日本におけるアリピプラゾールの経口剤と持効性注射剤の併用期間に関する分析 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2019/01/11 アリピプラゾール長時間作用型持効性注射剤(LAI)の導入にあたっては、導入開始後2週間のアリピプラゾール経口剤との併用が推奨されている。しかし、2週間以上の併用を行う場合も少なくない。そこで、藤田医科大学の波多野 正和氏らは、アリピプラゾールLAIと経口剤との併用期間の違いについて検討を行った。Human psychopharmacology誌オンライン版2018年11月27日号の報告。 本検討は、症例対照研究として実施した。アリピプラゾールLAI導入と併用したアリピプラゾール経口剤の処方プロファイルを調査し、12週間のフォローアップ期間中における臨床経過を評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・対象患者121例中、アリピプラゾールLAIと経口剤との併用期間が2週間以上であったのは58例(47.9%)であった。 ・両群間における、治療失敗(何らかの原因による精神医学的入院またはアリピプラゾールLAI治療中止と定義)の割合に有意な差は認められなかったが、アリピプラゾール経口剤を2週間以上投与した群では、2週間投与群と比較し、ベンゾジアゼピン追加投与が少なかった(調整オッズ比:0.055、95%信頼区間:0.0060~0.50、p<0.01)。 著者らは「本結果は、薬物動態を考慮したアリピプラゾール経口剤とLAIの柔軟な併用期間を支持しているが、さらなる研究が必要である」としている。 ■関連記事 経口アリピプラゾール前処置後の統合失調症患者における持効性注射剤の有効性 統合失調症のLAI切替、症状はどの程度改善するのか 統合失調症患者に対するアリピプラゾール持効性注射剤切り替え~ドイツにおけるコスト比較 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Hatano M, et al. Hum Psychopharmacol. 2018 Nov 27. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 統合失調症に対するアリピプラゾール併用による糖脂質代謝への影響〜メタ解析(2025/02/24) イサツキシマブ、未治療の多発性骨髄腫に適応追加/サノフィ(2025/02/24) フロスの使用に脳梗塞の予防効果?(2025/02/24) 重度の感染症による入院歴は心不全リスクを高める(2025/02/24) 冷水浸漬はある程度の効果をもたらす可能性あり(2025/02/24) アスピリンはPI3K経路に変異のある大腸がんの再発リスクを低下させる/ASCO-GI(2025/02/24) 日本人の食事関連温室効果ガス排出量と死亡リスクにU字型の関連(2025/02/24) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20) シネマセラピー ~シネマにみるメンタルヘルス~(2013/04/26)