ニューヨーク州ニューヨーク。2015年8月20日、ファイザー社は、欧州医薬品庁(EMA)からパルボシクリブ(商品名:IBRANCE)の承認申請が完了し、審査が開始される旨の通知を受領したと発表した。
本申請は、パルボシクリブをHR+/HER2-の進行乳がんの治療薬(内分泌療法との併用)として申請したもの。
本申請は、進行乳がんを対象としたPALOMA-1試験とPALOMA-3試験の最終解析結果に基づくものである。いずれの試験においても、IBRANCEと内分泌療法の併用により、内分泌療法単剤と比較して、無増悪生存期間(PFS)の改善が認められた。
第III相試験であるPALOMA-3試験では、内分泌療法中または内分泌療法後に疾患進行を認めたHR+/HER2-進行乳がん患者を対象とし、パルボシクリブと標準治療薬パルボシクリブの併用療法と、プラセボとフルベストラントの併用療法を比較検討した。本試験の結果は、アメリカ臨床腫瘍学会(ASCO)第51回年次大会においてLate breakerとして発表されるとともに、New England Journal of Medicine誌2015年6月号に掲載された。第II相試験であるPALOMA-1試験では、進行がんに対する全身抗がん療法歴のないER+/HER2-の閉経後進行乳がん患者を対象に、パルボシクリブとレトロゾールの併用療法と、レトロゾールの単剤療法を比較検討した。当試験の結果は米国癌学会(AACR)の年次大会で口頭発表され、2014年のLancet Oncology誌に掲載されている。
パルボシクリブは米国において、ER+HER2-閉経後進行乳がんに対する初回内分泌療法(レトロゾールとの併用)として、2015年2月に承認されている。
ファイザー株式会社プレスリリースはこちら。
(ケアネット 細田 雅之)