呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:144

軽度~中等度コロナ治療薬「ロナプリーブ」を特例承認/厚労省

 厚生労働省は7月19日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬として、「ロナプリーブ点滴静注セット300」「同1332」(一般名:カシリビマブ[遺伝子組換え]/イムデビマブ[遺伝子組換え])の国内における製造販売を承認した。COVID-19患者を対象とした海外臨床第III相試験(REGN-COV 2067)の成績と、日本人における安全性・忍容性、薬物動態の評価を目的とした国内第I相臨床試験の成績に基づき、国内開発権および独占的販売権を取得した中外製薬が特例承認の適用を求め、申請していた。国内における新型コロナ治療薬としては、レムデシビル、デキサメタゾン、バリシチニブに続き、4例目となり、軽度~中等度のCOVID-19治療薬では初となる。

NSCLCの4種のドライバー変異を判定するリアルタイムPCRが国内承認/理研ジェネシス

 理研ジェネシスは、2021年6月25日、複数の抗悪性腫瘍薬のコンパニオン診断薬として「AmoyDx 肺癌マルチ遺伝子 PCR パネル」の国内製造販売承認を取得したと発表。  同製品は、非小細胞肺がんの4種のドライバー遺伝子(EGFR、ALK、ROS1、BRAF)を網羅するリアルタイムPCR法を原理としたコンパニオン診断薬である。  EGFR遺伝子変異、ALK融合遺伝子、ROS1融合遺伝子、BRAF V600E変異を1回の測定で同時に検出し、9種の抗悪性腫瘍薬の適応判定の補助が可能。  リアルタイムPCR法を用いた複数遺伝子を網羅するコンパニオン診断薬が承認されたのは本邦初であり、その感度の高さや短いターンアラウンドタイム(TAT)、手軽さなどにより、早期治療戦略の立案やNSCLC患者への治療機会拡大に貢献することが期待されている。

コロナ感染者の脈拍をウェアラブルデバイスで追跡、その結果は?

 新型コロナに感染すると、その後も自律神経の機能障害から心筋損傷までさまざまな後遺症に悩まされる。長期にわたる新型コロナ症状は発症後最大6ヵ月間認められるとも言われるが、これまでのところ定量化はされていない。  今回、米国・Scripps Research Translational InstituteのJennifer M Radin氏らはこの問題解決のために、ウェアラブルデバイスのデータを利用し感染後の症状回復に関する調査を実施した。近年では日頃からスマートウォッチなどのウェアラブルデバイスを使い、心拍数などのデータ測定を行う人が増えているため、(感染前の)健康な状態から感染の過程、ベースラインに戻るまでの個人の生理学的および行動的指標を継続的に追跡することができる。この調査の結果、一過性の徐脈は、症状の発症から約9〜15日後に認められ、新型コロナ感染による初期症状と初期の安静時心拍数(RHR)の変化が、このウイルスからの回復時間に関連している可能性があることを示唆した。JAMA Network Open誌2021年7月7日号リサーチレターでの報告。

禁煙治療、cytisineはバレニクリンに対して非劣性示せず/JAMA

 禁煙を希望する毎日喫煙者の禁煙治療において、cytisineの25日間投与のバレニクリン84日間投与に対する非劣性は示されなかったとの試験結果が、オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のRyan J. Courtney氏らによって報告された。cytisineは、プラセボやニコチン代替療法よりも有効であることが示されているが、これまで禁煙治療で最も有効とされるバレニクリンとの比較検討は行われていなかった。JAMA誌2021年7月6日号掲載の報告。

COVID-19入院患者へのIL-6受容体拮抗薬、メタ解析で全死亡抑制/JAMA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)入院患者を対象とした臨床試験の前向きメタ解析の結果、IL-6受容体拮抗薬は通常の治療やプラセボと比較し、28日全死因死亡率の低下と関連していることが認められた。WHO Rapid Evidence Appraisal for COVID-19 Therapies(REACT)Working Groupメンバーで、英国・St Thomas' HospitalのManu Shankar-Hari氏らが報告した。COVID-19入院患者へのIL-6受容体拮抗薬の有効性を評価した臨床試験では、有益、有効性なし、有害とさまざまな報告がされていた。JAMA誌オンライン版2021年7月6日号掲載の報告。

中国製コロナワクチン、入院を87.5%抑制/NEJM

 チリの公的国民医療保険加入者を対象に行ったコホート試験で、不活性化コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン「CoronaVac」について、COVID-19への予防効果(重症化および死亡)が明らかにされた。チリ・保健省のAlejandro Jara氏らが、2021年2月から実施している同ワクチンの全国接種キャンペーンの効果について、コホート試験を行ったもので、「結果はワクチン第II相試験の結果と一致するものであった」と述べている。NEJM誌オンライン版2021年7月7日号掲載の報告。  研究グループは、公的国民医療保険に加入する16歳以上を対象に前向きコホート試験を行い、COVID-19感染と関連する入院、ICU入室、死亡を調べ、不活性化SARS-CoV-2ワクチンの予防効果を検証した。  時間とともに変化するワクチン接種状況を考慮に入れ、拡張Cox比例ハザードモデルを用いてハザード比を算出。部分免疫(1回目接種後の14日以降で2回目接種前)、完全免疫(2回目接種後14日以降)のハザード比の変化を推算した。  ワクチンの有効性は、被験者個々の人口統計学的特徴や臨床的特徴で補正し算出した。

日本での既感染者は現在何%?コロナの“今”11知識/厚労省

 9日、厚労省は「新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する11の知識(2021年7月版)」を公表した。これは、COVID-19に関する現在の状況とこれまでに得られた科学的知見について、新たに11の知識としてQ&A形式でとりまとめたもの。主に、感染者数・病原性、感染性、検査・治療、変異株について示されている。以下に一部を抜粋して紹介する。 Q1.わが国では、どれくらいの人が新型コロナウイルス感染症と診断されていますか。 A.これまでに79万6,835人が新型コロナウイルス感染症と診断されており、これは全人口の約0.6%に相当します。※感染していても症状が現れず医療機関を受診しない人などがいるため、必ずしも感染した人すべてを表す人数ではありません。 ・Q2.新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、重症化する人や死亡する人はどれくらいですか。  A.重症化する割合や死亡する割合は以前と比べて低下しており、2020年6月以降に診断された人の中では、重症化する人の割合は約1.6%(50代以下で0.3%、60代以上で8.5%)、死亡する人の割合は約1.0%(50代以下で0.06%、60代以上で5.7%)となっています。

1回目AZ、2回目Pfizerワクチン接種で十分な免疫応答/Lancet

 初回にChAdOx1-S(AstraZeneca製)ワクチンを接種した人に、2回目はBNT162b2(Pfizer/BioNTech製)ワクチンを接種した結果、強固な免疫反応が誘導されたことが確認され、忍容性も良好であった。スペイン・マドリード自治大学のAlberto M. Borobia氏らが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の2種類の異なるワクチンを接種した場合の免疫原性および反応原性を評価した第II相多施設共同無作為化非盲検比較試験「CombiVacS試験」の結果を報告した。これまで、ヒトにおける種類の異なるCOVID-19ワクチンを組み合わせた接種スケジュールに関する免疫学的データは報告されていなかった。Lancet誌オンライン版2021年6月25日号掲載の報告。

アテゾリズマブのNSCLCアジュバント、適応申請へ/中外

 中外製薬は、2021年7月6日、抗PD-L1抗体アテゾリズマブ(製品名:テセントリク)の非小細胞肺がん(NSCLC)術後補助療法に対する製造販売承認申請を厚生労働省に行った。  今回の承認申請は、NSCLCの術後補助療法に対する第III相臨床試験IMpower010の成績に基づいている。同試験では、PD-L1発現(TPS)1%以上のII期~IIIA期の手術および化学療法後のNSCLCにおいて、best supportive careと比較して、テセントリク治療が無病生存期間を34%低下させた(ハザード比:0.66、95%信頼区間:0.50~0.88)。テセントリクの安全性は、これまでに認められている安全性プロファイルと同様であり、新たな安全性上の懸念は示されなかった。