75歳以上の日本人高齢者を対象に、歯科健診の結果と嚥下機能との関連を調べる縦断的研究が行われた。その結果、歯周ポケットの深さが4mm以上、硬いものが噛みにくいこと、水やお茶でむせること、口が乾くことは、将来の嚥下機能低下と関連することが明らかとなった。朝日大学歯学部口腔感染医療学講座社会口腔保健学分野の岩井浩明講師、友藤孝明教授らによる研究であり、「International Journal of Environmental Research and Public Health」に5月24日掲載された。
加齢に伴う筋肉量の減少などにより、嚥下機能は低下する。また、ストレスや抑うつなどのメンタルヘルスの問題も嚥下機能低下のリスクであるとされる。口腔の健康状態に関しては、唾液の分泌、残存歯数、歯周病菌などと嚥下機能との関連が報告されている。しかし、口腔に関するどのような要因が、嚥下機能低下につながるのかは明らかになっていない。