糖尿病・代謝・内分泌科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:146

非糖尿病の肥満妊婦にメトホルミンは有用?/NEJM

 BMI35超で非糖尿病の妊婦に対する周産期におけるメトホルミン投与は、新生児の出生体重を減少せず、一方で母親の妊娠中の体重増を抑制し、妊娠高血圧腎症罹患率は低下した。英国・キングス・カレッジ病院のArgyro Syngelaki氏らが、450例の妊婦を対象に行った試験の結果、示された。肥満は有害妊娠アウトカムのリスク増大との関連が知られている。しかし、これまでに行われた生活習慣介入試験では、転帰の改善は認められていない。メトホルミンは、妊娠糖尿病を有する妊婦への投与で、非投与の妊婦と比べて体重増加量が少なかったことが報告されていた。NEJM誌2016年2月4日号掲載の報告。

糖尿病患者の食事パターン、心血管リスクが高いのは?

 2型糖尿病患者の食事パターンと心血管疾患(CVD)の潜在的危険因子との関連についてはこれまで明らかになっていない。順天堂大学の遅野井 雄介氏らは、2型糖尿病患者の食事パターンを同定し、CVD危険因子との関連を横断的研究で検討した。その結果、2型糖尿病患者においてCVD危険因子と関連する食事パターンが示唆された。Nutrition Journal誌2016年2月4日号に掲載。

DPP-4阻害薬の動脈硬化抑制、インスリン治療患者でも

 順天堂大学の三田 智也氏らは、2型糖尿病患者においてDPP-4阻害薬(アログリプチン)投与による動脈硬化進展抑制をすでに報告している(Diabetes Care. 2016;39:139-48)。今回、同氏らは、動脈硬化が進展していると考えられるインスリン治療中の2型糖尿病患者でのDPP-4阻害薬の影響を検証するため、シタグリプチン併用による頸動脈内膜中膜複合体肥厚度(IMT)への影響を評価した。その結果、シタグリプチンが通常治療に比べて頸動脈IMTの進展を抑制させることが認められた。Diabetes Care誌オンライン版2016年1月28日号に掲載。

大腸がんは肥満・高血圧・糖尿病と関連

 大腸新生物とアテローム性動脈硬化はどちらも内臓脂肪蓄積によって生じうる。しかし、進行期大腸がんと心血管/脳血管疾患との関連は不明である。東京大学の山地 裕氏らは、わが国における入院患者の全国データベースを用いて、肥満・代謝性疾患との関連からみた大腸がんと血管疾患との関連性を、非心臓性の胃がん患者(肥満・代謝性疾患に関連がないと考えられる)を基準として検討した。その結果、肥満と代謝性疾患は、胃がんと比べて大腸がんとの関連が強かったが、冠動脈疾患は大腸がんと逆相関していた。Digestive Diseases and Sciences誌オンライン版2016年2月1日号に掲載。

ジャガイモ摂取量が多いほど妊娠糖尿病になりやすい?/BMJ

 妊娠前のジャガイモ摂取量が妊娠糖尿病(GDM)のリスクと有意に関係していることを、米国立衛生研究所のWei Bao氏らが10年にわたる前向きコホート研究の結果、報告した。ジャガイモを他の野菜・豆・全粒粉食品に置き換えると、GDM発症リスクが低下する可能性もあるという。これまで、ジャガイモ摂取量とGDMとの関連性については明らかにされていなかった。ジャガイモは、米国人のための食生活指針では、健康的な食物として野菜の中に分類されている。しかし、急速に吸収されるデンプンを多量に含むため、糖代謝に悪影響を及ぼすことが先行研究で示唆されていた。BMJ誌オンライン版2016年1月12日号の掲載報告。

糖尿病歴と自殺・事故死リスク~日本人10万人の検討

 JPHC研究(Japan Public Health Center-based Prospective Study)グループの山内 貴史氏らは、糖尿病歴が外因死(自殺および事故死)のリスクに関連するかどうか、日本人の大規模集団における前向きコホートのデータを使用して検討した。その結果、男女とも59歳以下(ベースライン時)で、糖尿病歴のある人はない人と比べて外因死(とくに事故死)のリスクが有意に高かった。Diabetes & metabolism誌オンライン版2016年1月18日号に掲載。