皮膚科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:54

70歳以上高齢者に対する帯状疱疹サブユニットワクチンの有効性(解説:小金丸 博 氏)-596

帯状疱疹の罹患率や、その合併症である帯状疱疹後神経痛の発生率は、年齢とともに増加することが知られている。帯状疱疹を発症した場合、抗ウイルス薬の投与によって罹病期間を短縮することはできるが、帯状疱疹後神経痛の減少効果は示されておらず、ワクチンによる予防効果が期待されてきた。日本や米国では、50歳以上の成人に対して帯状疱疹の予防に生ワクチンが認可されているが、帯状疱疹の予防効果は50%程度とそれほど高くなく、さらに年齢とともに有効性が低下することが指摘されていた。

タバコとアトピー性皮膚炎、受動/能動喫煙いずれも関連

 タバコの煙は、アトピー性皮膚炎(AD)の危険因子かもしれない。米国・ノースウェスタン大学のRobert Kantor氏らのシステマティックレビューおよびメタ解析の結果、能動喫煙および受動喫煙によるタバコの煙への曝露は、AD有病率の増加と関連していることが明らかとなった。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2016年8月16日号掲載の報告。

帯状疱疹の新規ワクチンの有効性、70歳以上では9割/NEJM

 組換え水痘帯状疱疹ウイルス糖蛋白EとAS01Bアジュバントを組み合わせた帯状疱疹サブユニットワクチン(HZ/su)の70歳以上高齢者に対する予防効果について、帯状疱疹の有効性は約91%、帯状疱疹後神経痛に対する有効性は約89%であることが示された。オーストラリア・シドニー大学のA.L.Cunningham氏らが、約1万4,000例を対象に行った第III相のプラセボ対照無作為化比較試験「ZOE-70」の結果で、NEJM誌2016年9月15日号で発表した。すでに、50歳以上を対象にHZ/suの有効性について検証した「ZOE-50」試験では、帯状疱疹リスクがプラセボに比べ97.2%減少したことが示されていた。

歯科従事者の手湿疹有病率36.2%、そのリスク因子とは?

 歯科医療従事職は、手湿疹のリスクが高い職業の1つである。熊本大学大学院 公衆衛生学分野の皆本 景子氏らは、歯科医療従事者における職業性手湿疹の有病率とそのリスク因子を明らかにする目的でアンケート調査を行った。その結果、実際に歯科医療従事者の手湿疹有病率は高いことが明らかになり、著者は、「予防のための教育とより頻繁なパッチテストが必要」と述べている。Contact Dermatitis誌2016年10月号の掲載の報告。

滅菌手袋 vs.非滅菌手袋、外来での皮膚外科手術後の創部感染発症率は?

 外来での皮膚外科手術後の創部感染発症率に、使用した手袋が滅菌か非滅菌かにより影響を及ぼすかどうかは結論が得られていない。米国・メイヨークリニックのJerry D. Brewer氏らは、システマティックレビューおよびメタ解析を行い、滅菌手袋と非滅菌手袋とで術後創部感染の頻度に差はないことを報告した。JAMA Dermatology誌オンライン版2016年8月3日号掲載の報告。

顔面移植術後の長期アウトカムは?/Lancet

 顔面移植では術前の十分な手術可否の検討と、術後の長期的なサポートプログラムが必要であることを、フランス・パリ第5大学のLaurent Lantieri氏らが単施設において前向きに追跡した結果、報告した。顔面移植は2005年以降に30件以上が実施されているが、これまでに長期追跡の報告論文はなかった。Lancet誌オンライン版2016年8月24日号掲載の報告。

男性型脱毛症の人は皮膚がんを発症しやすい?

 米国・ブラウン大学のWen-Qing Li氏らの前向き研究で、男性型脱毛症が、浸潤性悪性黒色腫・浸潤性有棘細胞がん(SCC)・基底細胞がん(BCC)の発症リスクの増加に関連する可能性が示唆された。ただし、この関連は頭頸部、とくに頭皮で発症する皮膚がんに限られるようだ。International journal of cancer誌オンライン版2016年8月20日号に掲載。

Amazonレビューから日焼け止め製品の人気と購入傾向を調査

 日焼け止め製品は、皮膚がんリスクの低下、日焼け回避、光老化の緩和、また光線過敏症の治療に役立つ。米国・ノースウェスタン大学のShuai Xu氏らは、皮膚科医が適切な日焼け予防を指導するのに役立つ情報を提供するため、Amazon通販サイトの情報を解析し、消費者の購入傾向、人気の製品の特色などを調べた。

PDE4阻害薬軟膏、小児・成人のアトピー性皮膚炎に有用

 アトピー性皮膚炎に対し、ホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害薬のcrisaborole軟膏は、有効性のすべての評価項目を改善し良好な安全性プロファイルを示したことが報告された。米国・ノースウェスタン大学のAmy S. Paller氏らが行った、アトピー性皮膚炎の小児と成人を対象に行った第III相の2試験において示された。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版7月7日号の掲載報告。