スマートフォン(スマホ)がアレルギーを引き起こす要因となる可能性を示唆する研究結果が、このほど明らかになった。研究を率いたのは、米マサチューセッツ州ホプキントン高校のHana Ruranさんだ。同高校のResearch Method Programの一環として実施されたこの研究では、スマホにはしばしば、猫や犬のアレルゲンに加え、細菌や真菌が付着していることが示されたという。研究結果は、米国アレルギー・喘息・免疫学会年次学術集会(ACAAI 2022、11月10~14日、米ルイビル)で発表されるとともに、「Annals of Allergy, Asthma & Immunology」11月号(増刊号)に掲載された。
Ruranさんは、「私は常にスマホを手に持っていて、どこかに置いたままにするなんてことはありません。一方で、私はたくさんのアレルギーを持っています。こうした、自分に影響を及ぼしているものについて、何かしてみたいと思ったのです」と、今回の研究を実施した背景について説明している。
Ruranさんらは今回の研究で、本物のスマホのサイズや表面を模した模型を作製。15人のボランティアの研究参加者に、1週間にわたって毎日何回かスマホ模型の表面を静電気除去シートで拭いてもらった。その上で、Ruranさんのメンターで共同研究者の米アイオワ大学公衆衛生学部教授Peter Thorne氏の研究室で、シートに付着した物質を調べた。