神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:58

J&Jコロナワクチン、ギラン・バレー症候群発症が約4倍/JAMA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するAd26.COV2.Sワクチン(Janssen/Johnson & Johnson製)の接種により、ギラン・バレー症候群の発症リスクがわずかではあるものの統計学的に有意に高まることが、米国食品医薬品局(FDA)のEmily Jane Woo氏らの解析で明らかとなった。FDAは、承認後安全性サーベイランスにおいてAd26.COV2.Sワクチン接種後のギラン・バレー症候群発症に関し懸念を示していた。なお、著者は今回の結果について、「受動的な報告システムと推定症例の定義の限界があり、確定診断を下すための医療記録の分析が終わるまでは予備的なものと考えなければならない」との見解を述べている。JAMA誌オンライン版2021年10月7日号掲載の報告。

日本の介護施設の認知症高齢者における向精神薬および抗コリン薬の使用状況

 医療経済研究機構の浜田 将太氏らは、日本の主要な介護施設の1つである介護老人保健施設に入所している認知症高齢者を対象に、向精神薬および抗コリン薬の処方および中止の状況を評価するため、コホート研究を実施した。BMJ Open誌2021年4月8日号の報告。  2015年、日本の介護老人保健施設3,598施設を対象にアンケート調査を実施した(施設ごとにランダムに選択された入所者最大5例)。アンケート回収は、343施設(回答率10%)より得られ、入所者1,201例が含まれた。標準化された尺度を用いて、認知症の有無および重症度を評価した。入所時および入所2ヵ月後の向精神薬および抗コリン薬の処方状況を評価した。入所者のベースライン特性と処方または中止との関連を評価するため、多変量ロジスティック回帰分析を用いた。

治療抵抗性片頭痛患者に対するフレマネズマブ治療がQOLや生産性に及ぼす影響

 片頭痛は、うつ病のみならず、QOLや仕事の生産性へ影響を及ぼす疾患である。ヒト化モノクローナル抗体であるフレマネズマブは、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を標的とした薬剤であり、片頭痛の予防的治療に対する有効性が認められている。米国・Boston Headache Institute & MedVadis Research CorporationのEgilius L. H. Spierings氏らは、第IIIb相FOCUS試験のオープンラベル延長試験において患者が報告したアウトカムを、経時的に評価した。Headache誌オンライン版2021年8月10日号の報告。

レビー小体型認知症の前段階における精神病理学的特徴

 レビー小体型認知症(DLB)では、発症前に幻覚、抑うつ症状、緊張病症状、認知機能障害、妄想など、さまざまな精神症状の出現が高率で認められる。しかし、前段階DLBで認められるこれらの精神症状の特徴は、よくわかっていない。砂川市立病院の内海 久美子氏らは、顕著な認知機能障害が出現する前の前段階DLB患者における精神病理学的特徴を明らかにするため、検討を行った。Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版2021年8月24日号の報告。  認知症ではなく重度の精神症状を発症したが、長期観察後にDLBと診断された前段階DLB患者21例を対象に精神病理学的特徴を分析した。DLBの確認は、シンチグラフィの示唆的および支持的なバイオマーカーを用いて行った。

認知症予防に対するビタミンB摂取~メタ解析

 ホモシステインレベルの上昇は、認知症のリスク因子として確立されているが、ビタミンBを介したホモシステインレベルの低下が認知機能改善につながるかは、よくわかっていない。中国・首都医科大学のZhibin Wang氏らは、ビタミンBの摂取が認知機能低下や認知症発症リスクを減少させるかについて、調査を行った。Nutrition Reviews誌オンライン版2021年8月25日号の報告。  2020年3月1日までに公表された文献をPubMed、EMBASE、Cochrane Library、Web of Scienceよりシステマティックに検索した。ビタミンB摂取による認知機能低下への影響を調査したランダム化臨床試験(RCT)、食事によるビタミンB摂取と認知症発症リスクに関するコホート研究、ビタミンBとホモシステインレベルの違いを比較した横断的研究を含めた。2人のレビュアーが独立してデータを抽出し、研究の質を評価した。不均一性の程度に応じてランダム効果モデルまたは固定効果モデルを用いて、平均差(MD)、ハザード比(HR)、オッズ比(OR)を算出した。

片頭痛患者の機能障害に対する抗CGRP抗体の効果~メタ解析

 成人片頭痛患者に関連する障害への抗カルシトニン遺伝子関連ペプチド(抗CGRP)モノクローナル抗体の効果を調査するため、インド・IQVIAのPrashant Soni氏らは、ランダム化比較試験のシステマティックレビューおよびネットワークメタ解析を実施した。The Clinical Journal of Pain誌オンライン版2021年8月23日号の報告。  2020年5月までに報告された文献をMEDLINE、Embase、Cochrane Central Register of Controlled Trialsより検索し、臨床試験レジストリの追加レビューを行った。頭痛関連の障害を評価するための片頭痛障害評価(MIDAS)スコアのベースラインからの変化を評価した。ネットワークメタ解析は、OpenBUGSとRを用いてベイズフレームワークで実施し、治療効果比較の研究間の不均一性を考慮し、変量効果モデルを用いた。

ポンぺ病の新治療薬が製造販売承認を取得/サノフィ

 サノフィ株式会社は、2021年9月27日にポンペ病の効能または効果でアバルグルコシダーゼアルファ(商品名:ネクスビアザイム点滴静注用100mg)が製造販売承認を取得したと発表した。同社では、ポンペ病(糖原病II型)において、乳児型ポンペ病および遅発型ポンペ病の新たな標準治療となる可能性に期待を寄せている。  ポンペ病は、ライソゾーム酵素の1つである酸性α-グルコシダーゼ(GAA)の遺伝子の異常によりGAA活性の低下または欠損が原因で生じる疾患で、複合多糖(グリコーゲン)が全身の筋肉内に蓄積する。このグリコーゲンの蓄積が、不可逆的な筋損傷を引き起こし、肺を支える横隔膜などの呼吸筋や、運動機能に必要な骨格筋に影響を及ぼすことで運動機能や呼吸機能の低下をもたらす希少疾患。世界でのポンペ病の患者数は5万人と推定され、乳児期から成人後期のいずれの時期においても発症する可能性がある。

早期パーキンソン病、イノシンによる尿酸値上昇に効果なし/JAMA

 早期パーキンソン病(PD)と診断された患者において、イノシンはプラセボと比較して臨床的疾患進行率に差は認められず、早期PDに対する治療法としてイノシンの使用を支持しない。米国・マサチューセッツ総合病院神経変性疾患研究所のMichael A. Schwarzschild氏らParkinson Study Group SURE-PD3 Investigatorsが、無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験「SURE-PD3試験」の結果を報告した。尿酸値の上昇は、臨床的には痛風などの結晶性疾患、心血管障害、代謝障害と関連している一方で、前向き疫学研究では血清尿酸値の上昇がPDのリスク低下要因となることや、早期PDでは血清尿酸値高値が進行を遅らせることなどが報告され、尿酸塩の代謝前駆体であるイノシンによる疾患修飾治療の可能性が追求されていた。JAMA誌2021年9月14日号掲載の報告。

脳卒中治療ガイドラインが6年ぶりに改訂、ポイントは?

 今年7月、『脳卒中治療ガイドライン2021』が発刊された。2015年の前版(2017年、2019年に追補発行)から6年ぶりの全面改訂ということで、表紙デザインから一新。追補の内容に加え、関連学会による各指針など最新の推奨が全面的に取り入れられている。そこで、脳卒中ガイドライン委員会(2021)の板橋 亮氏(岩手医科大学内科学講座脳神経内科・老年科分野 教授)に、近年目覚ましい変化を遂げる脳梗塞急性期の治療を中心として、主に内科領域の改訂ポイントについて話をうかがった。

反復性片頭痛予防に対するフレマネズマブの有効性~日韓共同第III相試験

 片頭痛の約90%を占める反復性片頭痛に対する予防療法は、現在の利用可能な治療では十分でない。片頭痛の病因に関連するカルシトニン遺伝子関連ペプチド経路を標的とするモノクローナル抗体であるフレマネズマブは、大規模な国際第III相臨床試験において、慢性および反復性片頭痛に対して効果および忍容性が確認されている。埼玉精神神経センターの坂井 文彦氏らは、日本人および韓国人の反復性片頭痛患者に対するフレマネズマブの有効性および安全性について、評価を行った。Headache誌2021年7月号の報告。