蒸気滅菌で利用可能、バナナの葉は低コストの優れた創傷被覆材

提供元:ケアネット

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公開日:2013/03/07

 

 バナナの葉は優れた創傷被覆材であることが、ドイツ・エバーハルト・カール大学テュービンゲンのEmmanuella Guenova氏らによる試験の結果、明らかにされた。バナナの葉は、熱帯地域の国では安価かつ優れた利用しやすい包帯材と見なされているという。しかし、これまで創傷被覆材として取り上げた研究はなく、Guenova氏らは、バナナの葉の有益な特性を損なわず滅菌する方法を検討し、創傷被覆材としての価値を検証した。Dermatologic Surgery誌2013年2月号(オンライン版2012年12月10日号)の掲載報告。

 バナナの葉は、天然資源であるためさまざまな病原体による汚染が著しく、使用前にそれらを除去しなければならない。しかし、その有益な特性を損なうことなく効果的に滅菌する方法は明らかになっていない。

 研究グループは、バナナの葉の有益な特性を損なうことなく滅菌する方法について検討することを目的とした。

 主な検討と結果は以下のとおり。

・初めに、バナナの葉の自然のミクロフローラを減らす除染技術について比較検討した。次に、マウス皮膚移植モデルで、バナナの葉の創傷被覆材としての性質を検討し、さらにアフリカ・ウガンダで術後患者において検証した。
・結果、滅菌法としては、蒸気滅菌法が至適な手法であることが実証された。
・バナナの葉の創傷被覆材としての性質は、ワセリン・ガーゼドレッシングと同程度であった。
・臨床設定(アフリカ・ウガンダで術後患者を対象とした)の試験にも成功した。
・バナナの葉は、創傷被覆材として望ましい性質と低コストを兼ね備えており、創傷被覆材の優れた選択肢となることが判明した。

(ケアネット)