呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:29

日本の新型コロナワクチン接種意向、アジア5地域で最低/モデルナ

 モデルナ・ジャパンは11月13日付のプレスリリースで、同社が日本およびアジア太平洋地域のシンガポール、台湾、香港、韓国(アジア5市場)において実施した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と新型コロナワクチンに対する意識調査の結果を発表した。その結果、日本は、新型コロナワクチンの接種意向、新型コロナとインフルエンザのワクチンの同時接種意向共に、アジア5地域で最低となった。

乳がんと肺がんの関連~双方向のメンデルランダム化解析

 乳がんサバイバーの生存期間の延長に伴い、2次がん発症リスクが上昇している。2次がんの部位は、米国・Surveillance, Epidemiology, and End Results(SEER)データベース(2010~15年)によると、乳房(30.0%)に次いで肺・気管支(13.4%)が多かった。今回、乳がんと肺がんの双方向の因果関係について、中国・The First Affiliated Hospital of Xi'an Jiaotong UniversityのXiaoqian Li氏らがメンデルランダム化(MR)解析で調査したところ、乳がんサバイバーにおいて2次肺腺がんリスクが上昇することが示唆された。Scientific Reports誌2024年11月6日号に掲載。

改訂GLに追加のNSCLCへのニボルマブ+化学療法+ベバシズマブ、OS・PFS最終解析結果(TASUKI-52)/日本肺癌学会

 非扁平上皮非小細胞肺がん(Non-Sq NSCLC)の1次治療における、プラチナ製剤を含む化学療法+ベバシズマブへのニボルマブ上乗せの有用性を評価した国際共同第III相試験「TASUKI-52試験」の最終解析の結果が、第65回日本肺癌学会学術集会で中川 和彦氏(近畿大学病院 がんセンター長)により報告された。すでにニボルマブ上乗せにより無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)が改善することが報告されており、この結果を基に『肺癌診療ガイドライン2024年版』のCQ64~66に本試験のレジメンが追加されていた。

肺がんにおける悪液質の介入は確定診断前から?/日本肺癌学会

 がん悪液質は進行がん患者の30〜80%に発現するとされる。また、がん治療の効果を下げ、毒性を上げ、結果として、がん死亡の30%を占める予後不良因子となる。そのため、がん悪液質には、より早期の段階からの介入が重要とされている。  肺がんはがん悪液質の合併が多い。そして、ドライバー遺伝子変異やPD-L1発現などの検査が必要となるなど、現在の肺がん治療は初診から治療開始までに時間を要する。そのため、悪液質の進行や新規発現による治療成績の悪化が懸念される。

市中肺炎の入院患者、経口抗菌薬単独での有効性

 市中肺炎の入院患者のほとんどで、静注抗菌薬から経口抗菌薬への早期切り替えが安全であることが無作為化比較試験で示されているが、最初から経口抗菌薬のみ投与した場合のデータは限られている。今回、入院中の市中肺炎患者を対象にβラクタム系薬の投与期間を検討したPneumonia Short Treatment(PST)試験の事後解析として、投与開始後3日間の抗菌薬投与経路を静脈内投与と経口投与に分けて有効性を比較したところ、有意差が認められなかったことをPST研究グループのAurelien Dinh氏らが報告した。Clinical Microbiology and Infection誌2024年8月号に掲載。

本邦初、がん患者の「気持ちのつらさ」のガイドライン/日本肺癌学会

 2024年10月、日本がんサポーティブケア学会と日本サイコオンコロジー学会は『がん患者における気持ちのつらさガイドライン』(金原出版)を発刊した。本ガイドラインは、がん医療におけるこころのケアガイドラインシリーズの第4弾となる。第65回日本肺癌学会学術集会において、本ガイドラインの作成委員長の藤澤 大介氏(慶應義塾大学医学部)が本ガイドライン作成の背景、本ガイドラインで設定された重要臨床課題と臨床疑問(CQ:クリニカルクエスチョン)を紹介した。

固形がんにMRD検査は有用か?学会がガイダンスを作成/日本癌治療学会

 日本癌治療学会は、固形がんを対象に、がん種横断的にMRD検査の最新エビデンスを集め、検査の適正利用・研究を目指すことを目的としたガイダンス「分子的残存病変(molecular residual disease:MRD)検査の適正臨床利用に関する見解書 第1版」(日本癌治療学会:編、日本臨床腫瘍学会・日本外科学会:協力)を作成し、2024年10月に学会サイト上で公開した。  MRDは、抗がん剤の投与などにより一定の治療効果が確認された後も患者の体内に残る微小なレベルのがん病変を指す。もともとは造血器腫瘍における研究が先行しており、2024年4月には米国食品医薬品局(FDA)の委員会がMRDを多発性骨髄腫の臨床開発のエンドポイントとすることを認めるなど、研究・臨床への応用が進む。固形がんにおいても、血液を用いたリキッドバイオプシー検査の臨床導入を契機に、大腸がんなどを中心にMRD評価による再発リスク層別化を検証する臨床試験が多数行われ、臨床応用や保険承認を目指す流れができつつある。今回のガイダンスもこのような背景から作成されたものだ。

限局型小細胞肺がんへのデュルバルマブ地固め、日本人でも有効(ADRIATIC)/日本肺癌学会

 限局型小細胞肺がん(LD-SCLC)患者を対象とした国際共同第III相無作為化比較試験「ADRIATIC試験」の第1回中間解析において、同時化学放射線療法(cCRT)後のデュルバルマブ地固め療法が全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)を有意に改善したことが報告されている1)。本試験の日本人サブグループ解析の結果について、善家 義貴氏(国立がん研究センター東病院)が第65回日本肺癌学会学術集会で発表した。 ・試験デザイン:国際共同第III相無作為化比較試験 ・対象:I~III期(I/II期は外科手術不能の患者)でPS0/1のLD-SCLC患者のうち、cCRT後に病勢進行が認められなかった患者730例(PCIの有無は問わない) ・試験群1(デュルバルマブ群):デュルバルマブ(1,500mg、cCRT後1~42日目に開始して4週ごと)を最長24ヵ月 264例(日本人19例)

ペムブロリズマブのNSCLC周術期治療(KEYNOTE-671)は日本人でも有効/日本肺癌学会

 ペムブロリズマブの非小細胞肺がん(NSCLC)周術期治療(KEYNOTE-671)は米国、欧州に続き、本邦でも2024年8月28日にNSCLCにおける術前・術後補助療法の適応を取得している。この根拠となった第III相「KEYNOTE-671試験」における日本人集団の結果について、聖マリアンナ医科大学 呼吸器外科主任教授の佐治 久氏が第65回日本肺癌学会学術集会で発表した。 試験デザイン:国際共同無作為化二重盲検第III相試験 対象:切除可能なStageII、IIIA、IIIB(N2)のNSCLC患者(AJCC第8版に基づく) 試験群:ペムブロリズマブ200mg+化学療法(シスプラチン[75mg/m2]+ゲムシタビン[1,000mg/m2を各サイクル1、8日目]またはペメトレキセド[500mg/m2])を3週ごと最大4サイクル→手術→ペムブロリズマブ200mgを3週ごと最大13サイクル(ペムブロリズマブ群:397例) 対照群:プラセボ+化学療法(同上)を3週ごと最大4サイクル→手術→プラセボを3週ごと最大13サイクル(プラセボ群:400例) 評価項目: [主要評価項目]無イベント生存期間(EFS)および全生存期間(OS) [副次評価項目]病理学的奏効(mPR)、病理学的完全奏効(pCR)、有害事象など

「医療費が負担だった」8割、がん患者が感じている経済的不安/日本癌治療学会

 「いくらかかるかわからない」「費用が心配で高い治療を受け入れられない」。がん治療にかかる費用は病院の会計窓口で聞くまでわからないというケースも少なくないだろう。NPO法人キャンサーネットジャパンは、がん患者が感じている、がん治療への経済的負担についてのアンケート結果を第62回日本癌治療学会学術集会で発表した。  調査対象は20歳以上の日本のがん治療経験者、調査期間は2024年8月8日~9月1日で、1,117名から回答を得ている。  61%の治療経験者はがんになる前から治療費の備えをしていた。それにもかかわらず、約8割(78%)が、がん治療中に医療費が負担だと感じていた。