腎機能低下2型糖尿病患者においてメトホルミンはSU薬に比べて心血管イベントを減少させる(解説:住谷哲氏)-1161

乳酸アシドーシスに対する懸念から、腎機能低下2型糖尿病患者に対するメトホルミン投与は躊躇されることが多い。しかし現在ではeGFR≧30mL/分/1.73m2であれば、用量調節によりメトホルミンの投与は可能とするのがコンセンサスとなっている。2016年にFDAが勧告したのを受けて本邦でも今年になって添付文書が改訂され、重度腎機能障害eGFR<30mL/分/1.73m2が禁忌であり、中等度腎機能障害eGFR 30~60mL/分/1.73m2は慎重投与となった。しかしこれは乳酸アシドーシス発症に対する安全性に基づいたものであり、中等度腎機能患者に対してメトホルミンを投与することで、心血管イベントなどの真のアウトカムが改善するか否かについての議論ではない。