精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:404

双極性障害とADHDは密接に関連している

 双極性障害は合併症を有する割合が高いことが報告されている。なかでもADHDでみられる多弁、注意欠陥、多動性などの症状が、双極性障害の症状と高率にオーバーラップしていることから、双極性障害とADHDの関連に注目が集まっている。トルコ・チャナッカレ・オンセキズ・マルト大学のElif Karaahmet氏らは、双極性障害における注意欠陥・多動性障害(ADHD)の合併頻度、ならびにADHD合併の有無による双極性障害の臨床的特徴の相違について検討した。その結果、双極性障害患者の約23%にADHDの合併が認められたこと、ADHD合併例では双極性障害の発症年齢が低く、躁病エピソードの回数が多くみられたことを報告した。Comprehensive Psychiatry誌オンライン版2013年1月7日号の掲載報告。

難治性双極性障害患者への併用療法は?

 双極性障害に適応を有する薬剤はいくつか承認されているが、薬物治療に奏功しないケースも少なくない。A González Isasi氏らは、難治性双極性障害患者に対し、標準的薬物治療に心理教育や認知行動療法を併用することの有用性に関して、5年間の追跡調査を行い評価した。European psychiatry : the journal of the Association of European Psychiatrists誌オンライン版2012年12月28日号の報告。

アリピプラゾールの聴覚認知機能改善に対する影響は?

 これまでに、認知障害は統合失調症の中心的な症状とみなされ、認知機能は症状レベルよりも機能性アウトカムの、より良好な予測因子であることは明らかであった。また、聴覚に関する認知機能の早期異常には、ミスマッチ陰性電位(MMN)が関連することがわかっていた。中国・南京医科大学のZhenhe Zhou氏らは、これまで明らかになっていなかった統合失調症患者におけるMMNへのアリピプラゾールの効果について検討した。PLoS Oneオンライン版2013年1月号の掲載報告。

うつ病患者の食事療法、ポイントは「トリプトファン摂取」

 うつ病では悲哀感、希望喪失、易刺激性、身体機能障害などの特徴がみられ、数週間にわたり重症の症状を呈する。また、気分変調症は軽度の抑うつ気分が漫然と続いた状態である。うつ病の治療には、精神療法、薬物療法、光線療法などがあるが、これまでの臨床的および経験的エビデンスから、適切な食事が抑うつ症状を軽減しうることが示唆されている。オランダ領アンティル・Saint James School of MedicineのFaisal Shabbir氏らは、食事が抑うつに及ぼす影響について考察した。神経伝達物質であるセロトニンの低下はうつ病の一因であるが、セロトニンの前駆体であるトリプトファンを多く含む食事の摂取が抑うつ症状の軽減に有用であることを示唆した。Neurochemistry international誌オンライン版2013年1月7日号の報告。

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の有効性:FDAデータのメタ解析/BMJ

 非ベンゾジアゼピン系睡眠薬はプラセボと比較して、わずかではあるが有意に睡眠導入を改善することが、米国・コネティカット大学のTania B Huedo-Medina氏らが、米国医薬品局(FDA)集約の臨床データのメタ解析を行い報告した。改善は用量の増大につれ、またとくに若者、女性でみられ、薬剤の種類は問わなかった。一方で、効果サイズが小さく、またプラセボ効果が約半分に認められ、両者を合わせた臨床的効果は相当に大きかったものの、臨床的意義に疑念があったという。著者は、不眠症治療時にその点について注意する必要があると述べている。BMJ誌2013年1月5日号(オンライン版2012年12月17日号)掲載より。

高齢者介護ロボット、認知症対応でも効果を発揮できる?

 ニュージーランド・オークランド大学のHayley Robinson氏らは、新たに開発されている高齢者介護ロボット「Guide robot」について、すでに介護ロボットとして成功しているアザラシ型「パロ」との比較で、認知症高齢者および介護スタッフへの適合性について調査した。その結果、認知症高齢者介護ロボットはシンプルかつ刺激的で楽しさをもたらしてくれるものでなければならないなど、改善のための示唆が得られたことを報告した。また本検討では、「パロ」の改善すべき点も明らかになったという。Journal of American Medical Directors Association誌2013年1月14日号の掲載報告。

統合失調症の重症度・社会性の低下は、海馬体積の減少と関連

 統合失調症において海馬体積の減少は高い頻度で報告されているが、疾患への影響(とくに臨床面、心理社会面にどれほど影響するのか)については依然として十分に明らかとなっていなかった。イタリア・ウーディネ大学のP. Brambilla氏らは、統合失調症患者における症状重症度と社会性の低下は、海馬体積の減少と関連している可能性があることを、三次元マッピング研究の結果より、報告した。British Journal of Psychiatry誌2013年1月号の掲載報告。

妊娠中のSSRI服用と死産、新生児・0歳時死亡には有意な関連みられず/JAMA

 妊娠中の選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)服用と死産および新生児死亡、0歳児死亡リスクについて、有意な関連は見いだせなかったことが、スウェーデン・カロリンスカ研究所のOlof Stephansson氏らによる全北欧住民ベースのコホート研究の解析の結果、報告された。妊婦の精神疾患は有害な妊娠転帰と関連しており、一方で妊娠中のSSRI服用は、新生児の先天異常や離脱症候群、遷延性肺高血圧症などと関連していることが知られている。しかし、これまで母体の精神疾患と死産や乳児死亡のリスクとの関連については明らかではなかった。JAMA誌2013年1月2日号掲載より。