慢性硬膜下血腫に対するデキサメタゾンの有効性(解説:中川原譲二氏)-1388
慢性硬膜下血腫は、とくに高齢者に多い通常の神経疾患である。慢性硬膜下血腫患者のアウトカムに対するデキサメタゾンの有効性は、これまで十分な検討がなされていなかった。そこで著者らは、英国の23施設で、無作為化試験「Dexamethasone for Adult Patients with a Symptomatic Chronic Subdural Haematoma trial:Dex-CSDH試験」を実施し、デキサメタゾンの有効性を検討した。著者らは、18歳以上の慢性硬膜下血腫患者を、デキサメタゾン群またはプラセボ群に1対1の割合で無作為に割り付けた。デキサメタゾン群では、1~3日目に8mg、4~6日目に6mg、7~9日目に4mg、10~12日目に2mgをそれぞれ1日2回、13~14日目に2mgを1日1回と、2週間漸減経口投与した。外科的血腫除去術は、主治医の判断により実施された。主要評価項目は無作為化後6ヵ月時の修正Rankinスケール(mRS)スコア(0:症状なし~6:死亡)で、0~3をアウトカム良好と定義し、修正intention-to-treat解析を行った。