消化器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:156

腺腫検出率1%上昇で中間期大腸がんリスク3%低下/NEJM

 腺腫の検出率と、中間期大腸がん、進行期の中間期がん、致死的な中間期がんのリスクとの間には逆相関の関連がみられることが判明した。米国・カイザーパーマネンテ社のDouglas A. Corley氏らが、消化器専門医136人が行った大腸内視鏡検査31万4,872件について分析した結果、報告した。大腸内視鏡検査は、大腸がん検出のプライマリまたはフォローアップスクリーニングとして一般に行われている。また最近では、医師が行うスクリーニング大腸内視鏡検査での1つ以上の腺腫の検出率が、質の評価の指標として推奨されるようになっていた。しかし、この検出率とその後の大腸がん(中間期がん)や死亡のリスクとの関連については、ほとんど分析がされていなかったという。NEJM誌2014年4月3日号掲載の報告より。

臓器移植後の慢性E型肝炎ウイルス感染にリバビリン単剤が有望/NEJM

 臓器移植後の慢性E型肝炎ウイルス(HEV)感染には、約3ヵ月間のリバビリン単剤療法が有効である可能性が示された。フランス・CHU RangueilのNassim Kamar氏らが、59例の固形臓器移植レシピエントを対象に、後ろ向きに検討した多施設共同症例集積研究を行い報告した。HEV感染に対しては現状、有効性が確立した治療法がない。NEJM誌2014年3月20日号掲載の報告より。

バレット食道のがん進行リスク、高周波アブレーションで抑制/JAMA

 軽度異形成を伴うバレット食道に対する高周波アブレーションは、腫瘍への進行リスクを抑制することが、オランダ・アムステルダム大学のK. Nadine Phoa氏らが行った追跡期間3年の無作為化試験の結果、報告された。過去30年で食道腺がんの発生率は6倍増大しており、西側諸国において最も急速に増大したがんとなっているという。食道腺がんのリスクは、軽度異形成を伴うバレット食道により増大するが、大半のガイドラインは、同患者における腫瘍への進行について内視鏡検査(6~12ヵ月ごと)でのモニタリングを勧めている。Phoa氏らは、内視鏡サーベイランスとの比較で内視鏡的高アブレーションが同患者における腫瘍への進行リスクを抑制するかを検討した。JAMA誌2014年3月26日号掲載の報告より。

ドナーの年齢や性別の不一致は予後に影響する?HCV感染/非感染者への肝移植

 C型肝炎ウイルス(HCV)感染者への肝移植は、50歳以上のドナーからの移植を回避することで、予後を向上させる可能性があることが、ポーランド・ワルシャワ医科大学のMichal Grat氏らの報告により明らかになった。一方、ドナーとレシピエントの性別の一致/不一致で予後が左右されることはなかった。Annals of transplantation誌2013年12月23日号の報告。

重症敗血症、アルブミンを投与しても死亡率変わらず/NEJM

 重症敗血症または敗血症性ショックの患者に対し、晶質液に加えてアルブミンを投与しても、晶質液単独投与と比較して28日、90日の生存率は改善しなかったことが示された。イタリア・ミラノ大学のPietro Caironi氏らが、1,818例対象の多施設共同非盲検無作為化試験ALBIOSの結果、報告した。先行研究において、重症敗血症に対するアルブミン投与のベネフィットが示唆されたが、有効性については十分には確立されていなかった。NEJM誌オンライン版2014年3月18日号掲載の報告より。

大腸がんスクリーニング、年齢で推奨するのは不適切/BMJ

 大腸がんスクリーニングの実施を年齢ベースで推進することは適切ではないことを、米国・退役軍人(VA)アナーバーヘルスケアシステムのSameer D Saini氏らが、後ろ向きコホート研究の結果、報告した。米国で最大の統合ヘルスケアシステムのVAヘルスケアシステム加入者を対象に行った検討において、75歳以降では実施が顕著に低下しており、75歳で健康に問題がある人では過剰に、76歳で健康な人では過小に行われているなどの状況が示されたという。現在、同システムでは50~75歳でのスクリーニング実施が推奨されており、全米、英国でも同様に広く行われている。しかし、今回の結果を踏まえてSaini氏は、単に年齢ではなく、もっと個々人の臨床的なリスク・ベネフィットに着目した質的指標を開発すべきであると述べている。BMJ誌オンライン版2014年2月26日号掲載の報告より。

ERCP後膵炎の予防対策―インドメタシン単独 vs 硝酸薬併用

 内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)前のインドメタシン直腸投与と硝酸薬舌下投与は、インドメタシン単独投与よりもERCP後膵炎の発症率を有意に低下させる可能性が高いことがイラン・テヘラン医療科学大学のRasoul Sotoudehmanesh氏らによる研究で明らかになった。The American journal of gastroenterology誌オンライン版2014年2月11日号の報告。

避難所で発症した消化性潰瘍、約9割が出血性―東日本大震災後の症例対照研究

 避難所生活は、大規模災害後における出血性潰瘍の強力なリスク因子であることが、東北大学大学院の菅野 武氏らによる研究で明らかになった。著者らは「大規模災害時には、酸抑制薬を使用するなど、ストレス誘発性消化性潰瘍を減少させることが重要である」と結論づけている。Journal of gastroenterology誌オンライン版2014年2月15日号の報告。