小児科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:37

若年層での3回目接種、オミクロン株流行下も感染率低下/JAMA

 若年層での新型コロナウイルスワクチンのブースター接種の有効性を検討するため、米国の医療情報コンサルティング企業のIQVIAは、全米プロバスケットボール協会(NBA)の選手およびスタッフにおいて、ブースター接種者と未接種者の感染発生率を調査した結果、オミクロン株流行期でも、ブースター接種が感染率を有意に低下させることが示された。本結果は、JAMA誌2022年6月2日号オンライン版のリサーチレターに掲載された。

mRNAワクチン後の心筋炎、予防に有効な接種間隔は?/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するmRNAワクチン接種後の心筋炎のリスクが最も高いのは、思春期および若年成人の男性であり、これらの集団ではモデルナ製よりファイザー製のワクチンを用い接種間隔は30日以上が望ましいこと、5~11歳の小児での心筋炎発症は非常に稀でエビデンスの確実性は低いことなどを、カナダ・アルバータ大学のJennifer Pillay氏らが、システマティック・レビューの結果、報告した。著者は、「mRNAワクチンに関連した心筋炎は良性と思われるが、長期追跡データは限られており、生検や組織形態学等の適切な検査を用いた前向き研究によりメカニズムの解明が進むだろう」とまとめている。BMJ誌2022年7月13日号掲載の報告。

ノババックス製ワクチン、12歳以上の接種を承認/添付文書改訂

 厚生労働省は7月21日、ノババックス製新型コロナウイルスワクチン「組換えコロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン」(商品名:ヌバキソビッド筋注)について添付文書を改訂し、初回免疫(1回目・2回目)の接種対象者の年齢を、18歳以上から12歳以上に引き下げたことを発表した。なお、本ワクチンの3回目の追加接種は、従来どおり18歳以上が対象となっている。また、初回免疫でほかのメーカーのワクチンを接種した者に対しては、ノババックス製ワクチンを3回目に使用した際の有効性と安全性は確立していないとしている。

オミクロン株流行時期における5~11歳児に対するBNT162b2ワクチンの有効性(解説:寺田教彦氏)

本研究はBNT162b2ワクチンのオミクロン株流行時期における5~11歳を対象にした研究である。オミクロン株の流行中に新規のワクチン接種を受けた小児におけるBNT162b2ワクチンの有効性を推定するため、イスラエル最大の医療組織であるクラリット・ヘルス・サービス(CHS)のデータを用いて2021年11月23日以降にワクチン接種を受けた5~11歳児と未接種の対照をマッチさせてSARS-CoV-2感染の予防、有症状のCOVID-19患者を比較しており、和文要約は「オミクロン株流行中の5~11歳のワクチン接種、実際の有効性は?/NEJM」に記載がある。

妊娠中のビタミンD補充、児のアトピー性皮膚炎を予防?

 母体へのビタミンD補充が、出生児の4歳時までのアトピー性湿疹リスクを減少させたことが、英国・サウサンプトン大学のSarah El-Heis氏らによる無作為化試験「UK Maternal Vitamin D Osteoporosis Study(MAVIDOS)」で示された。これまで、母体へのビタミンD補充と出生児のアトピー性湿疹リスクとを関連付けるエビデンスは一貫しておらず、大半が観察試験のデータに基づくものであった。著者は、「今回のデータは、乳児のアトピー性湿疹リスクに対する胎児期のビタミンD(コレカルシフェロール)補充の保護効果に関する無作為化試験初のエビデンスであり、保護効果が母乳中のコレカルシフェロール値上昇による可能性を示唆するものであった」と述べ、「所見は、アトピー性湿疹への発育上の影響と、アトピー性湿疹への周産期の影響は修正可能であることを支持するものである」とまとめている。British Journal of Dermatology誌オンライン版2022年6月28日号掲載の報告。  研究グループは、二重盲検無作為化プラセボ対照試験「MAVIDOS」の被験者データを用いて、妊娠中の母体へのコレカルシフェロール補充と、出産児のアトピー性湿疹リスクへの影響を月齢12、24、48ヵ月の時点で調べる検討を行った。

アレルギー予防のため、ピーナッツは1歳までに摂取すべき?/JAMA

 オーストラリアでは、2016年、幼児の食事ガイドラインが改訂され、ピーナッツアレルギーの予防のために生後12ヵ月までのピーナッツ導入が推奨されるようになった。同国マードック子ども研究所のVictoria X. Soriano氏らは、今回、この改訂の前後におけるピーナッツアレルギーの発生状況を調査し、ピーナッツの早期導入の推奨により有病率が0.5%低下したが、これは統計学的に有意な差ではないことを確認した。研究の詳細は、JAMA誌2022年7月5日号で報告された。  研究グループは、オーストラリアにおける生後12ヵ月までのピーナッツ導入の推奨が、幼児のピーナッツアレルギー発生の抑制に寄与するかの検証を目的に、一般住民を対象とした2つの横断的調査の結果を比較した。

青年期の抑うつ症状とビタミンDレベルとの関係

 クウェートは、ビタミンD欠乏症の有病率が高い国の1つである。また、ビタミンD不足はうつ病のリスク因子であるといわれている。クウェート大学のReem Al-Sabah氏らは、同国の青年期における25-ヒドロキシビタミンD(25[OH]D)と抑うつ症状との関連を調査した。その結果、ビタミンDの状態は、青年期の抑うつ症状と関連していないこと報告した。しかし著者らは、他の健康へのベネフィットを考慮し、青年期に十分なビタミンDレベルを維持することは重要であるとしている。Child and Adolescent Psychiatry and Mental Health誌2022年6月27日号の報告。

生後6ヵ月~4歳へのコロナワクチン、国内製造販売承認を申請/ファイザー

 ファイザーは7月14日付のプレスリリースで、生後6ヵ月~4歳の小児に対する同社の新型コロナウイルスワクチン(一般名:コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン[SARS-CoV-2]、商品名:コミナティ筋注)の製造販売承認を、厚生労働省に申請したことを発表した。  なお、本ワクチンについては、米国にて6月17日に、生後6ヵ月以上に対して、米国食品医薬品局(FDA)が緊急使用許可(EUA)したことを発表している。

インターネット依存に対する各種介入効果~メタ解析

 インターネット依存に対するさまざまな介入効果を評価するため、中国・Anhui Medical UniversityのXueqing Zhang氏らが、メタ解析およびネットワークメタ解析を実施した。その結果、インターネット依存にはほとんどの介入が効果的であるが、単一介入よりも組み合わせた介入のほうが、より顕著な症状改善が期待できることを報告した。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2022年6月26日号の報告。  2021年8月までに公表されたインターネット依存に対する介入効果を評価したランダム化比較試験(RCT)を、各種データベース(PubMed、Cochrane、Embase、Web of Science、PsycINFO、ProQuest、CNKI、WanFang、VIP database、CBM)より検索した。バイアスリスクは、RCTのための改訂版コクランバイアスリスクツール(RoB2)を用いて評価した。従来のメタ解析およびネットワークメタ解析には、Rstudio SoftwareおよびStata 14.0を用いた。

5~11歳へのコロナワクチン、43~84日後の感染予防効果は21.2%/Lancet

 イタリアの5~11歳児への新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン「BNT162b2」(ファイザー製)の有効性は、12歳以上と比べて新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)への感染およびCOVID-19重症化について、いずれも低いことが示された。また、感染への有効性は2回接種後最大となるが、その後は低下する。イタリア・Istituto Superiore di SanitaのChiara Sacco氏らが行った、5~11歳児対象の試験では最大規模かつ米国外では初めてとなる検討で、2022年1月~4月に2回接種を受けた106万超のデータを後ろ向きに解析した。イタリアでは、ファイザー製ワクチンの承認から4ヵ月超(2022年4月13日時点)で5~11歳児の接種率は40%弱であったという。研究グループは、今後のワクチン接種方針と戦略を定義し公衆衛生担当部局に通知するために、オミクロン変異株(B.1.1.529)流行中における5~11歳児へのワクチン接種の有効性を推定する検討を行った。Lancet誌2022年6月30日号掲載の報告。