オシメルチニブは、EGFR T790M陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)における第III相AURA3試験において、化学療法と比較して、優れた有効性を示したが、このAURA3試験中にオシメルチニブで病勢進行した症例のctDNAを用いた獲得耐性についての結果が、初めて報告された。
主な結果は以下のとおり。
・AURA3試験でオシメルチニブ治療群に無作為化された279例のうち、ベースラインおよび進行・治療中止時の血漿サンプル入手可能症例は83例(30%)であった。
・83例中、ベースライン時にEGFR変異が検出できたのは73例であった。
・73例中、血漿サンプルでT790Mが検出できたのは88%であった(組織サンプルでは100%)。
・T790Mの消失は49%と、半数にみられた。
・EGFR獲得変異は21%に認められ、主なものはC797Sの14%であった。
・MET増幅は19%にみられた。
・HER2増幅は5%にみられた。
・1つ以上の耐性関連変異が認められたのは19%であった。
・T790M消失例のPFSは5.54ヵ月、T790M保有例では7.06ヵ月であり、T790M消失例で短い傾向にあった。
AURA3試験におけるオシメルチニブ2次治療の耐性メカニズムとしては、MET増幅およびEGFR C797Sが多く確認されたが、予想外のものは観察されなかった。同時に、さまざまな耐性メカニズムの共起が確認された。
(ケアネット 細田 雅之)