感染症内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:152

日本人COVID-19死亡例、80代と2型糖尿病併存で最多

 メディカル・データ・ビジョン株式会社(以下、MDV)は、自社診療データベースから新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の死亡事例を調査。その結果、2020年2月~5月までの期間の死亡者は110例(男性:77例 、女性:33例)で、年代別では80代が4割超を占めていることが明らかになった。また、併存疾患では2型糖尿病が最も多かった。  主な結果は以下のとおり。 ・年代別では、90代が17例(15.5%)、80代が48例(43.6%)、70代が33例(30%)、60代が7例(6.4%)、50代が5例(4.5%)だった。100歳以上と40代から下の年齢層はいなかった。

「COVID-19×高血圧」を徹底討論!日本高血圧学会がwebシンポ開催

 COVID-19は依然、収束の兆しが見えず、第2波、第3波を迎え撃つ備えが求められている。日本高血圧学会は8月29日、「高血圧×COVID-19白熱みらい討論」と題し、ライブ配信でシンポジウムを開催する。COVID-19を念頭に置いた新たな高血圧診療のあり方を巡り、各領域のスペシャリストたちが、文字通り白熱した議論を交わす。今回は同学会の学術総会として初の試みとなるウェブ開催であり、参加視聴者とパネリストの垣根を超えたインタラクティブなやり取りも期待できる。参加には事前の予約申し込みが必要で、ウェブの専用ページで8月20日まで受け付けている。

妊娠初期のジカウイルス感染で児の脳・眼の異常が増加/NEJM

 コロンビアでは、2015~16年にジカウイルス感染症(ZVD)のアウトブレイクが発生した。コロンビア・Instituto Nacional de SaludのMartha L. Ospina氏らは、同国内のサーベイランスシステムのデータを用い、ZVDのアウトブレイクが妊娠アウトカムに与えた影響について分析し、乳児/胎児の脳・眼障害有病率はアウトブレイク期間中のほうがアウトブレイク直前や発生後より高く、ジカウイルスRNA検査で陽性が確認された妊婦における乳児/胎児の脳・眼障害有病率は妊娠初期のZVD発症で増加したことを報告した。NEJM誌2020年8月6日号掲載の報告。

新型コロナ、無症状者のウイルス排出量と臨床経過

 無症状の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染者の臨床経過とウイルス量に関する情報は少ない。今回、韓国・天安の地域治療センターに隔離されたSARS-CoV-2感染者のコホート研究で、感染者のウイルス排出を定量的に調べたところ、多くの感染者が長期間無症状で、無症状者のウイルス量は有症状者と同等であることが示唆された。報告した韓国・Soonchunhyang University Seoul HospitalのSeungjae Lee氏らは、この結果から「SARS-CoV-2の蔓延を防ぐために、無症状感染者の隔離が必要」としている。JAMA Internal Medicine誌オンライン版2020年8月6日号に掲載。

COVID-19に有効な薬剤は?RCT23報のメタ解析/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者への薬物治療の有効性について比較検討したところ、グルココルチコイド投与は標準治療と比べて、死亡率および人工呼吸器リスクを減少する可能性が示されたという。カナダ・マックマスター大学のReed A. C. Siemieniuk氏らが、米国疾病予防管理センター(CDC)のCOVID-19試験結果データベースを基に、システマティック・レビューとネットワークメタ解析を行い明らかにした。なお、有症状期間を短縮する可能性がある薬物治療として、ヒドロキシクロロキン、レムデシビル、ロピナビル・リトナビルが挙げられたが、著者は、「ほとんどの試験が小規模でエビデンスの質は低く、治療薬の有効性については確定できないままだ」と述べている。BMJ誌2020年7月30日号掲載の報告。

COVID-19罹患の精神疾患患者に対する推奨治療

 精神疾患患者における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のマネジメントでは、とくに薬物相互作用に関して、いくつかの課題がある。スペイン・バルセロナ大学のG. Anmella氏らは、COVID-19に罹患した精神疾患患者に関する代表的な3つのケースと、既知の文献およびコンサルテーション・リエゾン精神科の専門家チームの臨床経験に基づいた実践的なアプローチの報告を行った。Journal of Affective Disorders誌2020年9月1日号の報告。

COVID-19、小児は軽症でもウイルス量が成人の10~100倍

 子供がCOVID-19に罹患した場合、一般的には成人に比べて比較的軽度の症状を示す。米国・イリノイ州シカゴAnn & Robert H. Lurie Children's HospitalのTaylor Heald-Sargent氏らが、軽~中等症のCOVID-19患者におけるウイルス量を年齢との相関で調べたところ、5歳未満の小児では症状が軽くてもウイルス保有量が多く、とくに上気道から検出されたSARS-CoV-2は成人の10~100倍にも相当することがわかった。JAMA Pediatrics誌オンライン版2020年7月30日号のリサーチレターに掲載。  本研究では、2020年3月23日~4月27日の期間、シカゴの3次医療機関においてCOVID-19の症状発症から1週間以内の入院および外来、救急部門、ドライブスルーで収集された145例の鼻咽頭スワブから検体を採取し、PCR検査を実施。cycle threshold(Ct)値を記録し、SARS-CoV-2 RNAウイルス量を評価した。

COVID-19へのヒドロキシクロロキン、AZM併用でも臨床状態改善せず/NEJM

 軽症~中等症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の入院患者の治療において、標準治療にヒドロキシクロロキン(HCQ)単剤またはHCQ+アジスロマイシン(AZM)を併用しても、標準治療単独と比較して15日後の臨床状態を改善しないことが、ブラジル・HCor Research InstituteのAlexandre B. Cavalcanti氏らが行った「Coalition COVID-19 Brazil I試験」で示された。研究の詳細は、NEJM誌オンライン版2020年7月23日号に掲載された。HCQは、in vitroで抗ウイルス作用が確認され、小規模な非無作為化試験において、AZMとの併用で重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2型(SARS-CoV-2)のウイルス量を減少させると報告されている。これらの知見に基づき、HCQはCOVID-19患者の治療に用いられているが、安全性や有効性のエビデンスは十分ではないという。

米国学校閉鎖でCOVID-19罹患率・死亡率が約6割減/JAMA

 米国で2020年3月9日~5月7日にわたった州レベルの学校閉鎖が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の罹患率と死亡率を一時的に減少したことが明らかにされた。閉鎖が早かった州では、累積罹患率が低い時点で学校閉鎖を行った場合ほど、相対的減少率が大きかったという。米国・シンシナティ小児病院のKatherine A. Auger氏らが、全米50州について行った観察試験の結果で、JAMA誌オンライン版2020年7月29日号で発表した。なお、結果について著者は、「減少には、同時期の他の非薬物的介入が関連している可能性は捨てきれない」と述べている。

COVID-19治癒後、8割に心臓MRIで異常所見

 最近COVID-19が治癒した100例におけるコホート研究で、心臓MRI(CMR)により78%に心臓病併発、60%に進行中の心筋炎症が認められたことを、ドイツ・フランクフルト大学病院のValentina O. Puntmann氏らが報告した。また、これらは既往歴、COVID-19の重症度や全体的な経過、診断からの期間とは関連がなかったことという。JAMA Cardiology誌オンライン版2020年7月27日号に掲載。  COVID-19の心血管系への影響は症例報告では示唆されているが、全体的な影響は不明だった。今回、著者らはCOVID-19が最近治癒した患者の心筋障害の存在を調査するために、2020年4~6月にフランクフルト大学病院COVID-19レジストリにおいて、COVID-19が最近治癒した100例を対象とした前向き観察コホート研究を実施した。COVID-19の治癒については、上気道スワブのRT-PCR検査でSARS-CoV-2消失とした。人口統計学的特徴、心臓の血中マーカー、CMRについて、年齢と性別を一致させた健康ボランティアの対照群(n=50)と危険因子を一致させた患者の対照群(n=57)と比較した。