東京医科大学の入試で女性受験者の得点を一律に減点し、入学者を制限していたことが明らかになった。現場で働く医師たちは、この問題をどのように受け止めているのか?
ケアネットでは、CareNet.comの医師会員を対象にアンケート調査を実施。男性医師(504人)、女性医師(501人)の計1,005人に、この問題に対する意見や、性別による人数制限の必要性を感じているかどうかについて聞いた。
調査は、2018年8月9~10日、ケアネット会員の医師を対象にインターネット上で実施した。回答者の内訳は、年代別では40代が30.9%で最も多く、50代(28.8%)、39歳以下(29%)、60歳以上(11.3%)と続く。
まず、医学部入試での女性減点問題をどう思うかについて尋ねたところ、「理解できる」あるいは「不公平ではあるが、ある程度理解できる」と答えた医師は、男女ともに6割以上で、一定の理解を示していることが明らかに。また、「理解できる」と答えた人の割合に、年代によって異なる傾向があることも明らかになった。
入試における女性比率の制限は必要だと思うかという問いに対しては、男性では「必要」が「不要」を上回ったのに対し、女性では「不要」と答えた人が最も多かった。
今回の問題に対する意見を自由記述で尋ねたコメント欄では、「試験は公平であるべきで、許されない」という意見がある一方で、「現実問題として女性は離職率が高く、制限は必要」という意見もみられた。また、「医師全体の勤務状況に問題がある」とする意見も多く、当直や時間外労働による負担や、それらが管理されず、必ずしも報酬につながっていないこと、“楽で高報酬な”バイトの存在など、医師の労働事情が背景にあることがうかがえた。
今回の調査の詳細と、具体的なコメントはCareNet.comに掲載中。
(ケアネット 遊佐 なつみ)