消化器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:159

切除不能大腸がんの化学療法の選択に遺伝子解析は有効か~FOLFOX or FOLFIRI

 切除不能大腸がんの一次治療における化学療法のレジメンとして、それぞれの患者さんにFOLFOXとFOLFIRIのどちらが適切なのかを化学療法開始前に知ることはできないだろうか。韓国・亜洲大学医学部のDo Yoon Kim氏らは、切除不能大腸がん患者において、従来の治療群と、治療前遺伝子解析による計画治療群とで奏効率を比較した。その結果、治療前遺伝子解析による計画治療群、とくにFOLFOX治療患者において、奏効率の改善が認められた。Journal of Surgical Oncology誌オンライン版2013年12月7日号に掲載。

上部早期胃がんに対する最適な術式を検討:日本での多施設後ろ向き研究

 上部早期胃がん治療における手術にはさまざまな術式がある。大阪大学消化器外科の益澤 徹氏(現大阪警察病院)らは、上部早期胃がん203例における記録から、胃全摘術後Roux-en-Y型食道空腸吻合術(TG-RY)、噴門側胃切除術後食道胃吻合術(PG-EG)、噴門側胃切除術後空腸間置術(PG-JI)の3つの術式を比較し、最適な術式を検討した。World Journal of Surgery誌オンライン版2013年12月6日号に掲載。

感染性胃腸炎患者の嘔吐物や便の処理のための新キット登場

 キョーリン メディカルサプライ㈱(本社:東京都新宿区、代表取締役社長 金井 覚)は、杏林製薬㈱(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 宮下三朝)と共同で、嘔吐物などの汚物処理に使用する新製品として、昨年7月に発売した環境除菌・洗浄剤「ルビスタ」を応用した「ルビスタ嘔吐物処理キット」を2013年12月初旬に発売する。

消化管手術の創合併症発症率は真皮縫合とステープラーで同等である(コメンテーター:中澤 達 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(156)より-

 ステープラーによる皮膚縫合は消化器外科での開腹手術後に広く行われている反面、もう一つの手段である真皮縫合の潜在的な利点については評価されていない。本研究はオープンラベル多施設ランダム化比較試験として、24施設が参加して行われた。適応基準は、20歳以上、臓器機能異常なし、上部消化管または下部消化管の開腹外科手術を施行された患者。手術前に真皮縫合とステープラー群に1:1で割り付けられた。

セックスが苦痛に…分娩による肛門括約筋損傷

 分娩時の肛門括約筋損傷(OASI)により持続的な便失禁を認める女性は、大半が性機能障害を抱えていることがオランダ・VU 大学医療センターのA.P.Visscher氏らによる研究で明らかになった。また、内部・外部両方の肛門括約筋裂傷をもつ症例は、外部のみの例よりも便失禁の重症度が高く、肛門の圧力値も低かった。女性たちの今後の人生を考えると、これらの症状の緩和を念頭に置いて治療を行う必要がある。 International Urogynecology Journal誌2013年11月7日号の報告。

大腸がんリスク、体重変化と関連なし

 BMIと大腸がんには中等度の関連があるといわれているが、体重変化と大腸がんの関連についてはあまり知られていなかった。今回、オランダ・ユトレヒト大学のCharlotte N Steins Bisschop氏らの研究で、体重変化は男女ともに結腸・直腸がんリスクと関連を認めないことが明らかになった。The American journal of clinical nutrition誌オンライン版2013年11月13日号の報告。

新規ソホスブビル+レジパスビル合剤、遺伝子1型HCV治療に有望/Lancet

 C型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型1型の大半の患者は、治療歴や代償性肝硬変の有無にかかわらず、新規合剤[ヌクレオチドポリメラーゼ阻害薬ソホスブビル+HCV NS5A阻害薬レジパスビル(ledipasvir)]単独または+リバビリン併用による治療が有効である可能性が報告された。米国・テキサス大学のEric Lawitz氏らによる、非盲検無作為化第2相試験LONESTARの結果、示された。インターフェロンベースの治療は、精神疾患などの禁忌があったり有害イベントの負荷が高いため、HCV患者の多くについて適していない。研究グループは、インターフェロンを使わない新規開発の合剤の有効性と安全性について評価を行った。Lancet誌オンライン版2013年11月5日号掲載の報告より。