精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:142

抗CGRP抗体フレマネズマブ治療後の頭痛重症度と期間の変化

 フレマネズマブは、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を標的としたヒト化モノクローナル抗体であり、片頭痛回数の減少が期待できる薬剤である。デンマーク・コペンハーゲン大学のMessoud Ashina氏らは、慢性片頭痛(CM)または反復性片頭痛(EM)患者を対象に、抗CGRP抗体フレマネズマブ治療による頭痛発作の重症度と期間に対する影響を評価した。Headache誌2021年6月号の報告。  3つの12週間ランダム化二重盲検第III相試験(HALO CM、HALO EM、FOCUS)のデータを用いて、探索的事後分析を実施した。3つの試験いずれにおいても、CMまたはEM患者をフレマネズマブ3ヵ月に1回投与群(1ヵ月目:フレマネズマブ675mg、2ヵ月目:プラセボ、3ヵ月目:プラセボ)、フレマネズマブ月1回投与群(1ヵ月目[CM]:フレマネズマブ675mg、1ヵ月目[EM]:225mg、2ヵ月目以降:225mg)、プラセボ月1回投与群に1対1対1の割合で割り付けられた。中~重度の頭痛日数の割合、ピーク時の頭痛重症度、毎月の平均頭痛時間(任意の重症度および中等度以上の重症度)、1日当たりの平均頭痛時間(すべての重症度)について、ベースラインからの変化を評価した。

初発統合失調症に対する薬理学的治療アルゴリズム~日本臨床精神神経薬理学会

 初回エピソードの統合失調症に対する治療アルゴリズムは、十分ではない。さらに、すべてのアルゴリズムは、急性期治療の適応であって、維持療法には当てはまらない。慶應義塾大学の竹内 啓善氏らは、初回エピソード統合失調症のための急性期および維持期の治療アルゴリズムの作成を試みた。Human Psychopharmacology誌オンライン版2021年7月9日号の報告。  日本臨床精神神経薬理学会のアルゴリズム委員会は、初回エピソード統合失調症の急性期、興奮状態、維持期における薬理学的治療アルゴリズムを作成した。  主な結果は以下のとおり。

PTSDに対する心理療法のための治療同盟~メタ解析

 治療を成功させるために、治療同盟は有用な要素である。恐怖、不信、回避などの症状を有するPTSD患者では、治療同盟がとくに重要であるにもかかわらず、包括的なシステマティックレビューによる検討は、行われていなかった。英国・マンチェスター大学のRuth Howard氏らは、PTSD患者における治療同盟を予測できる可能性のある因子および治療同盟がアウトカムに及ぼす影響について調査を行った。Clinical Psychology & Psychotherapy誌オンライン版2021年7月8日号の報告。

双極性障害に対する認知行動療法の有効性~システマティックレビュー

 双極性障害は、慢性的な経過をたどり、死亡リスクに重大な影響を及ぼす精神疾患である。双極性障害の生涯有病率は、1~1.5%といわれており、躁症状とうつ症状またはその両方が認められる混合状態の再発エピソードを特徴としている。双極性障害の治療には、薬理学的および心理学的治療があり、認知行動療法(CBT)の有用性が示されているものの、現在のエビデンスでは十分な臨床情報が得られていない。ペルー・Hospital de Emergencias Villa El SalvadorのGlauco Valdivieso-Jimenez氏は、双極性障害に対するCBT単独療法または薬理学的治療の補助療法としてのCBT併用療法の有効性を判断するため、システマティックレビューを実施した。Revista Colombiana de Psiquiatria誌オンライン版2021年7月6日号の報告。

小児に対する向精神薬の使用とリスク

 メンタルヘルスの問題と関連する自殺企図は、成人および小児において増加している。メンタルヘルスに問題を抱える患者が増加しているため、成人だけでなく小児においても向精神薬の使用が増加している。しかし、小児に対する向精神薬の使用は、潜在的な有害リスクと関連している可能性がある。米国・Le Bonheur Children's HospitalのKiley Hunter氏らは、米国中毒管理センター協会(AAPCC)の国立中毒データシステム(NPDS)に報告されたデータを用いて、小児に対する向精神薬使用の傾向とアウトカムについて、調査を行った。Clinical Toxicology誌オンライン版2021年7月1日号の報告。

高用量オピオイドの長期投与、用量漸減のリスクは?/JAMA

 高用量オピオイドを長期にわたり安定的に処方されている患者において、用量漸減は、過剰摂取およびメンタルヘルス危機のリスク増加と有意に関連することが、米国・カリフォルニア大学のAlicia Agnoli氏らによる後ろ向き観察研究の結果、示された。オピオイド関連死亡率の増加や処方ガイドラインにより、慢性疼痛に対してオピオイドを長期間処方された患者における用量漸減が行われている。しかし、過剰摂取やメンタルヘルス危機など、用量漸減に伴うリスクに関する情報は限られていた。JAMA誌2021年8月3日号掲載の報告。

周産期うつ病に対する心理学的介入の有効性~メタ解析

 周産期うつ病は、心身に重大な影響を及ぼすメンタルヘルスの問題であり、非常にまん延している疾患である。周産期うつ病の治療において、効果的な心理学的介入に関するエビデンスは増加しているものの、これらの調査結果は、包括的に評価されていない。ポルトガル・コインブラ大学のMariana Branquinho氏らは、周産期うつ病に対する心理学的介入の有効性を評価するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Journal of Affective Disorders誌2021年8月1日号の報告。

薬物乱用頭痛を伴う難治性慢性片頭痛に対するエレヌマブ

 薬物乱用頭痛を伴う難治性慢性片頭痛に対するエレヌマブの有効性および安全性について、イタリア・ボローニャ大学のUmberto Pensato氏らは、検討を行った。Neurological Sciences誌オンライン版2021年7月5日号の報告。  薬物乱用頭痛を伴う難治性慢性片頭痛に対するエレヌマブの有効性および安全性を評価するため、実生活環境下におけるプロスペクティブ多施設共同試験を実施した。対象は、3クラス以上の薬理学的治療に加え、onabotulinumtoxinAによる治療が奏効しなかった慢性片頭痛患者。

統合失調症の認知機能障害とストレスや免疫系との関連~機械学習に基づく分析

 統合失調症の認知機能障害には、心理的ストレスと免疫系が関連しているといわれている。中国・電子科技大学のQi Zhang氏らは、機械学習アルゴリズムを用いて、慢性期統合失調症の認知機能障害とストレス免疫ネットワークパターンとの関連を調査した。Neuroscience Letters誌オンライン版2021年6月24日号の報告。  慢性期統合失調症患者37例および年齢、性別がマッチした健康対照者35例を対象に、認知機能障害とストレス免疫ネットワークパターンとの関連を明らかにするため、機械学習アルゴリズムを用いて分析を行った。統合失調症患者の心理的ストレスと免疫系に対する機能不全を反映する生化学的指標として、コルチゾール、腫瘍壊死因子(TNF)-α、インターロイキン(IL)-2、IL-6、IL-8を選択した。

うつ病に対する抗うつ薬の治療パターンとアウトカム

 米国において、うつ病は重大な問題となっている。うつ病に対するケアは、非常に多様であり、文書化された報告も限られている。米国・スタンフォード大学のMaurice M. Ohayon氏らは、米国の一般集団におけるうつ病の有病率と治療パターンについて調査するため、縦断的研究を実施した。CNS Spectrums誌2021年4月号の報告。  2002~15年の間に2回のWeb調査を実施した。1回目の調査(W1)は、米国8州の18歳以上の一般集団1万2,218人を対象に実施した。2回目の調査(W2)は、W1で3年後の再調査に同意した1万931人を対象に実施した。W1およびW2に回答した1万931人を分析対象とした。うつ病の診断は、DSM-V基準に従った。