精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:403

抗精神病薬や気分安定薬を服薬中の女性、妊娠・出産のリスクはどの程度?

 女性に対する抗精神病薬や気分安定薬の処方は、妊娠や出産へのリスクを十分に考慮する必要がある。イタリア・ヴェローナ大学のC. Barbui氏らは、抗精神病薬服薬中の妊娠可能年齢女性における、妊娠転帰に関するデータをまとめ、発表した。Epidemiology and psychiatric sciences誌オンライン版2013年2月1日号の報告。

双極性障害、再入院を減らすには専門外来での治療が必要

 デンマーク・コペンハーゲン大学病院のLars Vedel Kessing氏らは、双極性障害のため精神病院に入院し、退院した患者の予後について、退院後に気分障害クリニック専門外来での治療を受けた場合と地域病院で標準治療を受けた場合を比較検討した。その結果、気分障害クリニック専門外来での治療は精神病院への再入院を減らし、治療満足度も高いことを報告した。British Journal of Psychiatry誌オンライン版2013年1月24日号の掲載報告。

どのタイミングで使用するのが効果的?統合失調症患者への持効性注射剤投与

 統合失調症患者に対し、長時間作用型リスペリドンのような薬学的介入は、とくに直近に診断を受けた患者において意義があることが明らかにされた。ベルギー・Cliniques Universitaires St LucのVincent Dubois氏らが、2つの観察試験(e-STAR、TIMORES)データの解析を行い報告した。Early Intervention in Psychiatry誌オンライン版2013年1月24日号の掲載報告。

認知症に対する非定型抗精神病薬処方、そのリスクは?

 認知症治療において、興奮症状などを抑制する目的で抗精神病薬が用いられることは少なくない。今後、認知症の増加に伴い、使用頻度がますます増加すると予想されることから、日本老年精神医学会では、認知症に対する抗精神病薬の使用状況について実態調査を行い、死亡率との関係を調べる計画である。このたび、カナダ・Women's College HospitalのPaula A. Rochon氏らは住民ベースの後ろ向きコホート研究から、認知症における非定型抗精神病薬投与と重大なイベント発症との関係を調査した。

抗精神病薬多剤併用による代謝関連への影響は?

 統合失調症患者の治療において、2剤以上の抗精神病薬を併用することは少なくない。しかし、多剤併用による治療は単剤治療と比較し、副作用発現率の上昇などデメリットも大きい。このデメリットには、耐糖能異常やインスリン抵抗性などの薬剤性代謝関連の副作用も多く含まれるが、その生理メカニズムは十分に解明されていない。Heidi N. Boyda氏らは、抗精神病薬の多剤併用と代謝関連副作用との関係を検討するにあたり、動物実験での結果が実臨床に結び付くかを検証した。Experimental and clinical psychopharmacology誌オンライン版2013年1月28日号の報告。

妊娠可能年齢のてんかん女性にはレベチラセタム単独療法がより安全?

 アイルランド・Royal Victoria HospitalのEllen Mawhinney氏らが、被験者670例を対象とした調査研究を行い、妊娠中のレベチラセタム単独療法は、重大先天奇形(MCM)に対するリスクは低いことを報告した。先行研究でも低リスクが示されていたが、小規模試験での報告であった。Neurology誌2013年1月22日号(オンライン版2013年1月9日号)の掲載報告。

SMSを活用した教育介入で、てんかん患者の健康関連QOLが改善

 てんかん患者における健康関連QOL(HRQoL)の改善は、さまざまな治療プログラムおよび行動介入において着目すべき課題となっている。マレーシア・Sultan Zainal Abidin大学のPei Lin Lua氏らは、SMS(Short Message Service)を活用した教育プログラムのてんかん患者のHRQoLに及ぼす影響の検討、ならびに良好なHRQoLの予測因子を明らかにすることを試みた。Quality of Life Research誌オンライン版2013年1月18日号の掲載報告。

パニック障害 + 境界性パーソナリティ障害、自殺への影響は?

 これまでの研究で、境界性パーソナリティ障害、パニック発作、パニック障害といった個々の疾患と自殺企図との関係は明らかにされている。しかし、併発した際の自殺企図との関係はよくわかっていない。カナダ・マニトバ大学のDanielle L. Turnbull氏らはこれらの疾患の併存による影響を検討した。The Journal of nervous and mental disease誌2013年2月号の報告。

ドネペジル+メマンチン、アルツハイマー病への効果はどの程度?

 アルツハイマー病(AD)において、メマンチンとコリンエステラーゼ阻害薬との併用はどの程度のベネフィットが期待できるのか。米国・マサチューセッツ総合病院のAlireza Atri 氏らは、AD患者におけるドネペジルとメマンチンの併用療法の有効性と安全性について検討を行った。その結果、両薬剤の併用は統計学的有意かつ臨床的に意義のある効果をもたらし、忍容性も良好であることを報告した。Alzheimer's Research & Therapy誌オンライン版2013年1月21日号の掲載報告。

抗うつ薬を使いこなす! 種類、性、年齢を考慮

 抗うつ薬の血中濃度は種類ごとに、性および年齢の影響を有意に受けている。このことが、ドイツ・ヴュルツブルク大学病院のS. Unterecker氏らによる自然条件下にて評価した治療薬物モニタリング(TDM)の結果、明らかにされた。抗うつ薬のTDMデータの評価は多くの場合、精神疾患の既往や身体的合併症のない均一サンプルを選択して行われており、日常診療では限界を有する可能性があることから、研究グループは自然条件下にての評価を行った。Journal of Neural Transmission誌オンライン版2012年12月20日号の掲載報告。