生物学的抗リウマチ薬~各製剤における特徴・違いは?

提供元:ケアネット

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公開日:2013/04/22

 

 この数年で、関節リウマチの治療薬として生物学的製剤が次々と発売され、薬剤選択の幅が広がった。その一方で、既存の抗リウマチ薬で効果不十分な関節リウマチ患者に対し、どの生物学的製剤を選択すればよいのか迷うことが多いのではないだろうか。第57回日本リウマチ学会総会・学術集会(4月18~20日、京都)における教育研修講演「関節リウマチにおける生物学的製剤の選択とその使い方」では、生物学的製剤のTNF阻害薬、IL-6遮断薬、CD80/86阻害薬の6製剤について、京都大学医学部附属病院リウマチセンターの藤井隆夫氏が私見を含めそれぞれの特徴を紹介した。

<TNF阻害薬>
■インフリキシマブ(商品名:レミケード)
・バイオフリー寛解の可能性がある
・増量や投与期間短縮が可能
・安定後は2ヵ月おきの点滴でよい
・メトトレキサートとの併用が必須

■アダリムマブ(同:ヒュミラ)
・バイオフリー寛解の可能性がある
・メトトレキサートと同時に開始することが可能

■ゴリムマブ(同:シンポニー)
・月1回皮下注射のため、投与の負担が少ない
・皮下注射量が少なく、痛みが少ない
・免疫原性が比較的低い

■エタネルセプト(同:エンブレル)
・免疫原性が低く、投与継続率が高い
・25~50mg/週で調節可能

<IL-6遮断薬>
■トシリズマブ(同:アクテムラ)
・メトトレキサート依存性が低い
・免疫原性が低い
・hepcidin抑制による貧血の改善
・アミロイド蛋白を抑制
・感染症合併時でも炎症反応が上がりにくい点に注意(日常臨床でカバー可能)

<CD80/86阻害薬>
■アバタセプト(同:オレンシア)
・感染症が少ない
・メトトレキサート依存性が低い
・免疫原性が低く、投与継続性が高い
・ESRやCRPが下がりにくい

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(ケアネット 金沢 浩子)