高齢の腰痛患者における特徴は? 腰痛は高齢者に多いが、プライマリ・ケアにおけるこのような患者の特徴に関する情報は限られている。オランダ・エラスムス大学医療センターのJantine Scheele氏らは、前向きコホート研究(BACE研究)において、プライマリ・ケアを受診する高齢の腰痛患者は、より多くの障害や併存疾患を有していることを明らかにした。しかし、そのことが腰痛の経過と臨床的にどう関連しているかについては今後の研究課題であるとまとめている。
メタボは上肢痛のリスク因子か 内臓脂肪は上肢痛のリスク因子であるようだ。フィンランド労働衛生研究所のTapio Vehmas氏らが、コホート研究の結果、報告した。結果を踏まえて著者は、「さらなる研究にて、そのメカニズムを解明し、減量が疼痛管理に有用かどうかを明らかにすることが必要だ」とまとめている。Pain Medicine誌2013年7月号(オンライン版2013年5月3日号)の掲載報告。
線維筋痛症は治療継続が難しい 線維筋痛症は、原因不明の慢性疼痛疾患で決定的治療法はなく、症状軽減にしばしば抗うつ薬や抗てんかん薬が用いられている。米国・ブリガム&ウィメンズ病院のSeoyoung C. Kim氏らのコホート研究において、線維筋痛症で一般的な薬剤により治療を開始した患者は、いずれの場合も治療薬の増量はほとんどなされておらず、しかも治療期間が短期間にとどまっていたことを明らかにした。Arthritis Care & Research誌オンライン版2013年7月16日の掲載報告。
椎間板性腰痛、パルス高周波療法は有効 椎間板に起因する疼痛は腰痛の重大な原因であるが、近年開発された治療法として、椎間板に高周波電流を適用するパルス高周波療法(PRF)がある。滋賀医科大学医学部附属病院ペインクリニック科の福井 聖氏らは、慢性椎間板性腰痛患者を対象に前向き研究を行い、椎間板内PRFは疼痛緩和および障害軽減に有効であることを示した。
腰椎手術では減圧術より固定術で心イベントの発現率が高い 脊椎手術における周術期死亡の主たる原因は、心イベントである。米国・ラッシュ大学メディカルセンターのSteven J. Fineberg氏らは、大規模データベースを用いたレトロスペクティブ研究により、腰椎手術後の心合併症の発現頻度を調べた。その結果、心イベントの頻度は1,000例当たり6.7件であり、減圧術より固定術施行例において高く、リスク因子は「高齢」であることを明らかにした。
プレゼンにおけるベストなCOI開示方法は?~AAOSを例に~ プレゼンテーションの前にスライドを提示して潜在的な利益相反(COI)の開示を行うことは、聴衆が提示されたデータを批判的に評価するためにほとんどの整形外科学会で行われており、インターネットサイトやプログラム集でたびたび補完されている。これまで、このスライドのフォーマットの忠実性や有用性は調査されておらず、その方法で本来の目的が達成されているのかどうかは、明らかになっていなかった。今回、メイヨークリニックのSassoon AA氏らは、2012年アメリカ整形外科学会(AAOS)年次総会において潜在的利益相反の開示状況について調査した。
慢性腰痛に対するタネズマブの有効性および安全性 神経成長因子(NGF)を阻害するヒト化モノクローナル抗体であるタネズマブ(tanezumab、国内未発売)について、慢性腰痛に対する有効性と安全性をプラセボおよびナプロキセンと比較した後期第II相臨床試験の結果が発表された。
有痛性の糖尿病性神経障害の医療費低減の鍵はプレガバリンと服薬アドヒアランスの向上 有痛性糖尿病性末梢神経障害(pDPN)の治療において、高齢で服薬アドヒアランスが高く維持されている患者の場合で医療コストを比較した結果、プレガバリン(商品名:リリカ)の服用患者で総医療費が低いことが明らかになった。
関節リウマチの医療費の抑制は可能か?(コメンテーター:杉原 毅彦 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(116)より- 生物学的製剤(TNF阻害薬 IL-6阻害薬 T細胞選択的阻害薬)の登場により、関節リウマチの疾患活動性のコントロールが可能となったが、関節リウマチの医療費が高騰している。もっともスタンダードな治療法であるメトトレキサート(MTX)で疾患活動性のコントロールが不十分であると判断した場合、リウマチ専門医はTNF阻害薬をMTXに追加することが増えてきた。
ビスホスホネート関連大腿骨不完全骨折には外科的治療が有効 ビスホスホネート系薬剤が誘発する大腿骨不完全骨折の予後に関するレトロスペクティブな調査の結果、外科的治療のほうが保存的治療と比較し、より早く症状を消失させるとともに治癒に至らせる割合が高いことが報告された。