感染症内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:33

イラン産の新型コロナワクチン、有用性は?/BMJ

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する不活化全ウイルス粒子ワクチンBIV1-CovIran(イラン・Shifa-Pharmed Industrial Group製)の2回接種は、有効率が症候性新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対して50.2%、重症化に対して70.5%、重篤化に対して83.1%であり、忍容性も良好で安全性への懸念はないことを、イラン・テヘラン医科大学のMinoo Mohraz氏らが多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験の結果で報告した。BIV1-CovIranは、第I相および第II相試験において、安全で免疫原性のあるワクチン候補であることが示されていたが、症候性感染や重症化/重篤化あるいはCOVID-19による死亡に対する有効性は、これまで評価されていなかった。BMJ誌2023年9月21日号掲載の報告。

複雑性黄色ブドウ球菌菌血症へのceftobiprole、ダプトマイシンに非劣性/NEJM

 複雑性黄色ブドウ球菌菌血症の成人患者において、ceftobiproleはダプトマイシンに対し、全体的治療成功に関して非劣性であることが示された。米国・デューク大学のThomas L. Holland氏らが、390例を対象に行った第III相二重盲検ダブルダミー非劣性試験の結果を報告した。ceftobiproleは、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)などの複雑性黄色ブドウ球菌菌血症の治療に効果的である可能性が示されていた。NEJM誌オンライン版2023年9月27日号掲載の報告。  研究グループは、複雑性黄色ブドウ球菌菌血症の成人被験者を無作為に2群に分け、一方の群にはceftobiprole(500mgを静脈内投与、8日間は6時間ごと、その後は8時間ごと)、もう一方の群にはダプトマイシン(6~10mg/kg体重を静脈内投与、24時間ごと)を投与し、ダプトマイシン群では必要に応じてアズトレオナムも投与した。

ノーベル生理学・医学賞、mRNAワクチン開発のカリコ氏とワイスマン氏が受賞

 2023年のノーベル生理学・医学賞は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの開発を可能にしたヌクレオシド塩基修飾の発見に対して、カタリン・カリコ(Katalin Kariko)氏とドリュー・ワイスマン(Drew Weissman)氏に授与することを、スウェーデン・カロリンスカ研究所のノーベル委員会が10月2日に発表した。カリコ氏とワイスマン氏の画期的な発見は、mRNAがヒトの免疫系にどのように相互作用するかという理解を根本的に変え、人類に対して最大の脅威の1つとなったCOVID-19パンデミックにおいて、前例のないワクチン開発に貢献した。授賞式は12月10日にストックホルム市庁舎にて開催される。

XBB.1.5対応コロナワクチン、新規剤形を申請/ファイザー

 ファイザーとビオンテックは9月29日付のプレスリリースにて、オミクロン株XBB.1.5系統対応新型コロナウイルス感染症(COVID-19)1価ワクチンの新規の剤形について、厚生労働省に承認申請したことを発表した。  今回申請した新規の剤形は以下のとおり。 ・12歳以上用:プレフィルドシリンジ製剤(希釈不要) ・5~11歳用:1人用のバイアル製剤(希釈不要) ・6ヵ月~4歳用:3人用のバイアル製剤(要希釈)  また、12歳以上用の1人用バイアル製剤(希釈不要)については2023年9月1日に承認を取得している。  これらの製剤は2024年以降の接種に向けたものであり、2023年9月開始の予防接種法上の特例臨時接種において使用されることはない。

日本人は肥満が重症コロナ転帰不良のリスク因子でない?

 アジア人の肥満は、人工呼吸器を要する重症新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者において、転帰不良のリスク因子ではないことを示唆するデータが、国内多施設共同研究の結果として報告された。東京医科大学病院救命救急センターの下山京一郎氏らによる論文が、「Scientific Reports」に7月24日掲載された。  COVID-19パンデミックの比較的初期の段階で、肥満が重症化リスク因子の一つであると報告された。しかし重症化して人工呼吸器を要した患者において、肥満が予後に影響を与えるのかは未解明であった。また、アジア人においては大規模なコホート研究がされておらず、知見がより少ない。これを背景として下山氏らは、国内のCOVID-19治療に関するレジストリである「J-RECOVER」のデータを用いた過去起点コホート研究により、ICUに収容され人工呼吸器を要した患者の転帰に肥満が関与しているか否かを検討した。J-RECOVERは国内66施設が参加して実施され、2020年1~9月に退院したCOVID-19症例4,700件の診療報酬包括評価(DPC)データや治療転帰などの情報が登録されている。

新型コロナBA.2.86「ピロラ」、きわめて高い免疫回避能/東大医科研

 2023年9月時点、新型コロナウイルスの変異株は、オミクロン株XBB系統のEG.5.1が世界的に優勢となっている。それと並行して、XBB系統とは異なり、BA.2の子孫株のBA.2.86(通称:ピロラ)が8月中旬に世界の複数の地域で検出され、9月下旬時点で、主に南アフリカにおいて拡大し、英国やヨーロッパでも広がりつつある。BA.2.86は、BA.2と比較して、スパイクタンパク質に30ヵ所以上の変異が認められる。世界保健機構(WHO)は、BA.2.86を「監視下の変異株(VUM)」に指定した。東京大学医科学研究所の佐藤 佳氏らの研究コンソーシアム「The Genotype to Phenotype Japan(G2P-Japan)」は、BA.2.86の流行拡大のリスク、ワクチンやモノクローナル抗体薬の効果を検証し、その結果がThe Lancet Infectious Diseases誌オンライン版2023年9月18日号に掲載された。

フルチカゾン、コロナ軽~中等度の症状回復に効果なし/NEJM

 軽症~中等症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)外来患者をフルチカゾンフランカルボン酸エステル吸入薬で14日間治療しても、プラセボと比較して回復までの期間は短縮しないことが、無作為化二重盲検プラセボ対照プラットフォーム試験「ACTIV-6試験」の結果で示された。米国・ミネソタ大学のDavid R. Boulware氏らが報告した。軽症~中等症のCOVID-19外来患者において、症状消失までの期間短縮あるいは入院または死亡回避への吸入グルココルチコイドの有効性は不明であった。NEJM誌2023年9月21日号掲載の報告。

1型糖尿病リスクの高い小児、コロナ感染で発症しやすいか/JAMA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行の時期に、小児で糖尿病の増加が観察されている。ドイツ・ドレスデン工科大学のMarija Lugar氏らは、「GPPAD試験」において、1型糖尿病の遺伝的リスクが高い小児では、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)抗体が検出されなかった場合と比較して、検出された集団は膵島自己抗体の発生率が高く、とくに生後18ヵ月未満でリスクが増大していることを明らかにした。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2023年9月8日号に掲載された。

ファストドクター、コロナ後遺症の専門オンライン診療を開始

 医療プラットフォーム「ファストドクター」は8月末からコロナ後遺症専門のオンライン診療サービスをスタートした。ファストドクターは2016年にスタートした在宅医療のデジタルプラットフォーム。主な事業として、夜間・休日医療の1)救急相談、2)救急往診・オンライン診療、3)かかりつけ医連携機能を担う。一般的な利用スタイルとしては、患者からの連絡で電話相談を受け、必要に応じて登録医師とマッチング、オンライン診療もしくは救急往診で対応、という流れとなる。

特定のワクチン接種でアルツハイマー病リスクが低下する可能性

 特定の成人用ワクチンには、アルツハイマー病の発症リスクを低下させる効果があるようだ。帯状疱疹ワクチン、肺炎球菌ワクチン、破傷風およびジフテリアの二種混合(Td)ワクチン、またはこれらに百日咳を加えた三種混合(Tdap)ワクチンを接種した人では、これらのワクチンを接種していない人と比べて、アルツハイマー病の発症リスクが25~30%低下していたことが、米テキサス大学健康科学センターのPaul Schulz氏らによる研究で明らかにされた。詳細は、「Journal of Alzheimer's Disease」に8月7日掲載された。  Schulz氏らは2022年に、インフルエンザワクチンを1回以上接種した成人では、同ワクチンを接種したことのない成人と比べてアルツハイマー病を発症するリスクが40%低下していたとする研究結果を報告していた。Schulz氏は、「今回の研究データから、その他にもいくつかの成人用ワクチンがアルツハイマー病発症リスクの低下に関連していることが明らかになった」と説明している。