精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:413

結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の治療に新たな選択肢

 結節性硬化症は、遺伝子(TSC1、TSC2)の異常により、全身に良性の腫瘍が形成され、それに伴い、さまざまな症状が引き起こされる遺伝性の希少疾患である。胎児期から成人まで、年齢に応じて特徴的な腫瘍がさまざまな部位に発生するため、それぞれの腫瘍に対してすべて1つの科で診療することはできず、小児から成人に至る過程で発生する腎血管筋脂肪腫などを見逃す可能性がある。その現状と課題について、ノバルティス ファーマ メディアフォーラム(2013年2月26日開催)にて、大阪大学泌尿器科 教授 野々村 祝夫氏が講演した。その内容をレポートする。

SSRI+非定型抗精神病薬の併用、抗うつ作用増強の可能性が示唆

 非定型抗精神病薬をSSRIとともに用いることは、抗うつ作用を増強する適切な治療戦略であることを支持する知見が示された。フランス・パリ第11大学のG. Quesseveur氏らによる研究。セロトニン2A受容体(5-HT2AR)が選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRIs)の活性に及ぼす影響のメカニズムについて、遺伝子多型モデルマウスを用いて検討した結果、SSRIであるエスシタロプラムの抗うつ作用が、5-HT2AR阻害に伴うノルアドレナリン作動性神経の伝達促進を介して増強する可能性が示唆されたという。Experimental Brain Research誌オンライン版2013年2月15日号の掲載報告。

抗認知症薬4剤のメタ解析結果:AChE阻害薬は、重症認知症に対し有用か?

 これまで、幅広い重症度にわたるアルツハイマー病に対するアセチルコリンエステラーゼ阻害薬およびメマンチンの有効性が、数々の無作為化臨床試験により評価されてきた。しかし、従来の試験では、これらの薬剤は認知機能検査に基づく正確なカットオフ値(上限および下限)に基づいて、処方が行われていた。イタリア・Fondazioneサンタルチア IRCCSのSimona Gabriella Di Santo氏らは、メタ解析により、これら薬剤の有効性が、認知症の重症度に依存するかを明らかにしようと試みた。Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版2月14日号の掲載報告。

摂食てんかんが食事中に起こる種々のメカニズムが明らかに

 摂食てんかん(Eating Epilepsy)は、食事摂取によりてんかん発作が誘発される反射性てんかんの一つであるが、その病態はまだ十分に認識されていない。今回、この摂食てんかんについて、大半が最初の誘発刺激から長い期間を経て発症し、治療抵抗性の経過をたどるという特徴があることが、トルコ・イスタンブール大学のUlgen Kokes氏らにより明らかにされた。Clinical EEG and Neuroscience誌オンライン版2013年2月6日号の掲載報告。

統合失調症、双極性障害の急性期興奮状態に対する治療:アリピプラゾール筋注に関するコンセンサス・ステートメント(英国)

 統合失調症患者や双極性障害患者の急性期興奮状態に対する薬物治療では、急速な鎮静作用だけでなく、長期的な治療を見据えた薬剤選択が重要である。英国・Northcroft HospitalのDomingo Gonzalez氏らは、双極性躁病と統合失調症の興奮に対する急速鎮静法としてのアリピプラゾール筋注について、コンセンサス・ステートメントを発表した。Current Medical Research and Opinion誌2013年3月号(オンライン版2013年2月4日号)の掲載報告。

アセチルコリンエステラーゼ阻害薬の長期曝露、ミツバチの生態行動に影響

 過去20年間に多くの国でミツバチやその他の受粉行動をする昆虫が急激に減少した。背景には、寄生ダニ駆除を目的とした、コリン作動性シグナル伝達に作用する有機リン酸系の農薬(殺虫剤)の影響が言われている。英国・ニューキャッスル大学のSally M. Williamson氏らは、それら殺虫剤の長期曝露がミツバチの行動にどのような影響を及ぼすのか、アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害薬を用いた検証試験を行った。その結果、AChE阻害薬の長期曝露により毛づくろい行動(働かなくなる)や排便回数が増えるなど、ミツバチの生理機能や行動に変化がもたらされたことが確認されたという。Frontiers in Physiology誌オンライン版2013年2月5日号の掲載報告。

認知症患者の興奮症状に対し、抗精神病薬をどう使う?

 アルツハイマー病(AD)は精神症状の発現頻度が高く、治療にも難渋する。そのため、QOL低下や介護者ストレスなどの問題を引き起こす。このような認知症関連精神疾患の治療に抗精神病薬が用いられる頻度は高いが、死亡リスクの上昇が懸念されるため、FDAが警告を発している。オランダ・フローニンゲン大学のPeter Paul De Deyn氏らは、AD患者に対する非定型抗精神病薬アリピプラゾール投与に関するレビューと評価・考察を行った。Expert Opinion on Pharmacotherapy誌オンライン版2013年1月28日号の報告。

むずむず脚症候群と統合失調症、遺伝子の関連が示唆

 脚がむずむずして眠れない、といった症状を呈するむずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群:RLS)。その原因は明らかになってはいないが、脳内のドパミン調節機能障害や鉄分の不足が大きく影響していると言われている。また、ゲノムワイド関連解析やいくつかのレプリケーション研究により、RLSとBTBD9遺伝子の一塩基多型との関連も示されている。韓国のSeung-Gul Kang氏らは抗精神病薬誘発性のRLSと統合失調症患者のBTBD9遺伝子多型との関連を調査した。Human psychopharmacology誌オンライン版2013年1月30日号の報告。

統合失調症の診断・治療に期待!新たなバイオマーカー

 統合失調症リスク遺伝子と関わりを持っていることなどが知られている「NDEL1」。統合失調症の臨床診断および薬物治療のバイオマーカーとして、血中NDEL1酵素活性が期待できることが示された。ブラジル・サンパウロ連邦大学のAry Gadelha氏らが、統合失調症患者と健常対照者の血中NDEL1酵素活性レベルを比較し、臨床プロファイルや治療反応との関連を調べた結果、統合失調症患者では同値が有意に低いことなどが示されたという。Journal of Psychiatric Research誌オンライン版2013年2月3日号の掲載報告。