抗精神病薬の副作用、医師にどれだけ伝えられているか:藤田保健衛生大 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/06/26 抗精神病薬の有害事象は服薬アドヒアランスに著しい影響を及ぼすことがある。藤田保健衛生大学の波多野 正和氏らは、患者から報告されることの少ない抗精神病薬の有害事象およびそのような症状が残存している理由について調査した。Clinical psychopharmacology and neuroscience誌2017年5月31日号の報告。 主観的アンケートを用いて患者にインタビューを行い、データを収集した。報告されていない症状および背景因子との関連を調査した。 主な結果は以下のとおり。 ・統合失調症または統合失調感情障害患者306例を調査した。 ・主な症状は、昼間の眠気(50.0%)、体重増加(42.2%)、性機能障害(38.9%)であった。 ・性機能障害は、抗精神病薬多剤療法治療患者(オッズ比[OR]:2.14、95%信頼区間[CI]:1.07~4.30)および外来患者(OR:1.78、95%CI:1.02~3.13)で有意に多かった。 ・医師に症状を報告していた患者は約30%のみであった。 著者らは「抗精神病薬で治療中の統合失調症患者は、いくつかの有害事象に苦しんでおり、医師に報告できないと感じている。このことの最も一般的な理由は、患者と医師の関係が不十分であることによる。性機能障害はデリケートな問題であるため、とくに識別が困難であり、主観的アンケートがこのような問題を検出するのに役立つ可能性がある」としている。 ■関連記事 抗精神病薬の性機能障害、プロラクチンへの影響を比較 統合失調症患者の副作用認識状況は:さわ病院 統合失調症の性機能障害改善のための補助療法:名古屋大学 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Hatano M, et al. Clin Psychopharmacol Neurosci. 2017;15:132-137. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 生成AIにも認知機能障害!?/BMJ(2025/01/10) 外傷患者への早期の酸素投与、制限的vs.非制限的/JAMA(2025/01/10) ポラツズマブ ベドチン+R-CHPのDLBCL1次治療、5年追跡でも有効性確認 (POLARIX)/ASH2024(2025/01/10) 高K血症治療薬patiromerが心不全治療を最適化-DIAMOND試験サブ解析(2025/01/10) テクリスタマブ、再発/難治多発性骨髄腫に承認/J&J(2025/01/10) 抗精神病薬誘発性体重増加にGLP-1受容体作動薬セマグルチドが有効(2025/01/10) 若年性大腸がんが世界的に増加(2025/01/10) 乳がん患者の脱毛に対するミノキシジル投与は安全かつ効果的(2025/01/10) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)