感染症内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:240

中国でのH7N9感染、家禽市場閉鎖がヒトへの感染予防に効果/Lancet

 中国での鳥インフルエンザA(H7N9)のヒトへの感染について、家禽市場の閉鎖によって大きな抑制効果が上がることを、中国疾病管理予防センター(CDC)のHongjie Yu氏らが報告した。感染者データを基に分析を行い明らかにしたもので、著者は「生きた家禽やヒトへのH7N9の感染が認められた場合には、ただちに家禽市場を閉鎖すべきである」と報告をまとめている。上海では2013年3月31日に、H7N9の最初の確定感染者が報告され、4月に家禽市場を閉鎖していた。Lancet誌オンライン版2013年10月31日号掲載の報告より。

CV-A6感染の非定型手足口病、既往皮膚病変の拡大が特徴

 急性ウイルス性疾患の手足口病は、一般にコクサッキーウイルス(CV)-A16またはエンテロウイルス(EV)71感染により発症するが、近年、CV-A6が関連した非定型手足口病が報告されるようになっている。米国・エール大学のJason P. Lott氏らは、その臨床像および検査結果の特徴などを報告した。Journal of the American Academy of Dermatology誌2013年11月号(オンライン版2013年9月10日号)の掲載報告。

汚染メチルプレドニゾロン注射による真菌感染症、詳細が明らかに/NEJM

 米国で発生した汚染されたメチルプレドニゾロン酢酸エステル注射が原因の真菌感染症集団発生の患者について詳細が報告された。末梢関節感染が認められない人のうち、中枢神経系感染症は81%であり、また、E. rostratum(エクセロヒルム・ロストラツム)が検出されたのは36%だったことなどが明らかにされた。米国疾病管理予防センター(CDC)のTom M. Chiller氏らが、症例数が最も多かった6州の患者の診療記録を調査し明らかにしたもので、NEJM誌2013年10月24日号で発表した。なお、主な集団発生関連病原体のE. rostratumが原因の感染症については、その詳細はあまり明らかになっていないのが現状だという。

洗口剤や歯周病治療の併用で胃内H.pylori除菌率UP

 アモキシシリン/エソメプラゾール/レボフロキサシン3剤併用療法による胃内ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori、以下HP)除菌療法は、洗口剤や歯周病治療を併用し、口腔内HP感染率を減少させることで、胃内HP除菌率が有意に高まることが、中国医科大学附属盛京医院のHan-Yi Song氏らによる研究で明らかになった。World journal of gastroenterology誌2013年10月21日号の報告。

インフルエンザワクチン接種者で心血管イベント減少/JAMA

 心血管疾患リスクの高い患者に対するインフルエンザワクチンの接種により、心血管イベントが抑制されることが、カナダ・トロント大学のJacob A Udell氏らの検討で示された。非古典的な心血管リスク因子のうち、気道感染症の原因となるインフルエンザやインフルエンザ様感染が、致死的および非致死的なアテローム血栓性イベントと関連することが指摘されている。また、インフルエンザワクチン接種により心血管イベントが抑制されることが、いくつかの疫学試験で示唆されている。JAMA誌2013年10月23日号掲載の報告。

MRSA陽性の皮膚・軟部組織感染症患者、4分の1がMSSAに移行

 皮膚・軟部組織感染症(SSTI)でかつメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)陽性患者のうち、メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)に移行する患者が顕著な頻度で存在することが、米国・オレゴン健康科学大学のAnisha B. Patel氏らによる外来・入院該当患者の後ろ向き調査研究の結果、明らかになった。215例のうち25.6%がMSSAに移行していたという。JAMA Dermatology誌2013年10月号の掲載報告。

臨床スコアに基づく抗菌薬処方、症状と抗菌薬使用を抑制/BMJ

 プライマリ・ケアにおいて、レンサ球菌感染を予測する臨床スコアに基づく抗菌薬処方は、症状のコントロールを改善し抗菌薬の使用を減少させることが、英国・サウサンプトン大学のPaul Little氏らが実施したPRISM試験で示された。プライマリ・ケアでは、急性咽頭炎患者のほとんどに抗菌薬が処方されている。抗菌薬使用の可否や薬剤の選定には、迅速抗原検査や臨床スコアが使用されることが多いが、これを支持する強固なエビデンスはこれまでなかったという。BMJ誌オンライン版2013年10月10日号掲載の報告。

ストレス潰瘍の予防薬と心臓外科患者における院内肺炎のリスク:コホート研究(コメンテーター:上村 直実 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(141)より-

 本論文では、米国の約500病院からの患者データが集積されているPremier Research Databaseを用いた後ろ向きコホート研究において、冠動脈バイパス術(CABG)の術後早期にストレス潰瘍の予防目的で投与された胃酸分泌抑制薬と術後院内肺炎の発症について検討した結果、プロトンポンプ阻害薬(PPI)使用群の術後の肺炎リスクがH2ブロッカー(H2RA)使用群に比べて有意に高いと結論されている。

成人市中肺炎のリスクとなるライフスタイル・基礎疾患は?

 市中肺炎は、成人、とくに高齢者において高い罹患率および死亡率をもたらす。スペイン・バルセロナ大学のAntoni Torres氏らは、PubMedの構造化検索により、欧州における成人市中肺炎発症率の最新データとライフスタイルや市中肺炎の危険因子に関するデータを同定し、成人市中肺炎のリスク増加と喫煙などのライフスタイル因子や基礎疾患との関連を検討した。Thorax誌2013年11月号に掲載報告。