経口GLP-1受容体作動薬の画期的な開発への期待(解説:安孫子亜津子氏)
現在使用されているGLP-1受容体作動薬はペプチド製剤で、注射薬が主体であり、2型糖尿病の治療として使用されている。とくに、週に1回の注射製剤はその簡便性と有効性から使用患者が増加している。2021年には世界初の経口GLP-1受容体作動薬であるセマグルチドが登場し、さらにその使用者層が広がった。ただし、経口セマグルチドは空腹状態の胃から吸収される必要があるため、その内服方法に制約があり、適切な内服ができない場合には効果が減弱する。このたび、新規経口非ペプチドGLP-1受容体作動薬であるorforglipronが開発され、第II相臨床試験の結果がLancet誌に発表された。本試験の対象は、18歳以上、BMIが23以上の2型糖尿病患者で、4ヵ国45施設で実施された。プラセボ群、デュラグルチド1.5mg群と、orforglipronは3mg、12mg、24mg、36mg、45mg(1日1回投与)各群に無作為に割り付けられ、36mgと45mgは、それぞれ2つの異なる用量漸増レジメンが試された。