うつ病に対するアリピプラゾールとセルトラリン併用療法の二重盲検ランダム化比較試験 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/05/15 昭和大学の上島 国利氏らは、セルトラリン100mg/日で効果不十分なうつ病患者を対象に、アリピプラゾール併用またはプラセボ併用による有効性および安全性の比較検討を行った。Psychiatry and clinical neurosciences誌オンライン版2018年4月16日号の報告。 本研究は、スクリーニング期間、8週間のセルトラリン治療期間(単盲検、25~100mg/日)、6週間のアリピプラゾールまたはプラセボ併用期間(二重盲検)で構成された。対象は、DSM-5で定義されたうつ病診断患者。セルトラリン治療後の非治療反応患者は、アリピプラゾール併用群(アリピプラゾール3~12mg/日とセルトラリン100mg/日)またはプラセボ併用群(プラセボとセルトラリン100mg/日)にランダムに割り付けられた。主要有効性エンドポイントは、ベースラインから6週までのMontgomery Asbergうつ病評価尺度(MADRS)総スコアの平均変化量とした。 主な結果は以下のとおり。 ・合計412例の患者が、アリピプラゾール併用群(209例)またはプラセボ併用群(203例)にランダムに割り付けられた。 ・MADRS総スコアの平均変化量は、プラセボ併用群(-7.2)と比較し、アリピプラゾール併用群(-9.2)で有意に大きかった(p=0.0070)。 ・アリピプラゾール併用群およびプラセボ併用群において、10%以上で発現した治療上の有害事象は、鼻咽頭炎(各々、13.4%、11.3%)およびアカシジア(各々、12.9%、3.4%)であった。 ・アリピプラゾール併用群で発現した治療上の有害事象は、すべて軽度~中等度であった。 ・治療上の有害事象による治療中断は、アリピプラゾール併用群で1.9%、プラセボ併用群で1.5%と、いずれも低値であった。 ・安全性評価において、アリピプラゾール併用群は、プラセボ併用群と比較し、顕著な問題は認められなかった。 著者らは「セルトラリン100mg/日での治療で効果不十分なうつ病患者では、アリピプラゾール併用療法は有用であり、忍容性も良好であった」としている。 ■関連記事 SSRI治療抵抗性うつ病に対する増強療法の比較 治療抵抗性うつ病に対する非定型抗精神病薬の比較 アリピプラゾール増強が有効な治療抵抗性うつ病患者の3つの特徴 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Kamijima K, et al. Psychiatry Clin Neurosci. 2018 Apr 16. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 複雑CAD併存の重症AS、FFRガイド下PCI+TAVI vs.SAVR+CABG/Lancet(2024/12/20) 慢性心血管系薬のアドヒアランス不良、リマインドメッセージでは改善せず/JAMA(2024/12/20) “Real-world”での高齢者に対するRSVワクチンの効果(解説:山口佳寿博氏/田中希宇人氏)(2024/12/20) 切除不能肝細胞がん、アテゾ+ベバがTACEの代替となる可能性/ESMO Asia2024(2024/12/20) EGFR陽性NSCLCの1次治療、オシメルチニブ+化学療法のアジア人データ(FLAURA2)/ESMO Asia2024(2024/12/20) 進行・再発子宮体がんの新たな治療選択肢/AZ(2024/12/20) 導入療法後に病勢進行のないHR+/HER2+転移乳がん1次治療、パルボシクリブ追加でPFS改善(PATINA)/SABCS2024(2024/12/20) 統合失調症発症後20年間における抗精神病薬使用の変化(2024/12/20) SGLT2阻害薬はがん発症を減らすか~日本の大規模疫学データ(2024/12/20) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)