パニック症に対する薬理学的および神経調節性治療に関する臨床研究 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2019/02/19 パニック症(PD)の治療法は進展しているものの、より効果的かつ忍容性に優れる治療選択肢へのニーズは依然として高い。ブラジル・リオデジャネイロ連邦大学のMorena M. Zugliani氏らは、PDに対する薬理学的および神経調節性治療に関する最近のエビデンスについて検討を行った。Psychiatry Investigation誌2019年1月号の報告。 2010~18年に発表された臨床試験を、主要データベース(MEDLINE、Cochrane Library、PsycINFO、トムソン・ロイターのWeb of Science)を用いて検索した。ランダム化比較試験(RCT)または対象患者10例以上のプロスペクティブ臨床試験を抽出した。 主な結果は以下のとおり。 ・11論文(RCT:4件、オープン臨床試験:3件、比較臨床試験:5件)が選択基準を満たした。 ・RCT研究では、2つの試験のうち1つにおいて、経頭蓋磁気刺激(TMS)の有効性が認められた。 ・ピンドロール、d-fenfluramineは、フルマゼニル誘発性パニック発作に有効ではなかった。 ・クエチアピン増強療法は、プラセボと比較し、優れた有効性が認められなかった。 ・オープン試験では、エスシタロプラム、vortioxetine、TMSが有効である可能性が示唆された。 ・比較試験では、どの薬剤においても有意性は認められなかったが、tranylcypromine、パロキセチン、クロナゼパム、アルプラゾラムが有効な治療選択肢であることが確認された。 著者らは「現在の研究では、tranylcypromine、パロキセチン、クロナゼパム、アルプラゾラム、エスシタロプラムの有効性が確認されている。vortioxetineとTMSも、4週間以上の期間を要するものの有効と考えられる。クエチアピン、ピンドロール、d-fenfluramineでは、有効性が認められなかった」としている。 ■関連記事 パニック症に対する薬物療法のシステマティックレビュー パニック症への薬物治療のリスクとベネフィット パニック症に対し第2世代抗精神病薬は有用か (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Zugliani MM, et al. Psychiatry Investig. 2019;16:50-58. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前糖尿病の肥満へのチルゼパチド、糖尿病発症リスク93%減/NEJM(2024/11/22) 生後2年間のデジタル介入で肥満リスク低下/JAMA(2024/11/22) BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO(2024/11/22) 家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析(2024/11/22) 統合失調症患者に対する抗精神病薬の投与経路変更の影響は〜メタ解析(2024/11/22) 「週末戦士」でも脳の健康に利点あり(2024/11/22) 減量薬のアクセス拡大が年4万人以上の米国人の命を救う可能性(2024/11/22) 抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連(2024/11/22) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20) シネマセラピー ~シネマにみるメンタルヘルス~(2013/04/26)