精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:401

統合失調症の陰性症状有病率、脳波や睡眠状態が関連か

 統合失調症の研究では、臨床的な不均一性が混乱を招いていることを踏まえ、米国・ウェイン州立大学のNash N. Boutros氏らは、Deficit Syndrome(DS)を考慮した統合失調症の陰性症状集団の特定を試みた。統合失調症症候群に含まれる疾患として欠損型統合失調症(deficit schizophrenia)が提唱されており、欠損症候群診断基準(SDS;Scale for the Deficit Syndrome)の活用により持続的な陰性症状を特徴とするサブグループの特定が可能とされている。しかし長年にわたり、統合失調症の陰性症状集団の電気生理学的な相互作用を検討した研究は報告されているが、DSに焦点を当てた研究はごくわずかしかないのだという。Clinical Schizophrenia & Related Psychoses誌オンライン版2013年2月21日号の掲載報告。

摂食障害、成人期と思春期でセロトニン作動系の特徴が異なる!

 摂食障害の発症にセロトニン作動系が関与していることは、確立した知見である。ただし、これまでの血小板セロトニン・トランスポーターに関する研究で示されている結論は、平均年齢20歳以上の患者を対象とした検討結果に基づくものであった。スウェーデン・ウメオ大学のJeanette Sigurdh氏らは、思春期の摂食障害患者におけるセロトニン作動系の関わりについて検討した。その結果、成人患者で得られている知見とは異なり、思春期の患者では同年代の健常対照と比べ血小板セロトニン・トランスポーター密度が高く、5-HT2A受容体密度が低いことを報告した。International Journal of Neuroscience誌オンライン版2013年2月19日号の掲載報告。

日本人のうつ病予防に期待?葉酸の摂取量を増やすべき

 日本人労働者を対象とした研究の結果、抑うつ度は、教育レベルならびに収入と有意な関連があり、栄養面では葉酸摂取と有意な関連があることが明らかにされた。国立国際医療研究センターの宮木幸一氏らが、本邦初の研究報告として発表したもので、「葉酸の摂取増を図る運動が、メンタルヘルスに関する社会的格差の問題解消に結びつく可能性がある」と報告した。Nutrients誌2013年2月18日号の掲載報告。

てんかん患者、脳内ネットワークの一端が明らかに

 てんかん症状を呈する脳内ネットワークの特性の一端が明らかにされた。チェコ共和国・Central European Institute of TechnologyのIvan Rektor氏らが、てんかん患者と健常者の脳内を機能的MRIにて比較検証した結果で、てんかん患者では脳中央部にある被殻と表面部にある皮質との機能的結合(FC)が阻害されていることが明らかになったという。Rektor氏は「このことが大脳基底核(BG)機能の変質に反映している可能性がある」と示唆した。Brain Topography誌オンライン版2013年2月12日号の掲載報告。

結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の治療に新たな選択肢

 結節性硬化症は、遺伝子(TSC1、TSC2)の異常により、全身に良性の腫瘍が形成され、それに伴い、さまざまな症状が引き起こされる遺伝性の希少疾患である。胎児期から成人まで、年齢に応じて特徴的な腫瘍がさまざまな部位に発生するため、それぞれの腫瘍に対してすべて1つの科で診療することはできず、小児から成人に至る過程で発生する腎血管筋脂肪腫などを見逃す可能性がある。その現状と課題について、ノバルティス ファーマ メディアフォーラム(2013年2月26日開催)にて、大阪大学泌尿器科 教授 野々村 祝夫氏が講演した。その内容をレポートする。

SSRI+非定型抗精神病薬の併用、抗うつ作用増強の可能性が示唆

 非定型抗精神病薬をSSRIとともに用いることは、抗うつ作用を増強する適切な治療戦略であることを支持する知見が示された。フランス・パリ第11大学のG. Quesseveur氏らによる研究。セロトニン2A受容体(5-HT2AR)が選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRIs)の活性に及ぼす影響のメカニズムについて、遺伝子多型モデルマウスを用いて検討した結果、SSRIであるエスシタロプラムの抗うつ作用が、5-HT2AR阻害に伴うノルアドレナリン作動性神経の伝達促進を介して増強する可能性が示唆されたという。Experimental Brain Research誌オンライン版2013年2月15日号の掲載報告。

抗認知症薬4剤のメタ解析結果:AChE阻害薬は、重症認知症に対し有用か?

 これまで、幅広い重症度にわたるアルツハイマー病に対するアセチルコリンエステラーゼ阻害薬およびメマンチンの有効性が、数々の無作為化臨床試験により評価されてきた。しかし、従来の試験では、これらの薬剤は認知機能検査に基づく正確なカットオフ値(上限および下限)に基づいて、処方が行われていた。イタリア・Fondazioneサンタルチア IRCCSのSimona Gabriella Di Santo氏らは、メタ解析により、これら薬剤の有効性が、認知症の重症度に依存するかを明らかにしようと試みた。Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版2月14日号の掲載報告。

摂食てんかんが食事中に起こる種々のメカニズムが明らかに

 摂食てんかん(Eating Epilepsy)は、食事摂取によりてんかん発作が誘発される反射性てんかんの一つであるが、その病態はまだ十分に認識されていない。今回、この摂食てんかんについて、大半が最初の誘発刺激から長い期間を経て発症し、治療抵抗性の経過をたどるという特徴があることが、トルコ・イスタンブール大学のUlgen Kokes氏らにより明らかにされた。Clinical EEG and Neuroscience誌オンライン版2013年2月6日号の掲載報告。

統合失調症、双極性障害の急性期興奮状態に対する治療:アリピプラゾール筋注に関するコンセンサス・ステートメント(英国)

 統合失調症患者や双極性障害患者の急性期興奮状態に対する薬物治療では、急速な鎮静作用だけでなく、長期的な治療を見据えた薬剤選択が重要である。英国・Northcroft HospitalのDomingo Gonzalez氏らは、双極性躁病と統合失調症の興奮に対する急速鎮静法としてのアリピプラゾール筋注について、コンセンサス・ステートメントを発表した。Current Medical Research and Opinion誌2013年3月号(オンライン版2013年2月4日号)の掲載報告。