外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:78

乳がんリスクの高い9遺伝子、腫瘍サブタイプや悪性度との関連は?/JAMA Oncol

 乳がんとの関連が報告されている9つの生殖細胞系列の遺伝子変異について、それぞれ腫瘍サブタイプや悪性度にどんな特徴があるのか? 多施設共同症例対照研究(BRIDGES研究)の結果を、英国・ケンブリッジ大学のNasim Mavaddat氏らがJAMA Oncology誌オンライン版2022年1月27日号に報告した。  本研究は1991~2016年の間に実施され、遺伝子解析と分析は2016~21年に行われた。ATM、BARD1、BRCA1、BRCA2、CHEK2、PALB2、RAD51C、RAD51D、およびTP53の9つの遺伝子変異について、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、ERBB2の状態および腫瘍の悪性度(組織型、サイズ、TNM病期、リンパ節転移)によって定義された5つの乳がんサブタイプ(HR+ERBB2-低悪性度、HR+ERBB2+、HR+ERBB2-高悪性度、HR-ERBB2+、トリプルネガティブ)との関連が解析された。

死に至る薬剤耐性菌感染症、最も多い疾患と原因菌は/Lancet

 薬剤耐性(AMR)は、世界中で人々の健康を脅かす主要な原因となっている。これまでのAMR研究は、特定の地域における限られた病原体と薬剤の組み合わせについて、感染症の発生率や死亡数、入院期間、医療費に及ぼすAMRの影響の評価を行い、広範な地域や、病原体と薬剤の網羅的な組み合わせに関する包括的な検討は行われていないという。米国・ワシントン大学のMohsen Naghavi氏らAntimicrobial Resistance Collaboratorsは、今回、AMR負担に関して現時点で最も包括的な検討を行い、2019年に世界で495万人が細菌のAMRに関連する感染症で死亡し、このうち127万人は薬剤耐性菌感染症が直接の原因で死亡したことを明らかにした。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2022年1月18日号に掲載された。

アベマシクリブのHR+/HER2-乳がん術後薬物療法における位置付けは?

 ホルモン受容体陽性/HER2陰性で再発高リスクの乳がんにおける術後薬物療法として、CDK4/6阻害薬アベマシクリブ(商品名:ベージニオ)が2021年12月24日に追加承認を取得した。1月21日「ベージニオに新たな適応症が追加 HR+/HER2-乳癌の術後薬物療法の新しい選択肢とは」と題したメディアセミナー(主催:日本イーライリリー)が開催され、座長として大野 真司氏が登壇、原 文堅氏(ともにがん研究会有明病院)が術後薬物療法におけるアベマシクリブの位置付けについて講演した。  アベマシクリブは2018年9月に、HR+/HER2-の手術不能または再発乳がんに対する治療薬として承認されている。アベマシクリブは骨髄での造血管細胞の成熟に関連するCDK6-サイクリンD3よりも、乳がんの増殖に関連するCDK4-サイクリンD1をより高く阻害するため、パルボシクリブと比較して骨髄抑制が軽く、連日内服が可能という点が特徴となっている。アベマシクリブの用法・用量としては1回150mgの1日2回経口投与であるが、術後薬物療法では投与期間は最大で24ヵ月間、状態に応じて適宜減量することとされた。

年末年始の当直・輪番当番は増えた、減った?/ケアネット

 2022年も新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行する中で迎えた。とくに初冬より流行し始めたオミクロン株は感染力の強さもあり、わが国全体が不安と戸惑いの中で新しい年を迎えた。そうした環境の中で、果たして年末・年始の当直・輪番当番に大きな動きはあったのであろうか。CareNet.comは1月13日(木)にWEBアンケートで医師会員400名に年末・年始の当直・輪番当番について調査を行った。 ■アンケート概要 実施期日:2022年1月13日(木) 調査方法:インターネット 対象者:医師会員400名(年齢別に20・30代/40代/50代/60代以上に区分) ■「年代が若い」「病床規模が大きい」の項目で当直・輪番当番が「あり」の回答が増加

JSMO2022の注目演題/日本臨床腫瘍学会

 2022年1月21日、日本臨床腫瘍学会はオンラインプレスセミナーを開催し、会長の国立がん研究センター中央病院の大江 裕一郎氏らが、第19回学術集会の注目演題などを発表した。  今回の学術集会のテーマは「Inspiring Asian Collaboration and the Next Generation in Oncology」。アジアとの協力関係と若手の活性化を目指したものだという。2022年2月17~19日に、現地(京都国際会館およびザ・プリンス京都宝ヶ池)開催を基本とし、webライブとオンデマンド配信を組み合わせたハイブリッド形式で行われる。演題数は1,000を超え、4分の1は海外からの演題とのこと。

ゲフィチニブの非小細胞肺がんアジュバント、DFSとOSの結果(IMPACT)/JCO

 近年、非小細胞肺がん(NSCLC)のアジュバント療法として、免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬を使用したさまざまな臨床試験が実施されている。  このたび、吹田徳洲会病院の多田 弘人氏らが、アジュバント療法におけるゲフィチニブの有効性を検討した国内臨床試験、IMPACT試験の結果をJournal of Clinical Oncology誌2022年1月20日号で報告した。  IMPACT試験は、EGFR変異陽性患者に対する標準的なアジュバント療法であるシスプラチン+ビノレルビン療法を対照としたゲフィチニブのランダム化比較第III相試験であり、WJOG(西日本がん研究機構)が実施した。

早期乳がんへの術後パルボシクリブ、iDFSに減量・中止の影響は?(PALLAS)/JCO

 PALLAS試験は、ホルモン受容体(HR)陽性/HER2陰性の早期乳がんの術後補助療法として、標準的な内分泌療法へのCDK4/6阻害薬パルボシクリブ追加の有効性を評価する第III相試験。主要評価項目である無浸潤疾患生存期間(iDFS)の有意な改善は示されておらず、今回、同試験におけるパルボシクリブ減量と中止の影響が評価された。米国・ダナファーバーがん研究所(DFCI)のErica L Mayer氏らがJournal of Clinical Oncology誌オンライン版2022年1月7日号に報告した。

Stage IV乳がんの原発巣切除、OS改善せず(EA2108)/JCO

 de novo Stage IV乳がんでは、原発巣切除が全生存期間(OS)を改善するとされているが、臨床試験では相反する結果が報告されている。今回、米国・Northwestern UniversityのSeema A. Khan氏らが実施したEA2108試験では、早期の原発巣切除により、局所制御の改善はみられたもののOSは改善せず、QOLには影響がなかったことが示された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2022年1月7日号に掲載。  本研究では、4~8ヵ月間の全身療法で病勢進行のなかったde novo Stage IV乳がん患者を、局所療法(原発巣切除および放射線療法)群と全身療法継続群に無作為に割り付け、比較検討した。主要評価項目はOS、副次評価項目は局所制御とQOLとした。

乳がん患者の抑うつ、適切な治療につなげるには?/JAMA

 地域の腫瘍科診療施設で治療を受けている乳がん患者において、実装科学(implementation science)に基づき日常診療で抑うつ状態のスクリーニングを行う個別化戦略は、抑うつスクリーニング指導のみの治療戦略と比較して、行動療法への紹介に結びつく患者の割合が高く、腫瘍内科の外来受診の頻度は低下することが、米国・カイザーパーマネンテ南カリフォルニア(KPSC)のErin E. Hahn氏らの調査で示された。研究の成果は、JAMA誌2022年1月4日号で報告された。  本研究は、KPSC(南カリフォルニアの450万人以上の会員に包括的な治療を提供する統合保健システム)に所属する6つの医療センターが参加した実践的なクラスター無作為化試験であり、2017年10月1日~2018年9月30日の期間に患者の登録が行われ、最終フォローアップ日は2019年3月31日であった(Regents of the University of Californiaなどの助成を受けた)。

CPと表記される医療用語が15種類…「誤解を招く医療略語」の解決に役立つポケットブレインとは?

 電子カルテの普及により多職種間で患者情報を共有しやすくなり、紙カルテ時代とは比にならないくらい業務効率は改善したー。はずだったのだが、今度は医療略語の利用頻度の増加による『カルテの読みにくさ』という新たな課題が浮上している。  医療略語は忙しい臨床現場で入力者の負担軽減に寄与する一方で、略語の多用や種類の増加が、職種間での情報共有における新たな弊害になっている可能性がある。また、診療科や職種により医療略語の意味が異なるため、“医療事故”のリスク因子にもなりかねない。増加の一途をたどる医療略語に、医療現場はどう対処していけばよいのだろうか。