ビタミンDとオメガ3脂肪酸は糖尿病性腎臓病の進展を抑制しない(解説:住谷哲氏)-1183
ビタミンDまたはオメガ3脂肪酸が健常人の心血管イベントやがんの発症を抑制するか否かを検討した大規模無作為化試験VITALの結果はすでに報告されているが、残念ながらビタミンDおよびオメガ3脂肪酸の両者ともに心血管イベントもがんも抑制しなかった。本試験はこのVITALに組み込まれた糖尿病患者を対象としたsupplementary trial VITAL-DKDであり、主要評価項目は治療開始5年後のeGFRの低下である。この試験の背景には動物実験でビタミンDの投与が(1)レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系を抑制する、(2)腎臓での炎症および線維化を抑制する、(3)ポドサイトのアポトーシスを抑制する、(4)アルブミン尿および糸球体硬化の程度を軽減すること、ならびにオメガ3脂肪酸が抗炎症作用および抗血栓作用を有することがある。