呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:350

EGFR-TKIで脳転移の放射線治療を温存

 非小細胞肺がん(以下、NSCLC)の脳転移については、一般的に放射線治療が行われているが、EGFR-TKIの登場により変化が起こりそうである。2014年8月28日~30日、横浜市で開催された日本癌治療学会学術集会にて、千葉県立がんセンターの井内 俊彦氏は「EGFR-TKI時代の非小細胞肺癌脳転移治療~非照射TKI単独治療の効果と安全性」と題し、自施設での臨床試験の結果を紹介した。

細気管支炎の入院判断、酸素飽和度のみではできず/JAMA

 緊急救命室を受診した軽症~中等度の細気管支炎を有する乳幼児について、入院の判断をパルスオキシメーター測定値だけで判断することは適切ではないことが明らかにされた。カナダ・Sick Children病院のSuzanne Schuh氏らが、測定酸素飽和度が実際よりも3%高く測定されるように操作介入した場合に入院率が減るかを、無作為化二重盲検並行群間比較試験により検討した結果、仮定したとおりの結果が得られた。しかし、後日の外来受診者数には有意差がみられず、著者は今回の結果を踏まえて「同測定の活用について再評価する必要があるだろう」と指摘している。JAMA誌2014年8月20日号掲載の報告より。

日本血管病理研究会 第19回学術集会開催のお知らせ

 血管障害に関わる疾患の中で「血管炎」とは、病理学的に「血管壁の壊死と炎症細胞の浸潤」と定義される。民族や国・地域によって、疾患の頻度やその臨床症状が異なるために、臨床現場で血管炎の診療は難しく、専門的な知識と経験が必要となる。そのため、血管炎は古今東西の難しい学問・臨床分野の1つであると考えられ、年月を経ても理解に至らない疑問が数多く存在する。

COPD増悪患者の換気法 口or鼻?

 オープンマウスピース換気法は、従来型の鼻マスクによる換気法と同様に、軽症から中等症アシドーシスのCOPD患者のガス交換において、さらなる悪化を防ぐ可能性があることを、イタリアのセストリ・レヴァンテ病院のAntonello Nicolini氏らが明らかにした。RESPIRATORY CARE誌オンライン版2014年8月19日号の掲載報告。  オープンマウスピース換気法は神経筋の疾患を有する患者に対して、効果的であることがわかっている。そこで今回、軽症から中等症のアシドーシスでCOPD増悪を起こしている患者に、この換気法を実施した。

高齢者へのインフルワクチン、高用量で効果増/NEJM

 65歳以上高齢者への高用量3価不活化インフルエンザワクチン(IIV3-HD)接種は、標準量同ワクチン(IIV3-SD)接種に比べ、インフルエンザ様疾患の予防効果が高く、抗体反応の誘導は有意に高いことが示された。米国・ピッツバーグ大学のCarlos A. DiazGranados氏らが約3万2,000例の高齢者を対象に行った第IIIb~IV相臨床試験の結果、報告した。これまでの報告で、抗体反応が向上することは報告されていた。NEJM誌8月14日号掲載の報告より。

小児BCG接種、結核感染を2割予防/BMJ

 小児へのBCG接種の予防効果について、肺結核患者への曝露後感染を19%予防できることが明らかにされた。また、結核菌感染が認められた場合も、接種者では発症予防効果が58%あることも判明した。英国・イングランド公衆衛生サービス(PHE)のA. Roy氏らがシステマティックレビューとメタ解析の結果、報告した。これまでの研究結果から、小児へのBCG接種が、結核の重症症状、なかでも髄膜炎に対して予防効果(60~80%)があることは明らかにされていた。BMJ誌2014年8月5日号掲載の報告より。

肺ノカルジア症 進行リスクはCOPD

 COPDは肺ノカルジア症を進行させるリスクファクターとなることをイタリアのサン・ドナート病院のClaudia Maggiorelli氏らが明らかにした。さらに、COPDが危険因子となる原因はCOPDによる肺の防御機構の低下や長期にわたるステロイド療法である可能性にも言及している。Journal of Chronic Obstructive Pulmonary Disease誌オンライン版2014年8月5日号の掲載報告。

閉塞性睡眠時無呼吸への夜間酸素療法 ―CPAPよりアドヒアランスはよいが効果は劣る―(解説:高田 佳史 氏)-230

閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)患者への持続陽圧呼吸(CPAP)療法は、高血圧の発症予防や降圧に有効であるが、その効果はアドヒアランスに依存することも知られている1,2)。本論文は、アドヒアランスに優れた夜間酸素療法との無作為割り付け試験の報告である。