呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:239

東京都でインフルエンザ流行開始、昨年比で3ヵ月早く

 東京都が9月26日付でまとめた、都内のインフルエンザ定点医療機関からの第38週(9月16~22日)の患者報告数が、流行開始の目安となる定点当たり報告数1.0を超えた。インフルエンザは、例年12月から3月にかけて流行しているが、昨年と比べても11週早い。今シーズンの異例ともいえる速さでの流行開始に、都は早めの注意と対策を呼び掛けている。  都内419ヵ所のインフルエンザ定点医療機関から報告された第38週の患者報告数は、定点当たり1.06人。今シーズン(9月2日以降)において、都内の学校や社会福祉施設等で発生したインフルエンザと思われる集団感染事例は、22日までに55件報告されている。

CDK4/6阻害薬trilaciclibの小細胞肺がん化学療法における骨髄保護作用/Ann Oncol

 小細胞肺がんの治療においても、化学療法の骨髄毒性は大きな問題である。trilaciclibは、化学療法中の造血幹細胞・前駆細胞(HSPC)および免疫系機能保護を目的に開発中のCDK4/6阻害薬であり、前臨床において、HSPCのG1期からの移行を一時的に制御し、化学療法のダメージから保護することで、骨髄毒性からの回復を早め抗腫瘍免疫を強化するとされる。  未治療の進展型小細胞肺がんにおける、trilaciclibの有効性、安全性および薬物動態を検証した第I/II相試験の結果が発表された。Annals of Oncology誌2019年8月27日号掲載の報告。

高まる腫瘍循環器学への注目/日本腫瘍循環器学会

 がん治療において心血管系の合併症を避けることは容易ではない。ほとんどのがんの予後が改善される中、この合併症への対策はさらに重要になっている。2019年9月21日から第2回日本腫瘍循環器学会学術集会が開催された。東京大学の小室 一成氏は、理事長講演のなかで以下のように述べた。  腫瘍循環器学は世界的に注目が高まっている。その傾向はわが国でも同様で、多くのがん関連学会、循環器関連学会で腫瘍循環器学が取り上げられている。

ワクチンガイドラインが9年ぶりに改訂

 格安航空会社(LCC)の乗り入れによる海外旅行や海外商圏の広がりによる出張などで渡航する日本人の数は減少することがない。その一方で、海外に渡航し、現地で感染症に罹患するケースも後を絶たない。現地で病に臥せったり、国内には存在しない、または、まれな感染症を国内に持ち込んだりというケースもある。  こうした感染症の予防には、渡航前にワクチンを接種することが重要だが、具体的にどのようなワクチンを、いつ、どこで、誰に、どのようなスケジュールで接種するかは一部の専門医療者しか理解していないのが現状である。

キノロン系薬に末梢神経障害などの使用上の注意改訂指示

 フルオロキノロン系およびキノロン系抗菌薬の添付文書について、2019年9月24日、厚生労働省より使用上の注意の改訂指示が発出された。今回の改訂は、フルオロキノロン系およびキノロン系抗菌薬のアキレス腱や精神、末梢神経障害に関連した副作用に関するもので、米国や欧州の添付文書が改訂されたことを受け、日本国内症例、公表論文等の情報に基づき添付文書改訂の必要性が検討されたことによるもの。フルオロキノロン系およびキノロン系抗菌薬の添付文書について、

エヌトレクチニブ発売、脳転移へのベネフィットに注目

 臓器横断的ながん治療薬として本邦で2剤目となる低分子チロシンキナーゼ阻害薬エヌトレクチニブが販売開始したことを受け、9月5日、都内でメディアセミナー(主催:中外製薬)が開催された。吉野 孝之氏(国立がん研究センター東病院 消化管内科長)が登壇し、同剤の臨床試験結果からみえてきた特徴と、遺伝子別がん治療の今後の見通しについて講演した。  エヌトレクチニブは、2018年3月に先駆け審査指定を受け、2019年6月に「NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形がん」を適応症とした承認を世界で初めて取得した。

わが国の進行固形がん患者におけるVTE発生頻度~多施設共同前向き観察研究/日本がんサポーティブケア学会

 がんは静脈血栓塞栓症(VTE)のリスク因子であるといわれている。しかし、日本においては固形がん患者を対象に積極的なスクリーニングを用いてVTEの評価をする大規模な研究は報告されていない。そこで、日本人の進行固形がん患者におけるVTEの発生割合を、造影CT、下肢静脈エコー、D-ダイマーを用いたスクリーニングにより前向きに評価する多施設共同観察研究VISUAL Studyが行われた。その結果を第4回日本がんサポーティブケア学会学術集会にて静岡市立静岡病院の佐竹 康臣氏が発表した。

メトホルミンとEGFR-TKIの併用、肺腺がんのPFSを有意に延長/JAMA Oncol

 糖尿病治療薬メトホルミンの抗がん剤としての研究は世界的潮流となっているようだ。メキシコ・Instituto Nacional de CancerologiaのOscar Arrieta氏らは非盲検無作為化第II相臨床試験を行い、EGFR-TKI標準治療へのメトホルミン併用投与が、進行肺腺がん患者の無増悪生存期間(PFS)を有意に改善することを示した。これまで前臨床および後ろ向き研究で、メトホルミンが肺がんを含むさまざまな腫瘍の予後を改善することが示され、とくにEGFR-TKIとの相乗作用に関するエビデンスが蓄積されていた。JAMA Oncology誌オンライン版2019年9月5日号掲載の報告。

非小細胞肺がんにおける抗HER3抗体複合体U3-1402の成績/WCLC2019

 非小細胞肺がん(NSCLC)のEGFR-TKI耐性の治療選択肢は限られている。全体として、多くのNSCLCがHER3を発現している。 HER3を介したシグナル伝達はEGFR-TKI耐性のメカニズムしては確立されていないが、抗HER3抗体薬物複合体(ADC)による治療はEGFR変異NSCLCの多様な耐性メカニズムを標的とするアプローチとして提示されている。 U3-1402は、新規のペプチドベースのリンカーを介して新規のトポイソメラーゼI阻害薬を結HER3を標的とする抗体に結合させたADC。WCLC2019では、進行中の第I相試の用量漸増相から安全性/忍容性および抗腫瘍活性データが第20回世界肺癌会議(WCLC2019)で示された。