新規抗うつ薬の実力、他剤比較で検証

提供元:ケアネット

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公開日:2014/10/23

 

 新規抗うつ薬であるボルチオキセチン(国内未承認)は多様な作用を有しており、大うつ病性障害(MDD)患者に有効であることが、10件の短期無作為化プラセボ対照試験(2012年に終了)のうち6件で示されている。フランス・Centre Hospitalier UniversitaireのPierre-Michel Llorca氏らは、メタ回帰分析にて、ボルチオキセチンと7種の異なる活性作用を有する抗うつ薬の間接的な比較を行った。結果、ボルチオキセチンは、他の抗うつ薬と類似もしくはより良好な有効性および忍容性をもたらすことが示された。

 研究グループは試験比較を確実なものとするために、プラセボ対照登録試験から試験薬アームとプラセボアームのみを包含して主要解析を行った。主要アウトカムは、有効性(主要エンドポイント[MADRS/HAM-D]のベースライン時から2ヵ月時点までの標準化平均差)、忍容性(有害事象発生による投与中断率)であった。

 主な結果は以下のとおり。

・有効性について、推定治療効果(マイナス値はボルチオキセチンを支持する)は次のとおりであった。アゴメラチン:-0.16(p=0.11)、デスベンラファキシン:0.03(p=0.80)、デュロキセチン:0.09(p=0.42)、エスシタロプラム:-0.05(p=0.70)、セルトラリン:-0.04(p=0.83)、ベンラファキシンIR/XR:0.12(p=0.33)、ビラゾドン:-0.25(p=0.11)。
・忍容性については、1種を除きボルチオキセチンを支持するもの(オッズ比が1未満)であった。ただし、すべてで統計的な有意差は認められなかった。アゴメラチン:1.77(p=0.03)、デスベンラファキシン:0.58(p=0.04)、デュロキセチン:0.75(p=0.26)、エスシタロプラム:0.67(p=0.28)、セルトラリン:0.30(p=0.01)、ベンラファキシン:0.47(p=0.01)、ビラゾドン:0.64(p=0.18)。
・感度分析でも、推定治療効果や相対ランキングの有意な変化は認められなかった。

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(ケアネット)