内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:492

認知症患者、PPIで肺炎リスクが9割上昇

 台湾・中山医学大学のSai-Wai Ho氏らの後ろ向きコホート研究により、認知症患者においてプロトンポンプ阻害薬(PPI)の使用により肺炎発症リスクが89%上昇したことが報告された。Journal of the American Geriatrics Society誌2017年7月号に掲載。  著者らは、台湾国民健康保険研究データベースを用いて、新規にPPIを使用した認知症患者786例およびこれらの患者とマッチさせた PPI使用のない認知症患者786例について肺炎の発症を調べた。肺炎リスクはCox比例ハザードモデルを用いて推定し、defined daily dosage(DDD:成人の想定平均1日用量)を用いて、PPIの累積用量-反応関係を評価した。

早期改善が最も期待できる抗うつ薬は

 抗うつ薬治療の最初の2週間でうつ症状を早期に改善することは、うつ病患者のその後の良好な治療アウトカムを予測するレジリエンスシグナルであるといわれている。しかし、早期改善の予測値は研究間で異なっており、異なる抗うつ薬の使用が影響している可能性がある。ドイツ・ヨハネス・グーテンベルク大学マインツのStefanie Wagner氏らは、うつ病患者における将来の治療反応や寛解に対する早期改善の予測値を評価し、早期改善の可能性が最も高い抗うつ薬を特定するため検討を行った。Journal of psychiatric research誌オンライン版2017年7月4日号の報告。

整形内科が診る腰痛、肩こり、五十肩

 2017年7月2日、コニカミノルタジャパン株式会社 ヘルスケアカンパニーは、都内において白石 吉彦氏(島根県 隠岐島前病院 院長)を講師に迎え、「外来超音波診療-腰痛 肩こり 五十肩のみかた-」をテーマに医師向けのセミナーを開催した。当日は、全国から100名近い医師が参加した。セミナーでは、事前アンケートで要望の多かった「腰痛、肩こり、五十肩」の3つに焦点をあて、動作分析による発痛源検索、超音波検査(以下「エコー」)を使用した圧痛点の確認方法、エコーでの筋肉同定、エコーガイド下注射の手技、針先描出などが説明された。

高齢糖尿病患者の降圧薬アドヒアランスと効果の関連

 米国Kaiser Permanente Institute for Health ResearchのMarsha A. Raebel氏らによる約13万例の高齢糖尿病患者の後ろ向きコホート研究で、85歳以上もしくは複数の併存疾患を持つ糖尿病患者では、アンジオテンシン変換酵素阻害薬/アンジオテンシンII受容体遮断薬(ACEI/ARB)の服薬アドヒアランスと血圧低下が関連しないことが示された。一方、スタチンのアドヒアランスはLDLコレステロール(LDL-C)の低下と関連していた。Pharmacotherapy誌オンライン版2017年7月28日号に掲載。

米国、電子タバコ利用増で禁煙率上昇/BMJ

 過去15年間の米国成人喫煙者における電子タバコ使用の大幅な増加が、国民レベルの禁煙率上昇と統計的に有意に関連していることが、米国・カリフォルニア大学のShu-Hong Zhu氏らの検討で明らかになった。著者は「電子タバコの規制政策の立案やタバコのコントロール介入計画において、慎重な検討を要する所見だといえる」とまとめている。BMJ誌2017年7月26日号掲載の報告。

2次予防のLDL-C管理が厳格に―動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017

 日本動脈硬化学会が、先般「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」を改訂した。2012年から5年ぶりとなる。今回の改訂のポイントとしては、従来、NIPPON DATE80を使用していた絶対リスク評価を吹田スコアに変更したことと、動脈硬化性疾患の2次予防のLDL-C管理目標値が100mg/dLから70mg/dLに変更され、より厳格化されたことなどが挙げられる。  以下、主だった改訂点を紹介する。

認知症の睡眠障害、その悪影響は

 睡眠障害の症状は、アルツハイマー病(AD)患者において、共通して認められる。しかし、AD患者の睡眠障害症状が、介護者の負担やQOLに及ぼす影響については、あまり知られていない。米国・ペンシルベニア大学のPhilip Gehrman氏らは、AD患者の睡眠障害の罹患率を明らかにし、介護者の負担やQOLを予測する症状を特定するため検討を行った。また、患者の睡眠障害の症状が介護者に及ぼす影響を他の介護者と比較し、介護者のQOLを予測する際の患者の特徴について検討を行った。Geriatric nursing誌オンライン版2017年7月3日号の報告。

中年期のBMIと認知症リスク~59万人のメタ解析

 スイス・ジュネーブ大学のEmiliano Albanese氏らが、中年期のBMIと認知症との関連について、相反する19研究における約59万人のメタ解析を行った結果、中年期の肥満が認知症リスクを増加させることが示された。一方、低体重と認知症との関連性は依然として議論の余地があるとしている。Alzheimer's & dementia誌2017年6月20日号に掲載。

都道府県間で広がる健康格差/Lancet

 東京大学大学院医学系研究科主任教授の渋谷 健司氏らによる「日本の都道府県別の疾病負荷研究(1990~2015年)」の結果が、Lancet誌オンライン版2017年7月19日号で発表された(筆頭著者は同大学助教の野村 周平氏)。1990~2015年に日本では、総じて大半の重大疾患による死亡率や身体的障害発生の低下に成功した一方で、ゆっくりとだが都道府県間の健康格差は進んでいることが明らかになった。その原因については、各都道府県間の保健システムの主なインプット(医療費、医療従事者数など)と健康アウトカムに有意な関連を見いだすことはできなかったとして、著者は「保健システムのパフォーマンス(医療の質など)を含む評価を早急に行い、都道府県格差を生み出している要因を明らかにする研究が必要である」と提言している。