小児科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:81

新規抗インフルエンザ薬の位置付け

 インフルエンザの流行期に備え、塩野義製薬が「インフルエンザ治療の最前線」と題したメディアセミナーを都内にて開催した。本講演では、廣津 伸夫氏(廣津医院 院長)が、「抗インフルエンザウイルス薬『ゾフルーザ(一般名:バロキサビル)』の臨床経験を通じた知見」について語り、「従来の治療薬と同等の立場で選択されるべき治療薬だ」との見解を示した。  はじめに、最新のインフルエンザ治療に関する自身の研究成果が紹介された。本人・家族における過去のインフルエンザ感染既往は、ワクチン接種後の抗体価上昇に良好に影響し、ウイルスの残存時間を短縮するという。既存の抗インフルエンザウイルス薬であるノイラミニダーゼ(NA)阻害薬は、薬剤によってウイルスの残存時間への影響が異なり、ウイルス残存時間が短いNA阻害薬ほど、家族内感染率を下げたと報告された。

ピーナッツアレルギーに有効な新経口免疫療法薬/NEJM

 開発中のピーナッツ由来の生物学的経口免疫療法薬AR101は、高度ピーナッツアレルギーの小児・若年者において、プラセボと比較し試験終了時の食物負荷試験で用量制限を要する症状を伴わず高用量のピーナッツ蛋白の摂取が可能となり、ピーナッツ曝露中に発現する症状の重症度が低下することが認められた。米国・エモリー大学医学校のBrian P. Vickery氏らが、AR101の有効性と安全性を検証した第III相試験「Peanut Allergy Oral Immunotherapy Study of AR101 for Desensitization:PALISADE」の結果を報告した。ピーナッツアレルギーは、生命を脅かすこともある、予測不能なアレルギー反応のリスクがあるが、現状では承認された治療選択肢はない。NEJM誌2018年11月18日号掲載の報告。

ローランドてんかんに対するレベチラセタムと従来薬の有効性比較

 レべチラセタム(LEV)はカルバマゼピン(CBZ)やバルプロ酸ナトリウム(VPA)と比較して、良性ローランドてんかんにおけるローランド発射(RD)を抑制する効果が優れていることが、山梨大学の金村 英秋氏らの研究によって明らかになった。Seizure誌2018年11月号に掲載。  中心・側頭部に棘波をもつ良性ローランドてんかんは、小児の特発性部分てんかんの1つである。本研究では、小児における非定型進化を予防するためのLEVの有効性を、従来の抗てんかん薬(AED)と比較するために、小児の良性ローランドてんかんにおける発作間脳波(EEG)上のRDの低減における、従来薬であるCBZおよびVPAとLEVの有効性を比較した。

小児のアトピー性皮膚炎、慢性化の関連因子が判明

 小児のアトピー性皮膚炎(AD)の慢性化に関する因子はよくわかっていない。デンマーク・コペンハーゲン大学のSunna Thorsteinsdottir氏らは、ADに関与する既知の遺伝子変異、父親の喘息およびADの既往、社会的地位の高さ、診断時のHanifin & Rajka診断基準の基本項目と小項目、ならびに発症時の重症度が、13歳まで持続したADに関連していることを明らかにした。著者は、「これらの所見は、個々の患者で疾患の経過を評価するための臨床診療に適用可能である」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2018年11月14日号掲載の報告。

妊娠中の有害なライフイベントと5歳時のADHD症状との関連

 妊娠中の有害なライフイベントの経験は、子供のADHDと関連があるといわれているが、家族性交絡の影響はよくわかっていない。スウェーデン・カロリンスカ研究所のMina A. Rosenqvist氏らは、妊娠中の有害なライフイベントが、子供のADHD症状と関連しているかを明らかにするため、家族性の要因について検討を行った。Journal of Child Psychology and Psychiatry誌オンライン版2018年10月27日号の報告。

双極I型障害と双極II型障害の親と子の間の精神病理的相違に関する横断研究

 双極I型障害(BP-I)および双極II型障害(BP-II)を有する親と子の間の精神病理学的な相違について、韓国・順天郷大学校のHyeon-Ah Lee氏らが検討を行った。Psychiatry Investigation誌オンライン版2018年10月26日号の報告。  対象は、BP-IまたはBP-IIの親を有する6~17歳の子供201例。感情病および統合失調症の児童用面接基準(K-SADS)- Present and Lifetime Version韓国版を用いて対照児の評価を行った。Lifetime DSM-5診断、うつ病、小児期のトラウマを含めた精神病理学的および臨床的特徴について評価を行った。Lifetime DSM-5診断は、6~11歳の小学生と12~17歳の青年の間でも比較を行った。

「かぜには抗菌薬が効く」と認識する患者が約半数、どう対応すべきか

 一般市民対象の抗菌薬に関する意識調査の結果、約半数が「かぜやインフルエンザなどのウイルス性疾患に対して抗菌薬が効く」と誤った認識をしていることが明らかになった。 AMR臨床リファレンスセンターは10月30日、「抗菌薬意識調査2018」の結果を公表し、「薬剤耐性(AMR)対策の現状と取り組み 2018」と題したメディアセミナーを開催した。セミナーでは大曲 貴夫氏(国立国際医療研究センター病院 副院長/国際感染症センター長/AMR臨床リファレンスセンター長)、具 芳明氏(AMR臨床リファレンスセンター 情報‐教育支援室長)らが登壇し、意識調査結果や抗菌薬使用の現状などについて講演した。

父親が高齢、早産児や妊娠糖尿病が増大/BMJ

 父親が高齢であることにより、母親の妊娠糖尿病とともに、子供の早産、低出生時体重などが増加することが、米国・スタンフォード大学のYash S. Khandwala氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2018年10月31日号に掲載された。米国では、父親の平均年齢が過去40年間上昇してきた。高齢の母親においては、不妊、妊娠糖尿病、妊娠高血圧腎症、帝王切開による分娩に関して広範囲の調査が行われているが、出生時のアウトカムに及ぼす高齢の父親の影響はほとんど知られていないという。最近の研究では、高齢男性の精子におけるエピジェネティックな変化が、胎盤や胚の発育に悪影響を及ぼす可能性が示唆されている。

てんかんを正しく診断するために

 てんかんはあらゆる年代で100人に1人程度発症する身近な病気だ。ただし約7割は治療により発作なく日常生活が送れる。つまり、てんかんは決して珍しい病気でも、治療が難しい病気でもない。しかし、てんかん発作に対する誤ったイメージが要因で、適切に診断されないことは多い。適切な診断には、まずさまざまな発作があることを知り、てんかんに対する正しい知識を持つことが重要である。  今回、こうした見落としやすい発作の理解を促す目的で、「てんかんの正しい診断をサポートするために~知っておきたい、てんかん発作のいろいろ~」と題するセミナーが都内にて開かれ、さまざまなてんかん発作の特徴などが語られた(主催:大塚製薬株式会社、ユーシービージャパン株式会社)。

日本人小中学生のインターネット利用とうつ病や健康関連QOLとの関連

 病的なインターネット使用は、主に中学生を対象に研究されており、小学生を対象としたデータはほとんどない。弘前大学の高橋 芳雄氏らは、小中学生における、問題のあるインターネット使用状況(病的および不適切なインターネット使用を含む)とメンタルヘルスや健康関連QOLとの関連について調査を行った。Social Psychiatry and Psychiatric Epidemiology誌オンライン版2018年9月25日号の報告。