消化器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:64

がん通院中患者の新型コロナ抗体量は低値、投与薬剤によって差も/国がん

 国立がん研究センターとシスメックスは、2021年6月2日、がん患者における新型コロナウイルスの罹患状況とリスクを評価するため、2020年8月から10月にかけて500人のがん患者と1,190人の健常人について新型コロナウイルスの抗体保有率と抗体量を調査した。  その結果、新型コロナウイルスの罹患歴のない対象では、がん患者、健常人共に抗体保有率は低く、両群で差がないことがわかった。一方、抗体の量は、健常人と比較し、がん患者で低いことが明らかになった。これは年齢、性別、合併症の有無、喫煙歴といった因子で調整しても有意な差を認めた。

FGFR阻害薬ペミガチニブが胆道がん治療薬として発売/インサイト

 インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパンは、2021年6月1日、選択的FGFR阻害薬ペミガチニブ(製品名:ペマジール)の販売を開始したと発表した。  ペミガチニブは経口のチロシンキナーゼ阻害薬であり、がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道がんの治療薬として、2021年3月23日に国内製造販売承認を取得している。

パロノセトロン、小児への用法・用量追加承認/大鵬

 大鵬薬品工業とヘルシン・ヘルスケアは、5-HT3受容体拮抗型制吐薬パロノセトロン(製品名:アロキシ)について、2021年5月27日、厚生労働省より小児に対する用法・用量の追加承認を取得した。  今回の追加承認は、主に、生後28日以上18歳以下の小児患者を対象に国内で実施した第III相試験の結果に基づいたもの。主要評価項目である1コースに おける高度又は中等度催吐性抗がん剤投与開始0~120時間後の嘔吐完全抑制(嘔吐性事象なし、制吐処置なし)率は58.6%。

FDA、infigratinibを胆管がんに迅速承認

 米国食品医薬品局(FDA)は、2021年5月28日、FGFR2融合または他のFGFR2遺伝子再構成を有する既治療の局所進行または転移のある切除不能胆管がんにFGFR阻害薬infigratinibを迅速承認。FDAは同時にFoundation One CDxをinfigratinibのコンパニオン診断薬として承認した。  infigratinibの有効性は上記患者108例に対する多施設オープンラベル単群試験CBGJ398X2204試験で示された。患者はinfigratinib125mg/日を3週投与1週休薬の4週間サイクルで、疾患進行あるいは許容できない毒性の発現まで投与された。

腸内細菌叢から健康状態を測れるか

 健康的な食習慣に関連する腸内細菌群は、良好な心血管代謝および食後マーカーに関連する腸内細菌群と重なることが、イタリア・トレント大学のFrancesco Asnicar氏らによって示された。疾患を持たない個人では、健康レベルごとに腸内細菌叢を階層化できる可能性があるという。Nature Medicine誌2021年2月号の報告。  腸内細菌叢は食事によって形作られ、宿主の代謝に影響を与える。しかし、これらの関連性は複雑で、個人ごとに異なると考えられている。

FDA、食道・胃食道接合部がんの術後補助療法にニボルマブ承認(CheckMate-577)/BMS

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、2021年5月20日本日、米国食品医薬品局(FDA)が、術前補助化学放射線療法(CRT)を受け病理学的残存病変を認めた完全切除後の食道がんまたは胃食道接合部(GEJ)がん患者の術後補助療法として、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)を承認したことを発表した。  この承認は、術前補助CRTおよび完全切除後に病理学的残存病変を認めた食道がんまたはGEJがん患者を対象に、オプジーボ(532例)とプラセボ(262例)を比較評価した第III相CheckMate-577試験の結果に基づいている。

がん患者、新型コロナワクチン接種後の抗体価が低い/Ann Oncol

 がん治療を受けている固形腫瘍患者はCOVID-19ワクチン接種後の抗体価が低く、2回以降の接種が健常者以上に重要になる、という報告が相次いでいる。  Annals Oncology誌2021年4月28号オンライン版に「LETTER TO THE EDITOR」として掲載されたフランスの研究では、固形腫瘍患者194例にBNT162b2を接種。初回接種時、2回目接種時(3~4週後)、2回目接種後3~4週目(6~8週後)に抗体値を測定し、陽性判定を行った。  主な結果は以下のとおり。

TNF阻害薬治療中のIBD患者、新型コロナワクチン単回接種では抗体応答が不良

 新型コロナワクチンを巡っては、世界的に需要が高まり、限られた供給量をどう配分するかが各国における喫緊の課題になっており、単回接種の有効性についての研究も進んでいる。一方で、炎症性腸疾患(IBD)など全身免疫を抑制する治療を行っている患者では、免疫応答が十分に得られず、ワクチンの有効性が落ちるのではないかという懸念がある。英国・Royal Devon and Exeter NHS Foundation TrustのNicholas A Kennedy氏らは、インフリキシマブもしくはベドリズマブ治療中のIBD患者に対し、2種類の新型コロナワクチン接種後の抗体価を比較。その結果、インフリキシマブ治療患者では、ベドリズマブと比べワクチン単回接種後の抗体価が有意に低かった。

ファイザー新型コロナワクチン、がん患者ではとくに2回接種を/Lancet Oncol

 がん患者に対する新型コロナワクチンBNT162b2(ファイザー)の安全性と免疫原性をがん患者における評価を目的とした前向き観察研究の結果が発表された。  対象は、2020年12月8日~2021年2月18日に、ロンドンの3つの病院でBNT162b2接種を受けたがん患者と健康成人(主に医療従事者)。複合主要評価項目は、がん患者におけるBNT162b2ワクチンの初回接種後のSARS-CoV-2スパイク(S)タンパク質IgG陽性の割合、2回目(初回から21日後)接種後の同陽性例の割合であった。

FDA、HER2陽性胃がんペンブロリズマブ+トラスツズマブ+化学療法の1次治療迅速承認

 米国食品医薬品局(FDA)は、2021年5月5日、局所進行または転移を有する切除不能HER2陽性胃・胃食道接合部(GEJ)腺がん患者の1次治療に、トラスツズマブ、化学療法(フルオロピリミジン+プラチナ)およびペンブロリズマブの併用を迅速承認した。  この承認は、上記患者の多施設無作為二重盲検プラセボ対照KEYNOTE-811試験の中間解析に基づいたもの。