進行EGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療に対する第III相FLAURA試験において、オシメルチニブは、標準治療EGFR-TKI(ゲフィチニブ、エルロチニブ)と比較して優れた有効性と安全性を示し、1次治療の適応となった。そのため、オシメルチニブ1次治療における獲得耐性メカニズムについての知見は、今後の治療開発にとって重要な情報である。欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)では、上記FLAURA試験実施中に進行した患者における獲得耐性メカニズムに関する中間解析結果が報告された。
ベースライン時および進行・治療中止時の血漿サンプルを有する患者から収集した血漿サンプルを、次世代シークエンス(NGS)Guardant Health Guardant360の73遺伝子パネルまたはOmni 500遺伝子パネルを用いて分析した。
主な結果は以下のとおり。
・オシメルチニブ群では279例中113例/279(41%)、標準治療EGFR-TKI群では277例中159例(57%)でベースラインおよび進行・治療中止時の血漿サンプルを有していた。
・このうちベースライン時にEGFR変異(ex19del/L858R)が検出できたのは、オシメルチニブ群では91例、標準治療EGFR-TKI群では129例であった。
・標準治療EGFR-TKI群で最も多い耐性メカニズムはT790M変異の47%、そのほかはMET増幅の4%、HER2増幅の2%などであった。
・オシメルチニブ群では、EGFR T790M変異は認められず、もっと多い耐性メカニズムはMET増幅の15%、そのほかはC797Sの7%、HER2増幅の2%などであった。
オシメルチニブ1次治療で進行・治療中止した患者のサブグループ解析では、耐性メカニズムは多様性に富むものの、頻度が高いものは、MET増幅およびEGFR C797Sであり、予想外のものは観察されなかった。
(ケアネット 細田 雅之)