小児科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:68

小児アトピー性皮膚炎、精神障害との関連は?

 小児アトピー性皮膚炎(AD)と精神障害との関連について、デンマークで行われた大規模な調査結果が発表された。デンマーク・コペンハーゲン大学のI. Vittrup氏らによる検討で、病院でADと診断された児において、病院で精神障害を診断されるリスクは高くなかったが、治療リスクは高く、AD児における精神的問題は一過性で可逆的であり、軽度~中等度である可能性が示唆されたという。これまで、成人ADは不安症やうつ病との関連が示されているが、小児ADは注意欠陥多動性障害(ADHD)との関係が示唆されているものの、他の精神障害との関連性はほとんどわかっていなかった。British Journal of Dermatology誌オンライン版2021年1月16日号掲載の報告。

1型DM患者へのインスリンポンプ、従来型vs.次世代型/Lancet

 血糖管理がチャレンジングである1型糖尿病の青年および若年成人患者において、既存のMedtronic製のMiniMed 670Gハイブリッド型クローズドループ・システム(HCL)と比べて、その進化版である開発中のアドバンスハイブリッド型クローズドループ・システム(AHCL)は、低血糖症を増やすことなく高血糖症を抑制することが示された。米国・HealthPartners InstituteのRichard M. Bergenstal氏らが、4ヵ国7医療機関を通じて行った無作為化クロスオーバー試験「Fuzzy Logic Automated Insulin Regulation:FLAIR試験」の結果を発表した。著者は、「今回示されたAHCLの効果を確認するためにも、社会経済的要因で十分サービスを受けられない集団や、妊娠中および低血糖症に対する認識が低い患者における長期試験の実施が必要と思われる」と述べている。Lancet誌2021年1月16日号掲載の報告。

コロナ受け入れ病院の緊急支援金、申請は2月まで/日医

 日本医師会・松本 吉郎常任理事が、新型コロナ患者受け入れ病床のさらなる確保を目的とした緊急支援事業補助金について記者会見で解説した。なお、この補助金は昨年末に厚労省から通知が出され、1月7日に緊急事態宣言の発令を受け改正されたもの。この度、対象条件などを明確化したリーフレットが発行された。申請期限は2月28日まで。  補助金の対象医療機関は、病床が逼迫している都道府県において新型コロナ患者・疑い患者の受け入れ病床を割り当てられている医療機関とされ、12/25~2/28までの最大確保病床数に応じて補助額の上限が計算される(12/24以前から継続している確保病床も対象となる)。

日本人成人ADHD患者に対するグアンファシン徐放製剤の有効性と安全性

 塩野義製薬の納谷 憲幸氏らは、日本人成人の注意欠如多動症(ADHD)患者に対するグアンファシン徐放製剤(GXR)の有効性と安全性を評価した第III相二重盲検プラセボ対照ランダム化試験の事後分析を行い、ADHDサブタイプ(混合型、不注意優勢型)、年齢(31歳以上、30歳以下)、性別、体重別(50kg以上、50kg未満)のGXRの有効性および安全性について、検討を行った。Neuropsychopharmacology Reports誌オンライン版2020年12月10日号の報告。  有効性の主要エンドポイントは、成人用ADHD評価尺度ADHD-RS-IV with adult prompts日本語版合計スコアのベースラインから10週目までの変化とした。

母の子宮頸がん細胞が子に移行、国立がん研究センターが発表/NEJM

 国立がん研究センター中央病院の荒川 歩氏らは、小児の肺がん2例について、腫瘍組織と正常組織のペアサンプルを用いたルーチン次世代シークエンスで偶然にも、肺がん発症は子宮頸がんの母子移行が原因であることを特定したと発表した。移行したがん細胞の存在は同種の免疫応答によって示され、1例目(生後23ヵ月・男児)では病変の自然退縮が、2例目(6歳・男児)では腫瘍の成長速度が遅いことがみられたという。また、1例目は、免疫チェックポイント阻害薬ニボルマブを投与することで、残存するがん細胞の消失に結び付いたことも報告された。腫瘍組織と正常組織のペアサンプルを用いたルーチン次世代シークエンスは、わが国の進行がん患者を対象とした前向き遺伝子プロファイリング試験「TOP-GEAR」の一環として行われた解析で、114のがん関連遺伝子の変異を検出することを目的とする。1例目の患児に対するニボルマブ(3mg/kg体重を2週ごと)投与は、再発または難治固形がんを有する日本人患児を対象としたニボルマブの第I相試験で行われたものであった。症例の詳細は、NEJM誌2021年1月7日号で報告されている。

COVID-19の院内死亡率、10代はインフルの10倍にも

 インフルエンザとCOVID-19は、類似した感染様式を伴う呼吸器疾患である。そのため、インフルエンザの流行モデルは、COVID-19の流行モデルの検証にもなり得ると考えられる。ただし、両者を直接比較するデータはほとんどない。フランス・ディジョンのUniversity of Bourgogne-Franche-Comté(UBFC)のLionel Piroth氏ら研究グループが、国の行政データベース(PMSI)を用いて後ろ向きコホート研究を実施したところ、入院を要するCOVID-19患者と季節性インフルエンザの患者の症状にはかなりの差異があり、11〜17歳におけるCOVID-19の院内死亡率は、インフルエンザの10倍にも上ることが明らかになった。The Lancet Respiratory Medicine誌2020年12月17日付のオンライン版に掲載。

すでに一度補助を受けた医療機関も対象、国による追加支援策/日医

 第3次補正予算案が12月15日に閣議決定され、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえ、医療機関に対する更なる支援策が講じられている。この中には、第2次補正予算による補助を受けた医療機関が、改めて対象となる支援策も含まれる。12月23日の日本医師会定例記者会見において、松本 吉郎常任理事が支援策の全体像を整理し、有効活用を呼び掛けた。

COVID-19の希少疾病患者・家族への影響/特定非営利活動法人ASrid

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、不要不急の外出制限がされたことで、全国的に通常診療の診療控えがみられる事態となった。 こうした社会情勢下でCOVID-19は希少・難治性疾患を持つ患者、その家族にどのような影響を与えたか、希少・難治性疾患分野における全ステイクホルダーに向けたサービスの提供を目的に活動する特定非営利活動法人ASrid(アスリッド)は、全国の患者とその家族、患者団体向けに調査を行い、「COVID-19 が希少・難治性疾患の患者・家族および患者団体に与える影響に関する調査報告書(一次報告)」としてまとめ、結果を発表した(なお、分析は欠損値を除外して実施している)。

インフルエンザは1,000分の1、COVID-19余波でその他感染症が激減

 日本感染症学会と日本環境感染学会を中心に各医学会や企業・団体が連携し、感染症の予防に向けた啓発活動を行う共同プロジェクト「FUSEGU2020」は、2021年に開催が予定されるオリンピックを鑑み、注意すべき感染症と2020年の感染症流行の状況を解説するメディアセミナーを行った。  セミナーにおいて、防衛医科大学校内科学(感染症・呼吸器)教授の川名 明彦氏が「国際的マスギャザリングに向け、注意すべき感染症」と題した発表を行った。川名氏は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行を受け、その他の感染症の流行状況に大きな変化が生じている状況を紹介した。

「日本における希少疾患の課題」を刊行/武田薬品工業

 希少疾病の診療のポイントは、いかに迅速に確定診断し、専門の診療科で治療を開始するかにある。しかし、現在、希少疾病の確定診断では、正確な診断を得るのに長期間を要することが課題となっている。 たとえば、遺伝性血管性浮腫(HAE)の場合、確定診断までの平均期間がわが国では約13.8年であるのに対し、米国は約10年、欧州は約8.5年であり、日本は欧米に比べ長期間を要する状況である。  武田薬品工業株式会社は、こうした状況を鑑み、希少疾患の患者さんの課題を分析し、解決の糸口を考察した白書『日本における希少疾患の課題~希少疾患患者を支えるエコシステムの共創に向けて~』(以下、本書」)を刊行し、同社ホームページで公開した。