抗うつ薬治療により誘発される躁病、リスクプロファイルは男女間で異なる 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/05/16 抗うつ薬治療により誘発される躁病(antidepressant treatment-emergent mania:ATEM)を発症する男女の有病率および臨床プロファイルを、英国・ニューカッスル大学のJ Scott氏らが調査を行った。Acta psychiatrica Scandinavica誌2017年5月号の報告。 双極性障害患者754例の元サンプルから、厳密な基準を満たしたATEM症例75例とATEM対照群135例を抽出した。ATEM症例の男女を最もよく分類した臨床学的因子の組み合わせを特異的に検討した。 主な結果は以下のとおり。 ・ATEM症例として分類された75例において、ATEMイベントの85%は、抗うつ薬単独療法中に発現した。 ・回帰分析では、男性の73%において、アルコールと物質使用障害の両方または一方(オッズ比[OR]:6.37)、1回以上の自殺企図歴(OR:4.19)、1年当たりのうつ病エピソード数の多さ(OR:1.71)が分類された。 ・対照的に、女性の84%は、甲状腺疾患の有病歴(OR:3.23)、双極I型障害の家族歴(OR:2.68)、極性発症抑うつ症状(OR:2.01)に基づいて分類された。 著者らは「ATEM状態の厳密な定義を使用し、偽陽性症例と偽陰性対照の包含の可能性を減少させることにより、ATEM症例のリスクプロファイルが性別により異なることを初めて確認した」としている。 関連医療ニュース 双極性うつ病に対するドパミン作動薬の効果は 双極性障害に対する抗うつ薬使用の現状は うつ病、男女間で異なる特徴とは (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Scott J, et al. Acta Psychiatr Scand. 2017;135:479-488. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 脳出血既往AFに対する脳梗塞予防、DOACは有用か?/Lancet(2025/03/07) GLP-1受容体作動薬、自殺リスクと関連せず/BMJ(2025/03/07) 活動性ループス腎炎に対する新しいタイプの抗CD20抗体の治療効果(解説:浦信行氏)(2025/03/07) 抗PD-L1抗体薬、GLP-1薬などに重大な副作用追加/厚労省(2025/03/07) 新規作用機序の潰瘍性大腸炎治療薬オザニモド、その特徴は?/BMS(2025/03/07) 治療抵抗性強迫症に対するSSRI+ブレクスピプラゾールの有用性(2025/03/07) 硬膜外ステロイド注射は慢性腰痛に効果あり?(2025/03/07) 日本人の4人に1人がコロナ陰謀論を信じている!?(2025/03/07) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)