円形脱毛症に多血小板血漿療法が有望

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2013/09/24

 

 円形脱毛症治療について、多血小板血漿(platelet-rich plasma:PRP)療法が安全で有効な治療選択肢となる可能性が示された。イタリア・国際毛髪研究財団(IHRF)のA. Trink氏らが無作為化二重盲検試験による予備的研究の結果、報告した。円形脱毛症は自己免疫疾患であり、炎症性の脱毛が引き起こされる。治療可能性は限られており、治癒的または予防的治療法はない。PRP療法は、皮膚科領域に新たに登場した治療法であり、発毛に有益な役割を果たす可能性が予備的エビデンスとして示唆されていた。British Journal of Dermatology誌2013年9月号(オンライン版2013年4月22日号)の掲載報告。

 研究グループは、円形脱毛症におけるPRP療法の有効性と安全性を評価するため、頭皮の2分の1において行う、無作為化二重盲検プラセボおよび実薬対照並行群間試験を行った。

 45例の被験者が、頭皮の2分の1に、PRPもしくはトリアムシノロンアセトニド(TrA、商品名:レダコートほか)またはプラセボの病変部注射を受ける群に無作為化された。残る半分の頭皮には治療が行われなかった。

 エンドポイントは、毛髪再生、ダーモスコピーで認められた毛髪形質異常、灼熱感/かゆみ、Ki-67評価による細胞増殖とした。

 主な結果は以下のとおり。

・治療は計3回、1ヵ月間隔で各患者に対して行われ、1年間経過観察された。
・TrA治療群またはプラセボ群と比較して、PRP群は毛髪の再生が有意に増大した。
・また、毛髪形質異常、灼熱感/かゆみは減少し、細胞増殖は有意に増大した。
・治療期間中、有害事象は示されなかった。
・円形脱毛症におけるPRPの有効性を調べる初めての検討である今回の予備的研究において、PRPが安全かつ有効な円形脱毛症治療の選択肢となる可能性が示唆された。さらなる大規模対照試験が求められる。

(ケアネット)