小児科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:66

学生の認知機能に対する朝食の影響~ADHDとの関連

 米国・アメリカン大学のElizabeth T. Brandley氏らは、大学生の認知機能に対する栄養バランスの取れた朝食の効果について、注意欠如多動症(ADHD)の有無の影響を考慮し検討を行った。American Journal of Health Promotion誌オンライン版2020年2月4日号の報告。  18~25歳の大学生でADHDおよび非ADHDを対象に、食事介入前後の認知機能の変化を測定した。対象者は、一晩の絶食後および栄養バランスの取れた朝食シェイクの摂取1時間後に、コンピューターによる認知機能評価(CNS Vital Signs)を受けた。カテゴリ変数の比較にはカイ二乗検定を、群間および群内の連続データの比較にはウィルコクソンの順位和検定と符号順位検定をそれぞれ用いた。

新型コロナウイルス感染妊婦の臨床症状と垂直感染の可能性(解説:小金丸博氏)-1193

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する論文が次々と公表され、一般集団における臨床像、画像所見の特徴などが少しずつ判明してきた。これまで妊婦に関するデータは限定的であったが、今回、新型コロナウイルス肺炎と確定診断された妊婦9例の臨床症状と、児への垂直感染の可能性を検討した論文がLancet誌オンライン版(2020年2月12日号)に報告された。妊婦9例の年齢は26~40歳で基礎疾患はなく、全例妊娠第3期だった。臨床症状としては、発熱(7例)、咳嗽(4例)、筋肉痛(3例)、咽頭痛(2例)、倦怠感(2例)を認めた。2月4日時点で感染妊婦に重症例、死亡例は確認されなかった。子宮内垂直感染の有無を確認するために、9例中6例で羊水、臍帯血、新生児の咽頭拭い、母乳中のRT-PCR検査が実施されたが、すべて陰性だった。

新型肺炎は母子感染するのか?妊婦9例の後ろ向き研究/Lancet

 中国・武漢市を中心に世界規模で広がっている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。これまでの研究では一般集団における感染ルートの検証が行われてきたが、妊婦のデータは限定的だ。武漢大学中南医院産婦人科のHuijun Chen氏らは、新型コロナウイルス陽性と確認された妊産婦について、臨床的特徴と垂直感染の可能性について検証した。Lancet誌オンライン版2月12日版に掲載。  本研究では、2020年1月20日~31日、武漢大学中南医院に入院した患者のうち、COVID-19と診断された妊産婦9例について、臨床記録、検査結果および胸部CT画像を後ろ向きにレビューした。垂直感染を裏付ける根拠として、羊水、臍帯血、新生児の咽頭スワブおよび母乳サンプルが採取された。

武漢以外の新型コロナウイルス感染患者の臨床的特徴/JAMA

 新型コロナウイルス(2019-nCoV)感染患者の臨床症状について、健康人集団や武漢以外の患者について、まだあまり報告されていない。中国・北京の中国人民解放軍総医院のDe Chang氏らは、北京市内の病院に入院し2019-nCoV感染が確認された13例の初期の臨床的特徴を、JAMA誌オンライン版2020年2月7日号のリサーチレターに報告した。  著者らは、中国・北京にある3つの病院に2020年1月16~29日に入院した患者(北京清華長庚医院8例、首都医科大学附属北京安貞医院4例、中国人民解放軍総医院1例)を、2月4日まで調査した。2019-nCoV感染の可能性がある患者は入院・隔離し、咽頭スワブのサンプルを収集して中国疾病管理予防センターで2019-nCoVについて定量的PCRアッセイを用いて調べた。また、胸部レントゲンもしくは胸部CT検査を実施した。診断された患者は専門病院に移送した。

境界性パーソナリティ障害とADHDの関係に対する環境の影響

 近年の研究において、小児期の注意欠如多動症(ADHD)から成人期の境界性パーソナリティ障害(BPD)への移行が示唆されている。一般的な遺伝的影響が知られているが、生涯を通じてある疾患から別の疾患へ移行する可能性に対する環境要因の影響に関するエビデンスは、ほとんどない。スペイン・Hospital Universitary Vall d'HebronのNatalia Calvo氏らは、ADHD児におけるBPD発症リスク因子として、小児期のトラウマの影響を検証するため、既存のエビデンスのレビューを行った。Borderline Personality Disorder and Emotion Dysregulation誌2020年1月6日号の報告。

企業による資金提供は、患者会に影響を及ぼすか/BMJ

 患者会への企業による資金提供は一般的に行われており、企業からの財政支援を抑制する指針を持つ患者会は少なく、資金提供に関する透明性も不十分であり、資金提供を受けた患者会は出資企業にとって有利となる立場を取る傾向があることが、オーストラリア・シドニー大学のAlice Fabbri氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2020年1月22日号に掲載された。患者会は、保健医療(消費者教育、医学研究助成、薬剤や治療法の承認および公的保障に関する決定への寄与)において重要な役割を担うが、製薬企業や医療機器製造企業を含む複数の財政支援源に依拠することが多い。利益相反および患者会の品位や独立性に関する潜在的な脅威があるため、企業と患者会の財政上の関係への関心が高まっているという。

思春期のB群髄膜炎菌ワクチン接種、予防効果は?/NEJM

 オーストラリアの思春期児(15~18歳)に対するB群髄膜炎菌ワクチン4CMenBの接種は、B群を含む病原性髄膜炎菌の保菌に対して、識別可能な効果はないことが示された。オーストラリア・アデレード大学のHelen S. Marshall氏らが、237校の学生、約3万5,000例を対象に行った無作為化試験で明らかにした。4CMenBは、侵襲性B群髄膜炎菌疾患を予防するとして承認された新規の組み換え型蛋白ベースのワクチンだが、伝播を予防する役割、さらには住民(集団)免疫効果があるのかについては明らかになっていなかった。NEJM誌2020年1月23日号掲載の報告。

小児双極性障害患者の不安症合併率~メタ解析

 不安症は、成人の双極性障害への合併や経過に対し影響を及ぼすことが知られている。しかし、小児の双極性障害における不安症の合併に関する研究は限られている。トルコ・コチ大学のHale Yapici Eser氏らは、小児双極性障害と不安症合併に関するメタ解析を実施した。Acta Psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2020年1月3日号の報告。

小児がんサバイバー、心臓放射線照射減少でCADリスク減/BMJ

 小児がんの成人サバイバーでは、心臓放射線照射への曝露の歴史的な減少により、冠動脈疾患のリスクの低減がもたらされたことが、米国・セントジュード小児研究病院のDaniel A. Mulrooney氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2020年1月15日号に掲載された。小児がんの成人サバイバーは過去の治療に関連した合併症を有し、心筋症、心臓不整脈、冠動脈や弁膜、心膜の疾患などの心血管疾患は、晩期の健康アウトカム負担の主要な寄与因子とされる。一方、心毒性を有する治療への曝露パターンは時代とともに変化しており、現在のがん治療プロトコールは治癒率の改善に重点を置きつつ、長期的な有害作用の最小化に注力しているという。

新型肺炎で緊張高まる中、感染症予防連携プロジェクトが始動

 東京オリンピック・パラリンピックを迎える年となる2020年1月、日本感染症学会・日本環境感染学会は感染症予防連携プロジェクト「FUSEGU(ふせぐ)2020」を発足、発表会を行った。年頭から中国での新型コロナウイルス感染がニュースとなり、図らずとも感染症への一般の関心が高まる中でのスタートとなった。  挨拶に立った日本感染症学会理事長の舘田 一博氏は、本プロジェクトの意義を「オリンピックイヤーを迎え、マスギャザリング(一定期間、限定された地域において同一目的で多人数が集まること)に向けた注意喚起が重要。既に各学会・団体がさまざまな取り組みをしているがそれを連携させ、産官学が協働して一般市民を巻き込んで情報提供をしていく必要がある」と述べた。