小児科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:38

サル痘疑い患者にはN95マスク、手袋、ガウン、眼の防護/国立感染症研究所・国立国際医療研究センター

 国立感染症研究所と国立国際医療研究センター国際感染症センターは、連名で「サル痘患者とサル痘疑い例への感染予防策」を2022年6月15日に発表し、今回その内容を改正し、7月8日に同研究所のホームぺージに公開した。全世界でサル痘の感染拡大が懸念される中、診療にあたる医療者が注意すべきポイントについて本対策ではコンパクトに記している。  サル痘は接触感染や飛沫感染を起こすが、日常生活の中で空気感染を起こすことは確認されていない。

5製品の特徴を整理、コロナワクチンに関する提言(第5版)公開/日本感染症学会

 日本感染症学会(理事長:四柳 宏氏[東京大学医科学研究所附属病院長])は、7月8日に同学会のホームページで「COVID-19ワクチンに関する提言(第5版)」を公開した。  今回の提言では、第4版(2021年12月16日公開)と比較して構成を大幅に変更し、COVID-19ワクチンの種類ごとに記載。現在判明している各ワクチンの作用機序、有効性、安全性を記すとともに特定状況での接種として「妊婦」「免疫不全者」「COVID-19罹患者」の3区分を記載した。

生後3ヵ月からのアレルゲン性食物摂取、食物アレルギー抑制か/Lancet

 生後3ヵ月からの補完的なアレルゲン性食物の導入により、36ヵ月後の食物アレルギーの発生が抑制されることが、ノルウェー・オスロ大学病院のHavard Ove Skjerven氏らが一般集団を対象に実施した「PreventADALL試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌2022年6月25日号で報告された。  PreventADALLは、一般集団の幼児への早期食物導入と皮膚軟化剤の塗布により、食物アレルギーのリスクが低減するかの検証を目的とする2×2ファクトリアルデザインのクラスター無作為化試験。2015年4月14日~2017年4月11日の期間に、ノルウェーの2施設(オスロ大学病院、Ostfold病院トラスト)とスウェーデンの1施設(カロリンスカ大学病院)で参加者の登録が行われた(オスロ大学病院などの助成を受けた)。

先天性心疾患、術後の人工心肺装置を介したNO吸入療法は有効か/JAMA

 先天性心疾患に対する心肺バイパス術を受けた2歳未満の小児において、人工心肺装置を介してのNO(一酸化窒素)吸入療法は、人工呼吸器使用日数に有意な影響を与えなかった。オーストラリア・クイーンズランド大学のLuregn J. Schlapbach氏らが、多施設共同無作為化二重盲検比較試験「Nitric Oxide During Cardiopulmonary Bypass to Improve Recovery in Infants With Congenital Heart Defects trial:NITRIC試験」の結果を報告した。心臓手術を受ける小児において、人工心肺装置を介した一酸化窒素吸入療法は、術後の低心拍出量症候群を軽減し、回復の改善や呼吸補助期間の短縮につながる可能性があるが、人工呼吸器離脱期間(人工換気を使用しない生存日数)を改善するかどうかについては不明であった。JAMA誌2022年7月5日号掲載の報告。

オミクロン株流行中の5~11歳へのワクチン接種、実際の有効性は?/NEJM

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)オミクロン変異株流行中における、5~11歳へのmRNAワクチンBNT162b2(ファイザー製)の2回接種は、SARS-CoV-2感染および症候性新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対し中程度の保護効果を示したことが、イスラエル・Clalit Research InstituteのChandra J. Cohen-Stavi氏らによる検討で示された。これまでオミクロン変異株流行中の5~11歳への、BNT162b2ワクチンのリアルワールドでの有効性に関するエビデンスは限定的だった。NEJM誌オンライン版2022年6月29日号掲載の報告。

オミクロン株時代の未成年者に対するRNAワクチン接種法とは?(解説:山口佳寿博氏/田中希宇人氏)

本論評の主たる対象論文として取り上げたのはFleming-Dutraらの報告で、未成年者(5~17歳)を対象としてBNT162b2(Pfizer社)のオミクロン株に対する感染/発症予防効果を調査したものである。未成年者の分類は国際的に統一されたものはなく、本論評では各製薬会社の分類に準拠し、生後6ヵ月以上~4歳(Pfizer社)あるいは6ヵ月以上~5歳(Moderna社)を幼児、5~11歳(Pfizer社)あるいは6~11歳(Moderna社)を小児、12~17歳(Pfizer社、Moderna社)を青少年と定義する。本論評では、ワクチン接種の最先端国である米国と本邦の現状を比較し、本邦において未成年者のワクチン接種として今後いかなる方法を導入すべきかについて考察する。

2価RSVpreFワクチン、第IIa相チャレンジ試験で有効性を確認/NEJM

 2価の呼吸器多核体ウイルス(RSV)融合前F蛋白ベース(RSVpreF)のワクチンはプラセボと比較して、症候性のRSV感染やウイルス排出の予防効果が高く、安全性に関する明らかな懸念も認めないことが、ドイツ・Pfizer PharmaのBeate Schmoele-Thoma氏らの検討で示された。研究の成果は、NEJM誌2022年6月23日号で報告された。  本研究は、2価RSVpreFワクチンの有効性と安全性の評価を目的に、単施設で行われた探索的なRSVチャレンジ試験(二重盲検無作為化プラセボ対照第IIa相試験)である(米国Pfizerの助成を受けた)。

追加接種のタイミング、6ヵ月以上でより高い有効性か

 ワクチンの種類や2回目接種からの間隔の長さによって、オミクロン株に対する3回目接種の有効性は異なるのか? スペイン・公衆衛生研究所のSusana Monge氏らは、全国規模の住民登録データを用いて、オミクロン株が優勢な期間におけるワクチン有効率をいくつかのサブグループごとに推定。結果をThe Lancet Infectious Diseases誌オンライン版2022年6月2日号で報告した。  本研究では、スペインの3つの全国的な人口登録(ワクチン接種登録、検査結果登録、および国民健康システム登録)からのデータをリンクさせて、ワクチン初回シリーズ(mRNAワクチンおよびアストラゼネカ製ワクチンは2回、ヤンセン製ワクチンは1回)をフォローアップ開始の3ヵ月前までに完了した40歳以上の個人を選択した。パンデミックの開始以降、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染したことがある者(検査陽性者)は含まない。

妊娠中のコロナワクチン2回接種、生後6ヵ月未満児の入院を半減/NEJM

 妊娠中に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のmRNAワクチンを2回接種することにより、生後6ヵ月未満の乳児におけるCOVID-19による入院および重症化のリスクが低減することが、米国・ヴァンダービルト大学医療センターのNatasha B. Halasa氏らが実施した検査陰性デザインによる症例対照研究の結果、示された。生後6ヵ月未満児はCOVID-19の合併症のリスクが高いが、ワクチン接種の対象とはならない。妊娠中の母親がCOVID-19ワクチンを接種することで新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する抗体が経胎盤移行し、乳児にCOVID-19に対する防御を与える可能性が示唆されていた。NEJM誌オンライン版2022年6月22日号掲載の報告。

思春期ADHDにおける物質使用障害の性差

 性差が精神疾患の病因および経過に重大な影響を及ぼすことは、脳解剖学、脳活動パターン研究、神経化学などのエビデンスで示されている。しかし、メンタルヘルス分野での性差に関する研究は十分ではない。スペイン・Universidad Cardenal Herrera-CEUのFrancisca Castellano-Garcia氏らは、物質使用障害(SUD)、有病率、薬物療法、メンタルヘルスの観点から、注意欠如多動症(ADHD)と診断された13~18歳の思春期患者における性差について検討を行った。その結果、思春期のADHDにおいて女性は男性よりも診断・治療が十分でない可能性があり、将来のさまざまな問題を予防するためにも、とくに思春期女性に対するADHDの早期診断は重要であることが示唆された。Brain Sciences誌2022年5月2日号の報告。