchikanti氏らは、腰椎椎間板ヘルニアや神経根炎の疼痛管理に対する最新の介入法である蛍光透視下の椎弓間硬膜外注射の有効性を評価するため、無作為化二重盲検比較試験を行い、この方法による局所麻酔薬の注入は有効であることを明らかにした。

成人の慢性疼痛患者 6人に1人は小児期から

 小児期の慢性疼痛は成人期になっても続く場合があることが、米国・ミシガン大学のAfton L. Hassett氏らのアンケート調査で確認された。成人の慢性疼痛患者の6人に1人は小児期または青年期に慢性疼痛の既往があり、こうした患者の多くは広範痛で、神経障害を来しており、精神疾患や身体機能悪化を伴う傾向にあったという。Journal of Pain誌オンライン版2013年9月9日号の掲載報告。

椎間関節の重度変形性関節症は高齢者腰痛の独立リスク因子

 高齢者の腰痛に、椎間関節の変形性関節症(OA)は関与しているのだろうか。米国・VA Puget Sound Healthcare System/ ワシントン大学のPradeep Suri氏らは、フラミンガム子孫コホートの高齢者を対象に検討した。その結果、CT画像で確認された重度椎間関節OAの存在と程度は、社会人口統計学的および健康要因や椎間板高とは独立して地域の高齢者の腰痛と関連していることが示されたと報告した。Osteoarthritis and Cartilage誌2013年9月号の掲載報告。

腰痛改善に地域薬局が重要なポジション

 腰痛に対するプライマリ・ケアの玄関口として、地域の薬局が重要な役割を担えることが明らかとなった。オーストラリア・カーティン大学のHelen Slater氏らによるクラスター無作為化比較試験において示されたもので、地域薬局を利用している腰痛患者のうちパンフレットを提供された患者は職業性腰痛に関する考え方が改善していたという。

脊椎手術研究の有害事象報告、4割にバイアス

 最近、企業主導型の脊椎手術研究における報告記事について、有害事象の報告に関する懸念が生じている。対策として独立した臨床事象判定委員会(CEC)による評価が行われることがあるが、これまで、有害事象の報告にどの程度研究者バイアスが存在しているか、CECがバイアス削減にどう影響するかを検討した報告はなかった。

睡眠障害は痛覚過敏を誘発する

 慢性疼痛患者では睡眠障害が非常によくみられることから、睡眠障害や睡眠不足と疼痛知覚との関連の解明が重要な研究課題となっているが、これまでのところヒトにおける研究で一貫した結果は得られていない。ドイツ・ハイデルベルグ大学のSigrid Schuh-Hofer氏らは、健常人において、全断眠(TSD)は全般的な痛覚過敏を誘発するとともに状態不安を高めることを示した。