糖尿病・代謝・内分泌科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:60

地中海食のCVD予防、睡眠不足だと効果が低減

 地中海食は心血管疾患(CVD)の1次予防および2次予防に有効であることが報告されている。しかし、地中海食を遵守していても、睡眠時間が不足していた場合はCVDの予防効果が低減することを、ギリシャ・Harokopio大学のEvangelia Damigou氏らが明らかにした。Nutrients誌2023年12月20日号掲載の報告。  研究グループは、ギリシャの前向きコホート研究であるATTICA研究(2002~22年、3,042人)のデータを用いた。解析には、CVDの既往がなく、睡眠習慣のデータがある成人313人が含まれた。食習慣は食物摂取頻度調査票(FFQ)を用いて評価し、地中海食の遵守は11種類の食品群による地中海食スコア(範囲:1~55、値が高いほど遵守率が高い)を用いて評価した。睡眠習慣は、7時間未満を不十分な睡眠時間、7時間以上を十分な睡眠時間とした(昼寝は除く)。

インスリン療法を行っている妊娠中の糖尿病に、メトホルミンを追加することの意義は?(解説:小川大輔氏)

妊娠前から2型糖尿病と診断されている方でも、妊娠後に糖尿病と診断された方でも、妊娠中の糖尿病の管理は食事療法とインスリン療法が基本となる。日本では妊婦に対するメトホルミンの投与は禁忌とされているが、海外では使用が可能となっている。糖尿病合併妊娠あるいは妊娠糖尿病患者を対象に、インスリン療法に加えてメトホルミンを追加した際の新生児期の有害事象に対する効果を検討した結果がJAMA誌に発表された。米国17ヵ所の医療機関で、妊娠前に2型糖尿病と診断されている、または妊娠23週以前に妊娠糖尿病と診断されたインスリン治療中の被検者831症例を対象に、メトホルミン1,000mgを投与する群(メトホルミン群)と、プラセボを投与する群(プラセボ群)に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。主要アウトカムは周産期死亡、早産、新生児低血糖、在胎不当過大児あるいは在胎不当過少児、光線療法を必要とする高ビリルビン血症といった新生児複合有害事象であった。

クリスマスケーキが健康増進に寄与?/BMJ

 デザートは、何世紀にもわたってクリスマスのお祝いで重要な役割を担っているが、中世イングランドのプディングがかなり健康的なものだったのに比べ、最近は不健康な食材を含むレシピが多くなり、死亡や疾病のリスクに関して懸念が示されている。米国・エモリー大学のJoshua D. Wallach氏らは、英国のテレビ料理番組「ブリティッシュ・ベイクオフ(The Great British Bake Off)」の、クリスマスデザートのレシピに使用されている食材の健康への影響を調査した。その結果、死亡や疾病のリスク増加と関連する食材よりも、むしろリスク減少と関連のある食材のほうが多いことが明らかになったという。BMJ誌2023年12月20日号クリスマス特集号「CHAMPAGNE PROBLEMS」掲載の報告。

teplizumabの登場で1型糖尿病治療は新たなステージへ(解説:住谷哲氏)

膵島関連自己抗体が陽性の1型糖尿病は正常耐糖能であるステージ1、耐糖能異常はあるが糖尿病を発症していないステージ2、そして糖尿病を発症してインスリン投与が必要となるステージ3に進行する。抗CD3抗体であるteplizumabはステージ2からステージ3への進行を抑制することから、8歳以上のステージ2の1型糖尿病患者への投与が2022年FDAで承認された。しかし、現実にはステージ2の1型糖尿病患者がすべて診断・管理されているわけではなく、臨床的に1型糖尿病を発症したステージ3の患者が多数を占めている。

効果的なFreeStyleリブレのスキャン回数が明らかに/京都医療センターほか

 糖尿病の血糖管理において、先進糖尿病デバイスとして持続血糖モニター(CGM)が活用されている。CGMには間歇スキャン式(isCGM)とリアルタイムCGMの2方式がある。間歇スキャン式では、上腕の後ろに装着されたセンサーをワイヤレスでスキャンすることでグルコース値が測定でき、リーダーやスマートフォンを使用する手軽さが魅力的だ。海外の先行研究では、スキャンの頻度が増すほど、HbA1cやTIR(time in range)などの血糖管理指標が改善すると報告されている。そのエビデンスに基づいて、これまでは「できるだけ多くスキャンするように」という指導がされてきたが、70~180mg/dLのTIR70%超を達成する最適なスキャン回数は明らかではなかった。

肥満症へのチルゼパチドの効果、36週で中止vs.投与継続/JAMA

 過体重または肥満の集団において、グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)/グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)共受容体作動薬であるチルゼパチドは、36週間の投与で20%以上の体重減少をもたらし、投与を中止すると体重が大幅に増加したが、投与継続により初期の体重減少を維持あるいはさらに増強することが、米国・Weill Cornell MedicineのLouis J. Aronne氏らが実施した「SURMOUNT-4試験」で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2023年12月11日号に掲載された。

軽度の肥満は健康の印、GLP-1作動薬の効果は高度肥満者で示されているにすぎない(解説:名郷 直樹 氏)-1766

世の中は肥満に厳しくやせに寛容だ。なぜそんなことになっているのか。肥満と死亡の関係について言えば、日本人のコホート研究のメタ分析の結果で、BMIで23から25のあたりで死亡率が最も低くなっていると報告されている。ちょっと太めのほうが健康なのである。それにもかかわらず、ちょっと腹が出ている程度の肥満をメタボと呼び、軽度の肥満をもむしろ不健康と捉えている情報が大部分だ。やせの人を太らせる薬の臨床試験はないが、肥満のリスクばかりを強調する中、やせ薬として話題の薬、GLP-1作動薬の臨床試験が立て続けに報告されている。

痩身目的のオンライン診療でのトラブルが急増/国民生活センター

 痩身目的での糖尿病治療薬(GLP-1受容体作動薬)の不適切処方が問題視され、厚生労働省などから適正使用への注意喚起がなされている。さらに最近では、痩身をうたうオンライン診療でトラブルが急増し、国民生活センターが警鐘を鳴らしている。  同センターへ寄せられた年度別相談件数では、2021年度は49件、2022年度は205件、2023年度は10月31日までで169件と多く、21年から22年では約4.2倍も急増していた。  痩身目的などのオンライン診療に関する相談では、処方薬、副作用の説明や基礎疾患の問診が十分でないまま、初診時に数ヵ月分の処方薬が処方されるなど、不適切なケースがあると同センターは報告している。

妊娠糖尿病、インスリン+メトホルミン vs.インスリン単独/JAMA

 2型糖尿病を有するまたは妊娠初期に2型糖尿病と新規に診断された妊婦において、インスリン療法にメトホルミンを追加しても新生児の複合有害アウトカムは減少しなかった。米国・ノースカロライナ大学チャペルヒル校のKim A. Boggess氏らが、米国の17施設で実施した無作為化二重盲検第III相試験「MOMPOD試験」の結果を報告した。既往または妊娠初期に診断された2型糖尿病を有する妊婦には、インスリンの投与が推奨されるが、インスリンへのメトホルミンの追加により新生児の有害アウトカムが改善する可能性が示唆されていた。JAMA誌2023年12月12日号掲載の報告。  研究グループは2017年6月~2021年11月に、単胎妊娠10週0日~22週6日で2型糖尿病を有する、または23週より前にインスリンを必要とする糖尿病と診断された、18~45歳の成人女性を対象とした。施設、妊娠週数(18週未満、18週以上)、糖尿病診断時期(既往、妊娠初期)で層別化し、メトホルミン(1,000mg)群またはプラセボ群に1対1の割合で無作為に割り付けた。全例がインスリンの投与を受け、それぞれ割り付けられた試験薬を出産まで1日2回経口投与した。

脳小血管病発症前のメトホルミン服用、予後を改善/新潟大

 糖尿病治療で多用されているメトホルミンに神経保護作用がある可能性が示唆されている。この可能性に関し、新潟大学脳研究所脳神経内科学分野の秋山 夏葵氏らの研究グループは、国立循環器病研究センターと共同で研究を行った。その結果、メトホルミンによる脳小血管病に対する神経保護効果が明らかとなった。Journal of the Neurological Sciences誌オンライン版2023年11月29日号からの報告。