神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:160

「抗てんかん薬による自殺リスク」どう対応すべきか?

 2008年にFDAより、抗てんかん薬服用中の患者における自殺リスクの増加について注意喚起がなされた。てんかん患者の標準化死亡比は5.1と報告されているが(95%CI:3.9~6.6)、これには精神疾患の合併なども影響していると考えられる。イタリア・トリニティ病院のMarco Mula氏らは、てんかん患者の気分障害の現象学や抗てんかん薬の向精神作用を考慮に入れたうえで、てんかん、自殺、抗てんかん薬における相互作用について検討を行った。Bipolar disorders誌オンライン版2013年6月12日号の報告。

たった2つの質問で認知症ルールアウトが可能

 スペイン・ミシェル・セルヴェ大学病院のTirso Ventura氏らは、年齢と誕生日を尋ねる2つの単純な質問が、臨床において概して認知症をルールアウトするのに有効であるという仮説について検証した。その結果、特異度および陰性適中率がほぼ100%近かったことが明らかになった。感度は約61%、陽性適中率は約45%であった。これらの結果を踏まえて著者は、「この単純な質問テストは現在までに報告された最善の方法であり、認知症のルールアウトに用いることが普遍化されるかもしれない」と述べている。Journal of the American Medical Directors Association誌オンライン版2013年6月15日号の掲載報告。

難治性の部分発作を有する日本人てんかん患者へのLEV追加の有用性は?

 田中脳神経外科クリニック(鹿児島)の田中 滋也氏らは、難治性部分発作てんかんの治療にレベチラセタム(LEV、商品名:イーケプラ)を追加した場合の有用性を検討することを目的に観察研究を行った。その結果、LEVの追加は安全性に大きな影響を及ぼすことなく、有意な効果が得られることを報告した。結果を踏まえて著者は「難治性部分発作を有する患者に対して、本治療レジメンは推奨できると考えられる」と結論している。Epileptic Disorders誌オンライン版2013年6月17日号の掲載報告。

小児てんかん患者、最大の死因は?

 米国・ルリー小児病院(シカゴ)のAnne T. Berg氏らは、小児てんかん患者の死因とリスクについて検討を行った。その結果、神経障害または脳の基礎疾患を有するてんかんの場合は一般人口に比べて死亡率が有意に高いこと、発作関連の死亡よりも、むしろ肺炎または他の呼吸器疾患による死亡のほうが多いことを報告した。Pediatrics誌オンライン版2013年6月10日号の掲載報告。

せん妄はレビー小体型認知症のサイン?!

 英国・ニューカッスル大学のEmma Vardy氏らは、せん妄と認知症各タイプとの関連について調べた結果、レビー小体型認知症との結びつきが高い可能性があることを報告した。せん妄は、認知症においては共通してみられ、認知症リスクの増大との関連が知られる。しかし、特定タイプの認知症リスクを増大するのかについては不明であった。International Journal of Geriatric Psychiatry誌オンライン版2013年5月31日号の掲載報告。

中国の認知症患者919万人、罹患率は1,000人・年当たり9.87/Lancet

 オーストラリア・メルボルン大学のKit Yee Chan氏らGlobal Health Epidemiology Reference Group(GHERG)は、中国の認知症患者研究に関する直近20年間(1990~2010年)の発表論文をシステマティックレビュー解析した結果、同患者数は1990年時点では368万人であったが、2010年現在919万人と推定されることを発表した。WHOの2012認知症報告に収載されているのは1984~2004年のデータを踏まえたものであることから、研究グループは今回の結果を踏まえて「中国の認知症疾患負荷について過小評価されている可能性がある。認知症疾患負荷は、国際的な保健共同体が考えているより急速に増大しているようだ」と指摘。そのうえで「政府は速やかに効果的な低・中間所得層への認知症対策に取り組まなければならない」とメッセージを発している。Lancet誌2013年6月8日号掲載の報告より。

帯状疱疹後神経痛、認知障害回避には局所疼痛治療が有益

 フランス・Centre de Pharmacologie CliniqueのGisele Pickering氏らは、帯状疱疹後神経痛を有する高齢患者について、痛みが及ぼすいくつかの認知領域への影響について検討した。その結果、疼痛といくつかの認知障害との関連、および疼痛治療に関して全身性治療は認知障害と関連していること、一方で局所治療は認知機能を障害することなく疼痛治療に有益であることを明らかにした。

治療介入により認知症発症率はどこまで減らせるか?

 今後、認知症患者数は平均寿命の延長に伴い、飛躍的に増加することが予想されている。いくつかの研究では、糖尿病や高血圧といった介入可能なリスクファクターを制御することで、認知症の発症率が減少することも示唆されている。しかし、これら血管系の要因を治療することは死亡リスクを減少させるが、そのような公衆衛生介入が認知症の有病率に及ぼす実際の影響に関しては不明なままである。フランス・ボルドー・セガレン大学のHelene Jacqmin-Gadda氏らは、フランスにおける将来の認知症有病率を予測し、また認知症の危険因子を標的とする公衆衛生介入が、認知症有病率に影響を及ぼすかを評価した。European journal of epidemiology誌オンライン版2013年6月12日号の報告。

認知機能トレーニング/リハビリテーションはどの程度有効なのか?

 認知機能障害、とくに記憶障害は、アルツハイマー病(AD)および脳血管性認知症の早期ステージを規定する特徴であり、認知機能トレーニングおよび認知機能リハビリテーションは、それらの障害に特異的な介入アプローチである。オーストラリア国立大学のAlex Bahar-Fuchs氏らは、その有効性や介入がもたらす影響についてアップデートレビューを行った。Cochrane database of systematic reviewsオンライン版2013年6月5日掲載の報告。