皮膚科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:52

乾癬へのMTX高用量皮下投与は有効か/Lancet

 中等度~重度の尋常性乾癬患者に対するメトトレキサート(MTX)の高用量皮下投与について、52週時点のリスクベネフィットは良好であることが、英国・マンチェスター大学のRichard B Warren氏らによる第III相の国際多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、示された。中等度~重度の尋常性乾癬治療においてMTXは使用頻度の高い全身性薬物の1つだが、その使用に関する高度なエビデンスは少なく、また投与は経口に限られていた。研究グループは、高用量皮下投与の有効性評価を目的に本検討を行った。Lancet誌オンライン版2016年12月21日号掲載の報告。

新生児期の飼い犬との触れ合いがアトピーのリスク低下に関与

 デンマーク・コペンハーゲン大学のSunna Thorsteinsdottir氏らは、コペンハーゲン小児喘息前向きコホート研究(Copenhagen Prospective Studies on Asthma in Childhood:COPSAC)から2つの独立した出生コホートを用い、生後3年間における室内犬への曝露がアトピー性皮膚炎発症に影響を及ぼすかどうかを検討した。その結果、新生児の室内犬への曝露はアトピー性皮膚炎のリスク減少と強く関連しており、その関連は飼犬頭数に依存的であることを明らかにした。著者は、「機序は不明だが、今回の結果は胎児のときの曝露量がアトピー性皮膚炎のリスクに影響を及ぼす可能性を提起するもので、疾患の経過について早期における環境要因の重要性を強調するものである」とまとめている。Allergy誌2016年12月号(オンライン版2016年8月9日号)掲載の報告。

離乳期早期からの加熱卵摂取は卵アレルギーを予防/Lancet

 積極的なアトピー性皮膚炎治療と併用し、離乳期早期から加熱した卵を少量ずつ段階的に摂取することで、ハイリスク乳児の鶏卵アレルギーを安全に予防できることが明らかとなった。国立成育医療研究センターの夏目統氏らが、アトピー性皮膚炎の乳児を対象に行った無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験「卵アレルギーの発症予防研究(Prevention of Egg Allergy with Tiny Amount Intake:PETIT研究)」の結果を報告した。近年、食物アレルギーの予防戦略として、摂取を遅らせるより早期摂取のほうが有効であるとのエビデンスが増えてきている。このような固形食物の早期摂取によりアレルギー反応が引き起こされることもあったが、著者は、「今回の研究で、食物アレルギーによって引き起こされるアレルギー発症の第二の波を克服する実用的な方法が開発された」とまとめている。Lancet誌オンライン版、2016年12月8日号掲載の報告。

乾癬へのイキセキズマブ長期投与の安全性

 乾癬患者への、新たな生物学的製剤であるイキセキズマブの長期投与について、安全性プロファイルは良好であることが報告された。米国・コネチカット大学のBruce Strober氏らが、臨床試験の併合解析を行った。中等症~重症の乾癬に対する治療は長期にわたるため、生物学的製剤の安全性は重要であるが、解析の結果、維持投与期間中に予測できない有害事象は認められなかった。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2016年11月23日号掲載の報告。

電子処方箋によって処方薬受け取り率が向上?

 処方薬の過小使用は臨床転帰不良と関連しており、米国では過小使用の多くは1次ノンアドヒアランス、すなわち、患者が処方薬を受け取っていないことが原因であるという。米国・ノースカロライナ大学チャペルヒル校のAdewole S. Adamson氏らは、医療の協調性を高めエラーを減少させると評価されている電子処方箋に着目し、1次ノンアドヒアランスへの影響について、後ろ向き研究で調べた。

ハイドロキノンによる肝斑治療へのトラネキサム酸追加は有効か?

 肝斑は罹患率が高く、患者に心理的な影響を与えることから、有効かつ経済的、安全な治療が求められている。肝斑は従来、ハイドロキノンクリームによる治療が行われてきたが、ここにトラネキサム酸を加えることで、治療効果が高まると示唆されている。  そこで、本研究では肝斑治療における、経口トラネキサム酸とハイドロキノン4%クリーム併用とハイドロキノン4%クリーム単独使用での有効性および安全性を比較検討した。Journal of Cosmetic Dermatology誌10月号掲載の報告。