喫煙者は、非喫煙者と比較してインフルエンザの発症リスクが高い可能性が示唆された。英国・ノッティンガム大学のLawrence Hannah氏らは、喫煙とインフルエンザ感染との関連をシステマティックレビューで調査し、結果をthe Journal of Infection誌2019年8月26日号に報告した。
研究グループは、MEDLINE、EMBASE、CINAHL、LILACS、Web of Scienceのデータベースを、それぞれ創刊から2017年11月7日までの期間検索し、関連するランダム化比較試験、コホート研究および症例対照研究を特定した。臨床症状からインフルエンザを定義した研究6件と、検査でインフルエンザウイルスが確認された研究3件が対象とされた。
研究の質は、Newcastle-Ottawa Scaleを使用して評価され、プールされたオッズ比(OR)は、ランダム効果モデルを使用して推定された。
主な結果は以下のとおり。
・9つの研究、4万685例の患者についてレビューを行った。
・インフルエンザ様症状を報告した6つの研究において、現在の喫煙者は非喫煙者よりも、発症リスクが34%高かった(OR:1.34、95%信頼区間[CI]:1.13~1.59)。
・検査で発症が確認された3つの研究において、現在の喫煙者は、インフルエンザ発症リスクが非喫煙者の5倍を超えていた(OR:5.69、95%CI:2.79~11.60)。
(ケアネット 堀間 莉穂)